あらすじ・解説
1978年のテヘランに住む9歳の少女マルジ(ガブリエル・ロペス)は、両親や祖母とともに何不自由なく暮らしていた。そんなある日、革命が始まり、新イスラム共和国が誕生。反政府主義者として投獄されていたアヌーシュおじさん(フランソワ・ジェローム)も解放され、マルジは彼からさまざまなことを教えてもらうが、その後アヌーシュは新政府に逮捕されてしまう。
シネマトゥデイ(外部リンク)
作品レビュー(75件)
- dkf********
4.0点
形態こそ純然としたアニメ映画だが、内容は80年代のイラン近代史をテーマにしたバリバリ硬派な政治ドラマ。それと同時にこの激動の時代に青春を過ごした主人公マルジの成長譚でもあるのだが、このストーリーがなかなかに興味深い。自分はアニメは全く観ない(宮崎アニメも鬼滅も縁がない)のだが、本作においてはアニメ映画を観たという感覚があまりなく、これがアニメーションなのは見せ方の手法にすぎないと実感した。実のところ、これが実写だったらこんなに飽きることなく見ていられなかったかもしれない。 写実でなくヘタウマ系の画風なところも大人向きで味わい深く、カトリーヌ・ドヌーヴらが見事なアテレコでキャラクターに魂を吹き込み、マルジの視点から激動のイラン近代史がスッと腹に落ちて来た。やっぱり漫画やアニメの力は偉大だ。 それでも一般受けするような作品ではないし、他人に薦めたりはしないが、間違いなく映画として秀作。この★4つは通俗性ではなく、完成度の高さへの評価だ。
- m_l********
5.0点
このレビューにはネタバレが含まれています。 - cot********
3.0点
ユーモアたっぷりに描いているせいか、はたまた主人公の強烈なキャラクターのせいか。ウィーンで「イラン人」として何かと冷遇される主人公だけど、東洋人の自分には彼女自身が「タチの悪いヨーロッパ女」にしか見えなかった。 あとお婆ちゃんが誰かさんのタバコと健康問題を、国家問題をブチ込みながら「関係ない」と言ってたような気がするが、そうまでしてタバコ吸い続けたいのかな・・・と思った。 一方でイラン人を取り巻く諸問題を提起したのは評価したい。離婚すると居場所がなくなるんですねえ。スカーフちゃんと被らないだけで、見知らぬオッサンからセクハラ・パワハラ受けちゃうんですね。それから異様に毒づくが、温かみも感じるお婆ちゃんも良かったと思う。 ただイランを脱出した主人公が、オーストリアだの、おフランスだの。資本主義国にばかり向かってるのがなんだかよく分からない。あれだけマルクスだなんだ言ってるんだから、キューバや北朝鮮にでも向かったら、話の流れとして筋は通ってると思うけど。やっぱり資本主義国でエンジョイしたいのかな? 重要な問題提起が数々ある作品なのですけど、主人公が強烈すぎて、私にはそちらが入ってきにくかった・・・・・。
- agu********
4.0点
イランからフランスに留学したイラン人の女性の話。 祖国では紛争によって治安が悪化する中、親の計らいで 自分だけフランスという民主主義の国で留学することに 罪悪感と物足りなさを感じるという何ともリアルな話。 また、人種が違うとどうしても起こってしまう差別問題に 苦しみながらも何とか生活していかなければならないという辛さ。 とにかくこに映画にはアニメながらリアルな問題が沢山 詰まっていて非常に楽しめる作品である。
- mya********
3.0点
ネタバレ昔はもっと自由だったんだ…
このレビューにはネタバレが含まれています。
スタッフ・キャスト
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受賞歴
カンヌ国際映画祭第60回
LA批評家協会賞第33回
NY批評家協会賞第73回