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ペルセポリス
2007年12月22日公開

ペルセポリス

PERSEPOLIS

952007年12月22日公開

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4.0

一族の矜持

2007年。フランス映画。主人公の女性が90年代にフランスに来るところで終っているのだから、彼女が作家となって綴り、アニメ化した物語ということになるのでしょう。イラン革命以降の知られざるイランの内情を一人の少女の成長過程に合わせてつづる。この少女がブルース・リーを愛し、パンクに命をかけるってのが面白い。 国王の時代も革命後の宗教的な時代も、ともに弾圧されてしまう「自由」という普遍的なテーマ。自分を預言者と思い込む少女時代からマスクスを読みあさる思春期まで、自らの「自由」とともに世界の「自由」も考える賢い女性。おじいちゃんが王族のひとりであり、叔父さんの一人は共産主義者として殺されるなど政治エリート一族でもあるから、「常に公明正大に生きなさい」というおばあちゃんの教訓は、そこらのご隠居さんのたわごとではなく、高貴なものの義務=ノブレス・オブリージュの匂いがします。 評価の高いアニメですが「知られざるイラン」ということが大きい(イラン・イラク戦争では、開明的なイラクに対して狂信的なイランという図式が流布していた。湾岸戦争とイラク戦争以後の現在ではちょっと想像しにくい)。アニメとしては驚くようなことはなかった。影絵的で動きも少ないし。それでもイスラムの女性の衣装やイランの暗ーい空気がモノクロで上手に表現されています。あ、途中で日本映画「ゴジラ」のシーンがありますけど、アメリカ文化も結構入っていたイランですが、特に日本との友好の歴史は長いのです。細かいけど、そーいう部分も含めて歴史教材にもってこいの映画です。

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