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フィクサー (2007)

MICHAEL CLAYTON

監督
トニー・ギルロイ
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3.25 / 評価:717件

解説

弁護士事務所に所属し、裏で暗躍するもみ消し屋“フィクサー”の苦悩と焦燥を描きながら、ある大企業の集団訴訟をめぐる陰謀劇に迫る社会派サスペンス。主人公の“フィクサー”こと、マイケル・クレイトンを演じるのはジョージ・クルーニー。『ボーン・アイデンティティー』の脚本家トニー・ギルロイが初監督に挑む。各映画賞を席巻しているクルーニーをはじめ、トム・ウィルキンソン、ティルダ・スウィントンら、キャストの熱演が見どころ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

大手法律事務所のフィクサーとして活躍するマイケル(ジョージ・クルーニー)。在職15年にして共同経営者への昇進もない彼が焦りと不安を感じる中、大企業の集団訴訟にかかわっていた同僚の弁護士アーサー(トム・ウィルキンソン)が精神に異常をきたす事態が発生。マイケルはその後始末をするため、アーサーの下へ向かう。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2007 Clayton Productions, LLC
(C) 2007 Clayton Productions, LLC

「フィクサー」腐敗しきった企業社会における現実を描いた社会派サスペンス

 額面上は、“もみ消し専門”の弁護士をクローズアップして法曹界の醜い裏舞台を暴き、それ以上に腐敗しきった企業社会における現実を描いた知的サスペンスだ。しかしこの「ボーン・アイデンティティー」シリーズの脚本家による初監督作は、センセーショナリズムに堕することなく、琴線に触れる繊細な表現に富んだ意欲作である。

 モチーフは巨額の薬害訴訟。巨大農薬会社は全米有数の法律事務所に弁護を依頼するが、担当弁護士はその企業の悪辣さに耐えかねて精神が壊れ、暴露を企てる。資本主義ゲームから逸脱して暴走する同僚の事後処理に乗り出すのが、もみ消し屋マイケル。しかし、企業の利益を守ろうとする法務責任者の画策によって、弁護士は命をおびやかされ、真実を知ってしまったマイケルもまた消されかける。

 70年代以降、権力に立ち向かう社会派映画は珍しくはないが、いまや巨悪がはびこる現実を嫌というほど知らされ、善と悪の境界線は曖昧で、正義も理想も死に絶えている。かつて法廷弁護士を志していた40代半ばのマイケルは、まさに同時代の心理を体現し、妥協しながら惰性で生きていた。マイケルの命を救ったものは何か。それは崩壊寸前の彼が、あるものに心を奪われて人間性を取り戻し、予期せぬ行動に出たためだった。視点を変えて2度描かれるこの場面が実に美しい。彼は目覚め、大勢の奴隷であることを断ち、反撃に転じる。カタルシスを得るために必要な、主人公の行動原理への共感が、この映画には十二分に備わっている。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2008年4月3日 更新

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