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ハサミを持って突っ走る

ハサミを持って突っ走る

RUNNING WITH SCISSORS

122

shoko

2.0

ウェス+アメリカンビューティー=実話

テレビをつけたらちょうどはじまったところなので見てしまった映画。 メジャーな俳優さんたちが出演しています。 アネット・ベニング、アレック・ボールドウィン、グウィネス・パルトロー、ジョセフ・ファインズ、エヴァン・レイチェル・ウッド、、。 このキャストなので、な〜んか変な映画だけど、がんばってみてたんですが、とてもウェス・アンダーソン的。 グウィネスもでてるし、ザ・ロイヤル・テネンバウムズかと思っちゃいましたよ。 でもウェスほどにはぐちゃぐちゃ学芸会的フェアリーテールではなくて、筋があるし、と感じていたら、な〜んと実話でした。 精神不安定な詩人のお母さんとアル中のお父さんに育てられた主人公が、13才であやしい精神科医の養子にされ、その精神科医のはちゃめちゃに壊れた家族やお母さんの精神病のエピソードなどに翻弄されながら、とうとう家をでて、作家をめざして一人立ちする、という話だけど、その主人公の自伝小説がベストセラーになり、こうして映画化されたというわけなんです。 本のあらすじを読んでみたら、映画よりもっと詳細にいろんなことがあって、これはもうコメディじゃなくて、犯罪、児童虐待だよ〜(動物虐待も!)なんて思っちゃうけれど、これをコメディの味付けにしたのがコダワリなんでしょう。 もしかしたら本もコミカルに書かれているのかもしれない。 でも私にはぜんぜん笑えなかったです。 脚本、監督が「グリー」のライアン・マーフィー。彼は15才の時にゲイであることをカムアウトし、2012年には同性の夫との間に子供が生まれた、という記事を読みました。 この映画の主人公も13才でカムアウトし、精神科医に養子にされた33才の「義兄」( ジョセフ・ファインズ )と性的関係をもつ、なんてエピソードがあるので、そのへんの共感からもこの話を映画にしたいと思ったのかな。 原作のベストセラー本のほうは読み応えがありそうです。 さて、この映画がコメディではなくシリアスに描かれていたら成功したか、、はわからないけれど、ここまで大げさにデフォルメ+ウェス化しなくても、例えば「アメリカン・ビューティー」みたいなペーソスのあるユーモアを感じるドラマ、くらいにしておいてもよかったのではないかな。 もちろん「アメリカン・ビューティー」を連想したのは、その精神病のお母さん役がアネット・ベニングだったからですが、彼女はいい演技をしていました。いや、俳優さんたちみんな、とてもいい演技だったと思うんですが、なんといっても監督の演出と脚本がこれではね。例えば、クリスマスプレゼントにこの映画のDVDなんかもらったら、すごく嫌だろうなぁなんて思います(苦笑) 当時のインテリアや服装、色使い。そして音楽のセンスの良さ(ビル・エヴァンス!)はゲイの監督さんならではでしょうか。 アネットの演技と美術、音楽の良さに免じて星ふたつ進呈。

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