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ダージリン急行
2008年3月8日公開

ダージリン急行

THE DARJEELING LIMITED

912008年3月8日公開

coc********

5.0

ネタバレ旅は心の洗濯

フレンチディスパッチを観た勢いで久しぶりに鑑賞。 父の葬儀をきっかけに疎遠になってしまった3人が兄弟の絆を取り戻すスピリチュアルジャーニー、と言うと大げさですが、実際は仲が良いのか悪いのかよく分からない3人がわちゃわちゃしながらインドを旅してお母さんに会いに行く話。 最初はお互いに不信感があり、喧嘩も絶えない兄弟。旅の途中で偶然インドの少年の死に立ち会い、思いがけず父の葬儀の日へと思いを馳せます。3人とも父の死に傷ついていました。大事な葬儀に遅れてしまった後悔。姿を現さなかった母への疑い。 一度は帰国する飛行機に乗りかけますが、直接確かめるべく、母に会いに行きます。やっと出会えた母は愛する子どもたちとの再会を喜んでくれました。母が葬儀に来なかったのは何てことはなく、自分を必要としてくれる場所があるのに、わざわざ行く意味を感じなかったからだと言います。 母は子どもたちに助言を残すと、翌日には姿を消していました。きっとまた、必要とされる場所へ行ったのでしょう。 母の言いつけ通り過ごした兄弟は帰りの汽車へ。母への長年の疑惑が晴れたからか、3人共、素直な心を取り戻します。弟2人は長男フランシスの傷を見て、大事に至らなかったことに安堵。電話では、ピーターは産まれてくる子どもを受け入れ、フランシスは途中で解雇した秘書を再雇用し、ジャックは元彼女に連絡します。さらに3人は旅で出会った人に思いを馳せます。ライム娘は元気に汽車に乗っているし、没収された蛇も殺されず大事にお世話されている。冒頭で汽車に乗れなかったビルマーレイもきっと別の汽車に乗れていることでしょう。 今までの旅を思い出していると、乗る予定の汽車が出発してしまい、慌てて追いかけます。父親の鞄を抱えたままでは乗れないと気づいた兄弟は躊躇いなく鞄を放り投げ帰りの汽車に飛び乗るのでした。 フランシスが取り上げていたパスポートを2人に返そうとするとジャックが言います。「持っててくれ。自分で持つより安心だから。」 なんていうか、行間を読む映画だと思います。ズバッと心情を表す台詞があるわけではないので、どういう映画なのかちょっと分かりにくいのですが、この淡いふわふわ感と後味の良さが癖になります。こういう説教臭くなく、心が軽くなる映画は大好きです。

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