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ダージリン急行 (2007)

THE DARJEELING LIMITED

監督
ウェス・アンダーソン
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3.61 / 評価:755件

解説

魅惑的なインドを舞台に、大人に成り切れない3兄弟が列車での旅を繰り広げるヒューマン・コメディー。監督は『ライフ・アクアティック』のウェス・アンダーソン。主人公の3兄弟をアンダーソン監督の盟友オーウェン・ウィルソン、『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディ、『マリー・アントワネット』のジェイソン・シュワルツマンが演じている。とぼけた笑いと温かい感動に満ちた、アンダーソンならではの作品世界が魅力だ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

父の死をきっかけに別々の道を歩みはじめ、それぞれの人生で悩み迷っていたホイットマン家の3兄弟、フランシス(オーウェン・ウィルソン)、ピーター(エイドリアン・ブロディ)、ジャック(ジェイソン・シュワルツマン)。あるとき、事故で九死に一生を得たフランシスは、兄弟のきずなを取り戻すため、弟たちをインド旅行に誘う。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2008 TWENTIETH CENTURY
(C)2008 TWENTIETH CENTURY

「ダージリン急行」馬鹿でとりとめがない映画なのになぜか心に沁みてくる

 ウェス・アンダーソンの映画を見ると、私は「とりとめがない」という言葉を思い浮かべる。語り口はとりとめがなく、登場人物の言動もとりとめがない。観客も最初は、とりとめがない印象を覚えるのではないか。

 なのに、彼の映画は沁みる。馬鹿でおかしくて、ギャグやジョークやガジェットで空間が満たされているにもかかわらず、最後に残るのはとても良質のメランコリーだ。「ダージリン急行」でも、アンダーソンはスリー・ストゥージスを思わせる3兄弟を登場させる。3人は、それぞれにエゴが強い。長兄はコントロールマニアだし、次兄は神経質だし、末っ子は頑なだ。一度壊れた関係が修復されるとはとても思えない。

 アンダーソンは、そんな3人をインドの汽車に乗せる。バスや馬車にも乗せて見知らぬ土地を漂流させる。3人は、それぞれの感性やスタイルを崩さない。たがいの特性や美質を発見しあったりもしない。むしろ勝手気ままに、自身に特有の穴を掘り進めていく。

 ポイントはここかもしれない。

 3人の感性を放し飼いにし、それぞれのおかしさが、インドのおかしさに触れたり、はぐれたりする。このちぐはぐが、映画にとりとめのなさを与え、なおかつ観客を意外な場所へとかどわかしていく。「こわれた家族」の言動を変奏しているうち、アンダーソンはこの技を自家薬籠中のものとしてきたようだ。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2008年3月6日 更新

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