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ノーカントリー (2007)

NO COUNTRY FOR OLD MEN

監督
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
  • みたいムービー 5,883
  • みたログ 1.1万

3.72 / 評価:2623件

解説

1980年代のテキサスを舞台に、麻薬密売に絡んだ大金を手にした男が非情な殺し屋に追われるサスペンス。監督は映画『ファーゴ』のコーエン兄弟。大金を手にした男を映画『アメリカン・ギャングスター』のジョシュ・ブローリンが、彼を追う殺し屋を映画『海を飛ぶ夢』のハビエル・バルデムが、殺し屋を捕らえようとする保安官をトミー・リー・ジョーンズが演じる。独特の緊迫感と恐怖を演出し、人間と社会の本質をあぶり出すコーエン兄弟マジックが見どころ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

狩りをしていたルウェリン(ジョシュ・ブローリン)は、死体の山に囲まれた大量のヘロインと200万ドルの大金を発見する。危険なにおいを感じ取りながらも金を持ち去った彼は、謎の殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)に追われることになる。事態を察知した保安官ベル(トミー・リー・ジョーンズ)は、2人の行方を追い始めるが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2007 Paramount Vantage, A PARAMOUNT PICTURES company. All Rights Reserved.
(C)2007 Paramount Vantage, A PARAMOUNT PICTURES company. All Rights Reserved.

「ノーカントリー」眼を凝らせ、耳をそばだてよ。コーエン兄弟の神技が観客に迫る

 荒野に虚無や寂寥を見る映画は、掃いて捨てるほどある。荒野に抒情を求めた映画も数多い。が、荒野と錬金術を結合させようとした映画が、かつてあったろうか。「ノーカントリー」のコーエン兄弟は、そんな難関に挑んでいる。舞台は1980年の西テキサス。主な登場人物は3人。麻薬がらみの200万ドルを持ち逃げした男。金を取り戻そうとする殺人者。殺人者を追う保安官。

 単純な構図に見えるが、いわゆるキャット&マウス・ムービーの印象はすぐに蒸発する。殺人者の存在があまりにも危険で、理不尽なまでに邪悪だからだ。最悪の髪型をしたこの男は、高圧ボンベ付きの家畜用スタンガンで、鍵穴も人間の額も同じように撃ち抜く。快楽や苦悩は介在しない。恐ろしい存在だ。おかしい存在だ。まるで死神や運命の化身を思わせるが、話をそこに落とすのは退屈だ。殺人者は地上を離れず、逃亡者を追い詰めていく。

 その過程で、コーエン兄弟は考えつく限りの映像技巧を動員する。荒野の空白と狭い室内の窒息感を対比させるだけではない。光と音を、というより影と沈黙を最大限に活用し、観客の全神経を画面に集中させる。眼を凝らせ、耳をそばだてよ、と観客に迫る。照明も編集も異様なまでに細密で、なおかつ精緻な幾何学を超えて氾濫する魔力がある。なにかが起こることはわかっていても、なにが起こるのかはわからない。これはやはり、神技に近い錬金術だ。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2008年3月13日 更新

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