うれしい楽しい大好きチャップリン
- mus***** さん
- 2009年3月14日 10時06分
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- 総合評価
このドキュメンタリーを映画館で見るという貴重な体験をした.上映してくれた神戸のパルシネマさんに大、大、大、感謝したい.
ジョニーデップのインタビューが興味深かった.彼は,チャップリンの黄金狂時代で演じられた,ロールパンの踊りを実際に真似してみたそうだ.
「まさかこんなに難しいものだったとは思わなかったよ.」と話すジョニーデップ。
彼もチャーリーをとても意識している映画人のひとりなのだ.
そう言えば,彼の当り役である、ジャック・スパロウ船長の,あの手の動きや,身のこなし方.どこかチャップリンを思い起こさせるものがある.
チャップリンが最初にミュージックホールで大受けしたのが酔っぱらいの演技。ジャックスパロウ船長も、そう言えば,四六時中酔っぱらっているような動きである.
ウディアレンも,実に彼らしく、好きな作品、嫌いな作品をはっきりコメントしている.
マーティン・スコセッシ監督は,やはり監督としてのチャップリンをコメントする.その優れた編集技法、ストーリーの展開.チャップリンがはじめて監督に専念した「巴里の女性」を再評価してみせる.
他にも,チャップリンの伝記映画である、「チャーリー」の監督リチャード・アッテンボロー(どうしても「大脱走」の将校役がイメージからはなれないなぁ~)や,主役のロバート・ダウニーjr、の話も興味深い.
また,近年発見された、「独裁者」撮影中の様子を撮ったカラーでのホームムービー、更には「街の灯」撮影中のホームムービーなど,資料的価値の高い映像がぎっしり詰まっている.
チャップリンについては,映画人としてだけではなく、それこそ,人類史に残る人物なので、どうしても彼を祭り上げてしまいたくなる自分がいる.
だが,当のチャップリンはそんな事は望んでいないのだろう.彼は,人を笑わせるために映画を作ったのだ.観客をただ,楽しませたかったのだ.
そんな彼もやはり人間だ.老いが訪れる.やがて,彼の笑いは古くさいと思われるようになってしまった.はなれていく観客、老いる自分。
孤独と向き合い、映画人としての集大成ともいえる、晩年の傑作「ライムライト」がうまれた。
主演のグレア・ブルームは、「撮影中は、まるで夢を見ているようでした。」とのこと。
このドキュメント作品を鑑賞するチャップリンファンの気持ちを、まさに代弁しているかのようである.
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