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ウォーリー (2008)

WALL・E

監督
アンドリュー・スタントン
  • みたいムービー 838
  • みたログ 6,021

4.15 / 評価:2,451件

最後のアレ

  • jit***** さん
  • 2018年7月9日 0時41分
  • 閲覧数 1968
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

いわゆる環境保護物の作品は今や映画ドラマ小説マンガなど媒体に関わらず世界中で作られ、もはや定番と言っていいほどに好まれるようになったと思います
この作品もそういう流れの1つなんだろうと見ていたんですが、どうやら違う
たしかに地球はゴミで汚いし、生物はゴキブリぐらいしかいないし、木々が無いから砂嵐は起こるし…
ただ、そういう世界設定はされていても本作は、私が環境保護物というシールを貼って雑に箱詰めした作品たちとは起承転結の型がまったく異なり、劇中で使われているハロードリーのようなボーイミーツガールが主軸にあります
700年せっせと働いていた、いわば田舎の朴訥青年のウォーリーと気が強いシティガールのイヴが知り合い、価値観を共有し、共に戦い、最後には……って感じですね

お話としては弱い部分が目立つ作品だと思います
主眼がロボットたちの交流に置かれているので特に目新しい教訓めいたものはありません
まあ環境保護物によくある説教臭さが無いので見やすいとも言えます
本作の魅力はやっぱりロボットたちの可愛さですね
強い感情と子供っぽさ、不憫な扱いは(私の考える)R2-D2以来ずっと続くロボット萌えの大原則で、本作もそこをしっかり拾っているのでキャラクターを見ているだけでもある程度の満足感は得られると思います

正直本編見終えた段階ではそこまでテンション高くなかったのですが、エンドクレジット以降が本作最大の見所でした
絵画の技法と人の文化の発達が同時に描かれるあの映像は物語としてのシークエルの機能と、ロボットたちにおんぶに抱っこだった人間たちの可能性を示すもので、人間を含めた地球の生き物全てを礼賛するような意図が込められています
環境保護物にありがちな、人間は自然にこんなに酷いことをした!反省しろ!みたいな帰結ではなく
俺たち人間は駄目な生き物かもしれないけどうまくやってこれた歴史があるから、もう一度頑張ろう、といったエールのように感じました
本作はロボットたちからして完璧な存在はおらず、皆何かしら歪さを抱えています
ウォーリー自身がその最たる例で、本来は700年の間に休まず仕事をしていつか朽ちるだけの存在のはずだった
そんな彼が何かしらの不具合で意識を持ってしまったがために働き続け、夢を持ち、それを叶えるために行動した結果が多くの物事に影響しました
完璧な存在には意識は必要がない、意識は生物が持ちうる歪さ…と示されていると考えると、私は伊藤計劃のハーモニーを思い出します
本作ではそういった歪さを素晴らしい物、愛すべき物として描いていたので観ていて勇気づけられます

ただ、本作最大のショックシーン
エンドクレジットが終わり、ディズニーとピクサーのロゴも終わり、特典映像はあったかなとリモコンを手に取ると

『B〜N〜L〜♪』

瞬間、頭がフリーズしかけました
本編始まってから最後までずっと目の端に移り続け、特に取り上げられることはないものの違和感を生み出し続けていたあの企業のサウンドロゴが流れる
何故…?
色々解釈あると思いますが、メインキャラクターが引き起こす物語は全てBNL社の筋書き通りで、大企業が人類の生殺与奪から挙げ句の果てには進化退化まで操作してはいないかという警告
あるいはこのハートフルストーリーですら劇中の愚かな人間たちを喜ばせるためのいわばポルノでしかないという暗示…
何にせよ、とんでもない爆弾を落としてくれたことに間違いは無いです
このシーンの有る無し、理解出来る出来ないで本作に対する考え方はまったく変わってしまうのでもし地上波での放送や個人や公の場での鑑賞会があるなら、必ず最後まで流して観ることを義務付けさせたいです

詳細評価

物語
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