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ミスター・ロンリー
2008年2月2日公開

ミスター・ロンリー

MISTER LONELY

1112008年2月2日公開

一人旅

5.0

他人を真似る人生は…

ハーモニー・コリン監督作。 弱冠19歳の時に脚本を書いた『KIDS/キッズ』(95)で注目され、『ガンモ』(97)で長編デビューを飾った鬼才:ハーモニー・コリン監督による風変りな人間ドラマで、有名人になりきって生きる人々の関わりを独特のタッチ&映像で映し出しています。 マイケル・ジャクソンの物まねをしている主人公の青年(ディエゴ・ルナ)が、マリリン・モンローになりきって生きているヒロイン(サマンサ・モートン)に誘われて、スコットランドの古城で他の物まね芸人達と一緒に共同生活を始める―という一風変わった群像ドラマで、マイケル・ジャクソンとマリリン・モンロー以外に、チャップリン、リンカーン、ジェームズ・ディーン、マドンナ、ローマ法王、エリザベス女王…と活躍した分野も時代も多種多様な世界の有名人達になりきって生きる個性豊かな人々が登場します。 自然に囲まれた古城とその周辺に舞台を限定して、他人の真似をして生きている人々が織りなす哀歓の日常を淡々と描きながら、彼らの目標である「地上最大のショー」を成功させるべく一丸となって奮闘する様子を映し出しています。 そして、他人の真似をするという“気楽&無思考”な生き方に埋没していた青年が、人妻であるヒロインとの許されない恋や他の物まね仲間達との関わり合いを通じて、本当の自分を模索する道を選び取っていくまでの過程を見つめた“自分発見ストーリー”となっていて、彼ら物まね芸人達は、何かしらの殻を被って生きている私たち観客自身を投影した存在なのであります。 貧困の村に物資を投下する活動をしている神父役はヴェルナー・ヘルツォーク監督。主人公のマネージャー役はレオス・カラックス監督で、同監督によるアレックス三部作(『ボーイ・ミーツ・ガール』(83)、『汚れた血』(86)、『ポンヌフの恋人』(91))で主人公アレックスを演じたドニ・ラヴァンが本作ではヒロインの夫を演じています。

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