2008年1月19日公開

ぜんぶ、フィデルのせい

LA FAUTE A FIDEL!

992008年1月19日公開
ぜんぶ、フィデルのせい
4.0

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(58件)


  • ayu********

    4.0

    ネタバレ可愛いだけじゃない!

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • 一人旅

    5.0

    価値観との出遭い、心の成長

    ジュリー・ガヴラス監督作。 1970年代のパリを舞台に、共産主義に傾倒する両親を持つ9歳の少女アンナの成長を描いたドラマ。 『Z』(1969)『背信の日々』(1988)『ミュージックボックス』(1989)の社会派映画の巨匠コスタ=ガヴラスの実の娘ジュリー・ガヴラス監督の長編デビュー作。1970年代のパリを舞台に、スペイン貴族出身で弁護士の父と雑誌記者の母がある日を境に共産主義に傾倒した結果、それまでの恵まれた生活が一変する様子を、厳格なミッションスクールに通う9歳の娘アンナの視点で描いてゆく。 シャルル・ド・ゴールの死、アジェンデ大統領就任によるチリ社会主義政権の成立、スペインのフランコ独裁政権、反体制を訴えるパリのデモ行進、チリ・クーデターによる社会主義政権の崩壊など、1970年代のフランス国内外の情勢を色濃く反映した内容。チリのクーデーターに関しては監督の父コスタ=ガヴラスがジャック・レモン主演で『ミッシング』(1982)を撮っているので、本作にもその影響が見られる。 テーマは少女アンナの成長。アンナはさまざまな“価値観”と触れ合ってゆく。共産主義という価値観、ウーマンリブ運動という価値観、厳格なミッションスクールが子どもたちに強制する価値観…。世の中に存在する無数の価値観、そのどれもが人によっては正しく、人によっては間違いである。絶対的に正しい価値観など存在しないことに気づいたアンナは、ひとつの価値観を盲目的に信じ続ける父親や母親の姿を見て子どもながらに疑問を抱いてゆく。さまざまな価値観に囲まれながら、やがて自分なりに考え理解する力を身に付けてゆくアンナの姿が感動的だ。そして、アンナと転校先の公立校に渦巻く“無数の価値観”との初めての遭遇を表現した、長回しのラストカットが秀逸。 主人公アンナを演じた新人ニナ・ケルヴェルの演技が素晴らしい。常に不満を抱いているようなふくれっ面が逆にキュート。自分が信じた価値観の敗北を知り、一人窓辺に佇む父親の手に優しく触れる姿も印象に残る。

  • goo********

    2.0

    現実を生きようと頑張る少女。

    すべての人間がそうなのかなって・・ 小さい時に親に教えられたことや、関わっていく人と話すなかで思想が一変したり。興味のなかったものごとを考え始めたり。。。 教える時期って難しい・・それも親の判断になる。 この映画の女の子は小さいがいろいろと興味をもっている。おかしいと思いながらも親の教えに従ったり。意味はわからないけど覚えた歌を歌ってみたり・・子供ながらに受け入れようともがく少女の姿は大人になった自分からみると切なくなる・・

  • ish********

    5.0

    翻弄されつつもしっかりとした少女

    この作品で描かれる1970年代のフランスやキューバ、チリ、スペイン等の政治・歴史的知識がほとんど無いのでネットで軽く調べつつ鑑賞しましたが、殺伐とした描写は一切なく、ほのぼのとした雰囲気で小難しい説明も無く、観やすい映画でした。 情勢と家族に振り回される少女が、共産主義について語る両親やカトリック学校の教師に投げかける鋭い疑問には、観てるこちらも一緒に考えさせられます。 終始子供の目線で笑いも含めて描かれるので退屈もせず、教養も深められる、ヒューマンドラマとしてもしっかりしている、という素晴らしい映画でした。

  • ryo********

    4.0

    小難しさはあるが、子役バンザイで帳消し

    両親が急に共産主義に目覚めたら?1970年のパリを舞台に複雑な政治的背景を持つこの作品は、娘であるアンナの視線で物語が進んでいく。当時の時代背景が分からないと物語を理解するのが難しく(冒頭に字幕処理するが説明不足)、政治的思想が余り無かったり興味の無い人が多い日本人には特に難解に感じる所がある。私自身がバカだと言うのが一番の理由だが。 弁護士である父と雑誌記者の母。裕福な家庭に生まれ何不自由なく暮らしてきた家族の生活が、両親が共産主義に目覚めた為一変する。狭いアパートに引越し、好きな宗教学の授業も受けさせてくれない。家には知らない人(同胞者)が毎日大勢訪ねてきて夜な夜な議論をしている。親は共産主義の精神を子供に教えたいが、子供にしてみれば自分也の世界を持っておりそれを壊されるので常に反発する。 子供にとって親のしている事など分かるはずも無く、何とか自分の世界を守ろうとするアンナ。彼女の視線(というか目線)で進むこの作品のキモといえる二ナ・ケルヴェルの演技・存在感には度肝を抜かれた。常に仏頂面で文句ばかり言っているかと思えば、時折笑顔を見せるのが余計に可愛く見える。弟フランソワ役のバンジャマン・フイエも素晴しく、姉とは逆にどんな状況にも順応し対応する(深く考えてないとも言える)弟役を自然に演じていて、子役のレベルの高さに2度ビックリ。 親に反抗してばかりのアンナだが、次第にその考え方に変化が出てくる。周りにいる主義主張の異なる様々な大人達の様々な意見を聞いていく内に、自分なりに考え結論を出していくようになり、今迄の凝り固まった物の考え方でなく多角的に考え自分の世界観が広がっていく。その際大人達がアンナに対して問い掛けや説得をするがその問答がとても面白く、是非観に行って確認して欲しい。 時代背景として父親の祖国チリのアジェンデ政権の誕生と崩壊、それに対する政治的活動、記者である母親が当時法律で禁止されていた人工中絶を支持する記事を載せるというウーマンリブ運動など、アンナの気持ちの変化に重要な位置づけの出来事は、知っていた方がより深く理解できるのは間違いない。が、この映画がキッカケで調べてみるも良し、分からなくても子供達の演技を見るだけでも価値がある作品ですよ。

  • Kurosawapapa

    4.0

    少女目線で社会を描く

    なんとも不思議な映画でした。 9歳の女の子が社会情勢の急激な変化の波にのまれていきます。 原作では、8歳から12歳に成長するまでの物語だそうですが、 それにしても、そんな大変な情況に対応していく主人公のアンナは、 かなり“おませさん”です。 この作品は、子供が革新的で大人は保守的という定石を覆し、保守的な子供と左翼活動家になってしまった両親との対比によって、政治的、社会的なテーマを描き出しています。 1968年の五月革命、フランコ独裁政権のスペイン、1970年のアジェンデ大統領の就任によるチリ社会主義政権成立などを背景に、アンナは社会的な立場をいろいろと考えさせられます。 また、パリにおけるフランスの反体制(共産主義や社会主義)運動に参加する父親との確執や、 さらには、母親が参加する人工妊娠中絶の権利を求めるフランスのウーマンリブ運動にも関与していきます。 しかし、アンナを演じたニナ・ケルヴェル(8歳)は、そんな難しい立場にも、負けず劣らずの演技を見せてくれました。 一生懸命考える姿は、大人顔負けですし、その大きく深い瞳に吸い込まれそうになります。 彼女の演技は、幼少時のテイタム・オニールを彷彿させる天才ぶりだったと思います。 アンナは子供らしく好奇心一杯に、難問に立ち向かいます。 「キョーサン主義って?」~赤くてヒゲをはやして引っ越しばかりしてる人らしい 「フィデルって?」~フィデル・カストロという悪い人がいるらしい 「ダンケツの精神って?」~みんな同じ行動をとることらしい 可愛いらしさと、笑いを含めながら、、、 いやいや、そんなことを言うと、アンナに失礼です。 アンナは必死です! そしてとても勇敢です。 ・以前の裕福な生活を失っても、 ・大好きな宗教の授業を禁じられても、 ・ミッキーマウスがファシストと言われても、 両親に、共産党員に、学校の先生に、自分の意志を持って質問し、話し合い、立ち向かっていきます。 そして徐々に、大人達の苦しみを知り、先祖の辛い過去を知り、 成長していくアンナがあります。 「元の生活に戻りたい!」と言っていたアンナが、 後半、葛藤しながらも、彼女なりに変化を受け止めようとするところは感動的です。 汚れていない純粋なアンナが学んだこと、、、 それは、見る事や知る事が、自分の孤独や恐怖を救ってくれる重要なモメントだということ、 そして、“協調”と“自由の尊重”だったと思います。 それは、主義や社会を越えた結論です。 社会の裏を知り汚れてしまった大人以上の心を、アンナは宿したのかもしれません。 この作品の主人公が子供でなければならない理由もそんなところにあったのではないでしょうか。 この映画は、子供と政治、子供と思想という難しい関係を、斬新な視点から、そう大きな違和感なく描いています。 アンナのファッションチェックもできますし、可愛らしい仕草や、コロコロと変わるキュートな表情も見逃せません。 ちょっと不思議な作品でしたが、私としてはかなり楽しめましたよ!

  • wrs********

    4.0

    ネタバレ「 オチンチン 」 と・・・

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • skm********

    5.0

    アンナの疑問は俺の疑問でもあった!凄いよ

    これはこれは・・・とんでもない映画でした。 このヤフーの画像のように、小さな少女の・・・どちらかというと娯楽作品なのかと思っていた。 とんでもない。 幼い少女の目線で綴られた社会派映画であり、内容もかなり難しい。 すっかりなめてかかっていた俺が・・・アホでした。 はっきり言って、先日鑑賞したゲバラの2作品は彼の革命そのものを淡々と綴っただけのものであり、深く考えるようなものではなかった。 この今作は、70年代のフランスと南米チリやスペインの時代考証知識がないと話がチンプンカンプン。 この俺でも、ゲバラを知ろうとして少し調べたキューバ革命の内容が頭の中にあって助かった。 題名の「フィデル」は、あの人のことだとはね。。。 そんなわけで、9歳の少女アンナの両親が共産主義に目覚めたことから、この家族の生活が一変する。 9歳にしては、かなりおませさんのアンナ。 色々な大人の事情に多くの疑問が沸き出る。 ヤフー画像の仏頂面は、常に「何故なんだろう!どうしてこんなことになるんだ!」という怒りを含んだ表情。 作品の中でも、頻繁にアンナが考え込んでいる描写が登場する。 いわゆる、裕福な生活を送っていたアンナ。 「何故?どうして?元の生活に戻りたい!」 大人の事情など理解できずに苦しむアンナ。 9歳にして、これほど物事に対する好奇心というか、どうして大人たちは変わってしまたのかを一生懸命理解しようとする。 次第に色々な事情がほんの少しづつ見えてくる。 作品の前半には、デモに参加する両親に連れられて一緒に歩くのだが・・・。 これは・・・ちょっと無理があると思ったのは俺だけか。 子供が犠牲になるのはどうなのか? 最初はちょっと怒りにも似た感情が沸いた。 でも・・・家族だからこそ、勉強させる意味では必要不可欠か? ウーン (Θ_Θ;) 難しい・・・。 革命がどうの、反体制がどうの・・・ちょっと俺には難しすぎて多くは語れない。 しかし、これだけは俺には判る。 9歳にしては生意気なアンナではあるけれど。 アンナはパパやママや弟、おじいちゃんやおばあちゃん。 家族が大好きなのだ。 そりゃそうだ・・・作品の中でも、無邪気に遊ぶ姿は9歳の幼い女の子だ。 この笑顔がまたとびきりに素敵だ。 演技についてもかなり飛びぬけている。 作品の中でも、かなり無言のままのカットが数多い。 それでも、アンナが何を考えているのか・・・大きな瞳の奥に潜む資質に感嘆する。 将来が楽しみな逸材であり、大人になった女性の姿を早く見たいと思ったのは俺だけではあるまい・・・美人になるよ♪ そのアンナが・・・。 校庭で遊ぶ沢山の子供たちの輪に自然と加わっていく姿に・・・ホッとする。 沢山の大人の事情を見て聞いて・・・彼女の心の中が・・・少し変わったのだ。 まるで・・・。 ゲバラが南米をバイクで旅をしたときのように・・・。 素敵なラストシーンに惚れる。  ★ 5個 心して鑑賞しましょう!難しい内容だけれど、アンナの笑顔が一番好きだ。

  • やふたろう

    4.0

    ノンポリ+刹那主義にはまるで微分積分

    難しかった。まず70年代フランスとスペインとチリの背景が上手く頭の中で繋がらない。別にそんなに深く理解しないでもアンナの行動だけを観ていれば感動できる作品なのだけれど、考えすぎたようだ。可愛い女の子が出ていて、わがまま三昧に両親を困らせてしまう話かと思って安易な気持ちで映画館に飛び込んだ。ぜんぶ、題名のせい。 鑑賞後の劇場の雰囲気を見ると、みんな復習が必要な顔で一目散にパンフレットやポスターや劇場に掲示してあるプレスシートに群がっていた。フランスの五月革命はまだしも、フェミニズム、ウーマンリブ運動、コミュニズム、アジェンデ政権・・・実は全然知識がない。チリで“9・11”といえば、アメリカ同時多発テロではなくアジェンデ暗殺をイメージするほどの大事件だったようですね。そんなこと全然知りませんでした。ぜんぶ、川崎先生(※)のせい。(※僕に70年代の世界情勢を教えてくれなかった中学時代の社会科の先生です) これから観る方への忠告ですが、できるだけパンフレットを読んだりプレスシートを読んで、ある程度の歴史的・政治的な事件を勉強してから鑑賞しましょう。そうすればかなり深くこの映画に浸ることが出来ますよ。この作品を配給し宣伝に関わった方々と、文句なく☆5.を与えているレビュアーの方を私は尊敬いたします。大変知的な方々なのでしょうね。すごい。 若手女流でありながら思想的なメッセージを子供を通じて映像に表現しきったこの監督さん、どんな方かと調べたら『Z』を撮りあげたコスタ=ガヴラス監督の愛娘ではないですか。アカデミー最優秀外国映画賞の作品であり、イヴ・モンタンが出ているからというだけで『Z』に挑戦。入れ替わり立ち替わり現れる諜報部員達の裏切りや寝返り(そう、まるで『ブラックブック』のようだ)で、当時中学生の私はブレインクラッシュ。知恵熱で3日寝込んだという曰く付きの作品である。 そして『Z』で思い出すのが、生意気にも中学生の頃に足しげく通った【新宿アートビレッジ】。懐かしい(涙)。新宿駅の現南口、木造の2階建ての小屋をこつこつと上がってたどり着く秘密結社の巣窟のようなミニシアター。16mmの映写機にミニスクリーン。ともすれば現代のホームシアターである。とにかく上映される作品は白黒ばかりで、時には無声映画も掛けられる。『恐怖の報酬』や『南海征服』、『市民ケーン』や『第三の男』の素晴らしさを、ここ新宿アートビレッジで知った。今ではDVD化され500円で買えてしまう作品だらけで、時代の趨勢で名画座が潰れていく。ぜんぶ、著作権のせい。 ということで途中睡眠も取ってしまったほどの映画だったけど、後で復習してみたらアンナちゃんの両親の行動が理解できた。政治的思想や宗教観のみならず、親の転勤や離婚でさえ、子供たちの人生は不可逆的に変えられていく。子供たちの視線に旨く立って難しい題材を描いた良い作品だ、ということに今、気がついた。ぜんぶ、フランソワ坊やのせい。 日本とは縁遠い南米や東欧、アラブ辺りの歴史物・政治物作品を上映する際は、“これでもか”という位に長い時間を取って流し続ける予告編の時間を削って、「サルでもわかる○○情勢」などというような本編に関わるミニガイドを2-3分流して欲しいですね。そんなサービスがあれば素敵な作品を100%味わうことが出来るのに。ぜんぶ、恵比寿ガーデンシネマのせい。

  • sub********

    4.0

    少し考えてみよう。格差のこと、政治のこと

    子供というのは、時に正直で、また怖いもの知らずだ。思いついたことをそのまま口に出してしまう。つい先日も、あるレストランで、この映画と同じような光景に出くわした。 若い主婦3人がそれぞれ子供を連れてランチに来ていた。急にその中の一人の子供が、「ウチのお父さん、今シツギョーしてて毎日オウチにいるんだよ」と、さも嬉しそうに話し始めた。その子が「失業」の意味をよく理解しておらず、むしろ父親が家にいるのを喜んでいることは口調からも明らかだったが、お母さんはたまったものではなかったのだろう。慌てて「ここでそんな話しないの」と子供を諌めつつも、何とか話題を変えようと必死であった。その後の、まるでその話を聞かなかったかのような「大人たちの『大人の対応』」は、傍で聞いていただけの私から見ると、もはや滑稽以外の何物でもなかった。 この映画は、そのレストランでの状況と非常によく似た側面を持っている。つまり、共産主義の実態をよく知らない主人公・アンナが、「キョーサン主義」について質問する度に大人が困ってしまうというのが、この映画の基本的な流れである。 と同時に、この映画は、子供にとっての引っ越しの状況ともよく似ているといえる。大人の都合で環境が変化するという意味において、確かに子供の立場はいつの時代も弱いものだが、この映画で描かれている激変ぶりは、もはやコメディのそれである。つまり、突発的な親の思想の変化に伴い、何不自由ない優雅な暮らしから、労働者階級の暮らしへ落ちぶれるという階層の下方移動こそが、この映画の最大の味噌でもある。 ところで、映画の内容に関してはすでにいくつかの素晴らしいレビューがあるので、以下では、格差について多少書こうと思う。 私は、共産主義に対する幻想は抱いていないが、格差をなくしたいという当初の動機は非常に素晴らしかったと考えている。おそらく今まさに貧困にあえいでいる人や、恵まれた環境にあっても心根の優しい人なども、格差をなくすべきだと主張するだろう。 私の見解を先に述べれば、極端な話、もし仮に完全な「機会の平等」が担保されている社会であれば、格差の存在は致し方ないと思っている。つまり、スタートラインが全く同じなのであれば、数十年後に生じてくる格差というのは、自ずと本人の努力の結果に起因するはずだからである。 しかし、多くの人がお気づきのように、本来、完全に機会の平等が保証されている社会などは存在しない。天才児と知的障害児という比較は極端だとしても、勉強の得意な子供と苦手な子供とに、最初から平等な可能性があるわけがないからである。また、裕福な家庭と貧困家庭とでは、教育にかけられる費用も当然違ってくるため、そもそも競争の環境にも違いがありすぎるといえる(実際、最近では、親の年収と子供の学力に正の相関があることがわかっている。簡単に言うと、東大生の親の年収が最も高く、大学の偏差値順に、親の年収が下がっていくという)。 また、何も学力や経済力に限らず、生まれながらにして埋められない格差というのはいくらでもある。わかりやすい例をあげれば、仮に私たちが、いくらイチローや松坂のように野球で大金をかせぎたいと思っても、彼らほどの才能に恵まれていない限り、絶対に無理なのと同じである。 つまり、残念ながら、個人の努力ではどうしても補えない不平等、言い換えれば、生まれに伴う格差というのは必ずあるのが現実である。そして、もしそうであるのならば、その分は政策で埋め合わるべきだというのが、私の基本的なスタンスである(ちなみに、機会の平等に近づけるための役割を、累進の所得税や相続税に担わせるべきという意味でいえば、私はケインズ主義的立場に近い)。 ただ、私がここで何を訴えても、すでに「小さな政府」路線を選択してしまった日本は、今後ますます格差が拡大していくことはおそらく間違いない。選挙によって多少環境が変わる可能性はあるにはあるものの、一端動き出してしまった「小さな政府」路線を今さら修正するのは非常に難しいはずである。 目下売り出し中のエコノミスト・勝間和代氏によれば、「資本主義社会というものは、厳しいいい方をすれば、『賢くない人から賢い人へお金が流れるしくみ』」だそうである(勝間和代『お金は銀行に預けるな』光文社新書、p.125)。確かに厳しい言葉が使われてはいるが、ある一面では、その言葉は間違いなく真実であると私自身も認めざるを得ない。 ただ、その一方で、ネットカフェ難民などと呼ばれる悲惨な人たちが少なくない現状を見るにつけ、何らかのセーフティネットはやはり必要ではないだろうかとも考えてしまう。私は、共産主義が良いとは決して思わないが、せめて国民全員が無理しなくても映画を観られるくらいの国であってほしいとは、少なくとも思うのである。

  • yuk********

    4.0

    仏頂面のヒロイン

    人は誰でも自分の考えてることが概ね世界の常識とだ思っているでしょう。 アンナも自分の知っている世界がすべてだと思っていました。 パパもママも立派な仕事を持ちお手伝いさんの居る大きな庭付きの家に住み 名門のミッションスクールに通う毎日。 なのにある日突然両親は『キョーサン主義』に。 それまでの生活は一変し 狭いアパートにいつも人がいっぱい居て ご飯の前のお風呂もなくなって ヘンなものを食べなければならなくなりました。 大好きな宗教学の時間も両親の意向で受けられなくなってしまいます。 でもそれがどうしてなのかアンナには理解できません。 世界が突然ガラッと変わってしまったのです。 はじめはその変化についていけずに 仏頂面で反抗ばかりしていたアンナでしたが いつしか自分の価値観が唯一では無いと気づき 事態を理解しようとし始めます。 受入れ難かった新参物の生活や 世界の始まりの物語に興味を持ち知ろうとします。 今まで正しいと信じて疑わなかった創世記とはまったく違う世界。 物語はアンナの目線で進みチリに行った両親が何をしているのかなど まったく解りません。 ただただ戸惑いながら しかし大人に媚びることなく自分の周りで起きていることを 必死になって理解しようとしています。 その中で新しい生活の楽しいことや世界の広がり 今までの生活や教えられてきた事の矛盾も感じ始めます。 監督の立場は中立でどちらにもメリットデメリットがあることを アンナの目を通した形で伝えています。 そしてアンナは自分の考えとは違うところへ自ら飛び込んでみるのです。 それは決して両親のように考えを変えたのではなく まず相手を理解しようとしているのです。 自分と違う人たちへの真直ぐな興味を持ち始めるのです。 監督は『自分の目で本質を見極め自分で選ぶべき』といっているのでしょう。 アンナ役のニナ・ケルヴェルの愛らしい仏頂面と賢そうな目つきがはまり役です。 音楽もとてもよかった。 かわいく明るく中身の詰まった秀作でした。

  • pin********

    3.0

    突然共産主義に

    裕福に暮らしていた少女アンナが、突然共産主義に目覚めた両親のおかげで 生活が一変してしまう。 政治的な映画ですが 少女の視点から描いているため思ったよりはわかりやすかったです。 最初は不満ばっかりいっていたアンナが、団結すること、自由な意思  を理解していく過程も自然。 てゆうか突然こんなに生活が激変したら、不満たれにもなるでしょう。 アンナ役の少女がキュートでした。

  • cyo********

    4.0

    ネタバレ可愛らしい社会派映画

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • oce********

    3.0

    ぜんぶフィデル・カストロのせい

    フィデルとは最近引退をしたキューバの元議長フィデル・カストロのこと。 フランスに住んでいた夫婦がスペインからやってきた従妹の考えに影響され、共産主義活動に加わることに。いわゆる左翼というやつ。 これによって娘のアンナは家を移ったり、貧困になったりなど散々。 もともとの影響を与えた人物をうとめいてタイトルを愚痴る。 親のわががまによって振り回されるアンナ。 このアンナの視点から情勢が伺える。 特別暗くもなく、むしろ優しいテイストになっている。 アンナを演じたニナ・ケルヴェルが特に印象深い視線を持っている。

  • sat********

    5.0

    新しい世界にようこそ!アンナ

    可愛いくって、意味深い。 アンナの目線でアンナになって色々考える、そんな映画です。 アンナはブルジョアのお家の女の子、オレンジを食べるのも おててを使わずにナイフとフォークでね、としつけられている。 お母さんの実家は大きくて、おばさん?の結婚式パーティを お庭でできるくらい。 でも、スペイン人のお父さんのお姉さんが子供を連れてフランスに 逃げてきたあたりから、雲行きがおかしくなっていく。 両親揃ってチリに行き、帰ってきたときはヒッピー(懐かしい言葉) になり、共産主義にかぶれていた。 二人はブルジョアの生活を捨て、広い屋敷から狭いアパートに 引っ越す。(といっても、あんだけ人が集まれるのだから当時の 日本の住宅事情からみれば、十分広いような…) お家には得体のしれない髭の男の人や、不思議な恰好の女の人がいっぱい。 慕っていたお手伝いさんはアンチカストロってことで、暇を出され、 ギリシャ人の政治犯の奥さんらしき人がお手伝いさんに… 今まで、両親や祖父母から教わった事と全く違うことがまかり通る 家の中で、アンナのアイデンティティは崩壊寸前! 頭の中は、「なぜ?」「どうして?」の洪水。 でも、この両親極端なとこもあるけれど、とってもいい両親でもある。 何よりアンナと弟(可愛すぎ!)を愛していて、スキンシップも かかさない。それに、子どもにきちんと説明しようとする姿がいい。 ギリシャ人のお手伝いさんも、ベトナム人のお手伝いさんも慣れて みればいい人だった。お料理だって食べてみるとおいしかった。 頑固なんだけど、偏見のないアンナなのだ。 革命家のお兄さんたちや両親の中で、少しずつ変わっていくアンナ。 貧しい人に古い服をあげるおばあちゃん、いいことをしてるんだけど、 ちょっとなんだかなぁ… 学校で正しい答えを知っていながら言えなかったアンナ、でも、 次はみんなに逆らってでも正しいと思う意見を言う。 先生に怒られても言い返す。 そのことで落ち込むアンナへの両親の対応は素晴らしかった。 お母さんが慰めている間、お父さんと弟が料理を作って、みんなで いただく。アンナの成長を祝って… 成長するってそういうことなんだ、と優しく見せてくれます。 アジェンデ政権がクーデターで倒されたニュースを見るお父さんに そっと寄り添うアンナ。優しかった革命家?のお兄さんたちは どうなったのだろう… カソリックの学校に疑問を感じ、公立校への転校を決めるアンナ。 学校は祖父母の家や、お父さんのスペインの実家、アンナの前の お家のように、清潔で静かで、でもどこか冷ややかだった。 新しい学校は、いろんな子供たちがいて、騒々しくて、みんなが 集っていた頃のアンナのアパートを思い出す。 おずおずと、仲間に加わるアンナ。 頑張って! ※アジェンデ政権については、監督の実父であるコスタ・ガブラス 監督の『ミッシング』に詳しく描かれています。 この映画、娘から父への見事なアンサーソングともいえますね。

  • いやよセブン

    5.0

    カク戦争とキョウサン主義

    マリアはカトリックの小学校に通う女の子で、仲のいい弟が一人いる。 おじいちゃん、おばあちゃんも優しく、毎日が楽しい。 ところがお父さんとお母さんがキョウサン主義者になったために、貧乏になった。 キューバからやってきたお手伝いさんは、ひげ面のフィデル・カストロというのがキョウサン主義の親玉でカク戦争まで起こそうとしたらしい、と教えてくれた。 なんとかこれまでのような生活に戻りたいのだが、毎日いろんな人がやってくるのも楽しい。 お父さんは「これまでのパパは間違っていた」というけれど、「なぜ、今は間違ってないの?」と聞いても答えてくれない。 子供目線の優しくて辛辣なドラマです。

  • ets********

    5.0

    カワイイだけじゃない秀作

    9歳の女の子が主役なので、カワイらしさを前面に出したお話かと思いきや・・・ 1970年前後という、日本でいうなら学生運動が盛んで、世界でもいろんな若者達が紛争や活動を行っていた激動の時代のお話なのです。 パリに住む主人公アンナのお父さんの母国はスペイン。 そのスペインではフランコの独裁政権があってたり、フランスでは5月革命が起こったり 、タイトルの「フィデル」こと、カストロ議長とチェ・ゲバラのキューバ革命が、大きな影響をおよぼしていたり、ベトナム戦争が起こったり、カトリックと中絶の問題・・・と子供にとってはよくワカラナイけど激動の時代。 ワカラナイけど、両親は何か忙しそうに活動していて、今までの楽しかった生活が激変して、ミッキーマウスまでファシストと呼ばれる始末・・・、それに対して憤りや疑問を感じつつも、9歳の少女が自分なりに理解し、疑問をぶつけて消化し理解していく姿に引き込まれました。 「いいかどうかは自分で決める」って大事ですよね。 難しそうだから避けるとか、好きじゃないから理解しないじゃ何も解決しないっていう基本的なことを教えてくれるような映画でした。 いろんな人に勧めたい映画の一つになりました。 子どもが主役だからって、カワイイだけの映画じゃないところが大好きでした。 アンナと一緒にいろんな事を感じて、考えさせられました。

  • cha********

    5.0

    ネタバレ疑問のかたまり

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • jul********

    5.0

    子供は水平線

    器に入れた水は 器の角度にかかわらず 常に地面と水平。 子供がそうなんだよなあと 思いました。 子供の目線で イデオロギーを見ています。 どんな世であれ 家族で仲良く暮らせる世の中が 一番いいに決まってる。 裕福で知的な両親のもと 主人公の少女アンナと弟フランソワは 両親の思想の変化により生活も余儀なく変化され 裕福を縮小されたことを  アンナは最初はふくれっ面で反抗していたけれど・・・ アンナの両親はかなり恵まれている階級と思います。 多くの庶民は 何も言えず(あえて言わず?) 現実に押しつぶされている、はず。 子役がみんな可愛い 美しいです。  ふくれっ面もキュートでこれから先が楽しみな女優さんを 発見しました。ニナ・ケルヴェルちゃん。 そして さすが おフランス映画 子供服も とってもセンスがよいです。

  • atj********

    5.0

    ネタバレ結局、自由って難しいのよね。

    このレビューにはネタバレが含まれています。
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