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ぜんぶ、フィデルのせい
2008年1月19日公開

ぜんぶ、フィデルのせい

LA FAUTE A FIDEL!

992008年1月19日公開

ryo********

4.0

小難しさはあるが、子役バンザイで帳消し

両親が急に共産主義に目覚めたら?1970年のパリを舞台に複雑な政治的背景を持つこの作品は、娘であるアンナの視線で物語が進んでいく。当時の時代背景が分からないと物語を理解するのが難しく(冒頭に字幕処理するが説明不足)、政治的思想が余り無かったり興味の無い人が多い日本人には特に難解に感じる所がある。私自身がバカだと言うのが一番の理由だが。 弁護士である父と雑誌記者の母。裕福な家庭に生まれ何不自由なく暮らしてきた家族の生活が、両親が共産主義に目覚めた為一変する。狭いアパートに引越し、好きな宗教学の授業も受けさせてくれない。家には知らない人(同胞者)が毎日大勢訪ねてきて夜な夜な議論をしている。親は共産主義の精神を子供に教えたいが、子供にしてみれば自分也の世界を持っておりそれを壊されるので常に反発する。 子供にとって親のしている事など分かるはずも無く、何とか自分の世界を守ろうとするアンナ。彼女の視線(というか目線)で進むこの作品のキモといえる二ナ・ケルヴェルの演技・存在感には度肝を抜かれた。常に仏頂面で文句ばかり言っているかと思えば、時折笑顔を見せるのが余計に可愛く見える。弟フランソワ役のバンジャマン・フイエも素晴しく、姉とは逆にどんな状況にも順応し対応する(深く考えてないとも言える)弟役を自然に演じていて、子役のレベルの高さに2度ビックリ。 親に反抗してばかりのアンナだが、次第にその考え方に変化が出てくる。周りにいる主義主張の異なる様々な大人達の様々な意見を聞いていく内に、自分なりに考え結論を出していくようになり、今迄の凝り固まった物の考え方でなく多角的に考え自分の世界観が広がっていく。その際大人達がアンナに対して問い掛けや説得をするがその問答がとても面白く、是非観に行って確認して欲しい。 時代背景として父親の祖国チリのアジェンデ政権の誕生と崩壊、それに対する政治的活動、記者である母親が当時法律で禁止されていた人工中絶を支持する記事を載せるというウーマンリブ運動など、アンナの気持ちの変化に重要な位置づけの出来事は、知っていた方がより深く理解できるのは間違いない。が、この映画がキッカケで調べてみるも良し、分からなくても子供達の演技を見るだけでも価値がある作品ですよ。

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