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ぜんぶ、フィデルのせい
2008年1月19日公開

ぜんぶ、フィデルのせい

LA FAUTE A FIDEL!

992008年1月19日公開

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5.0

新しい世界にようこそ!アンナ

可愛いくって、意味深い。 アンナの目線でアンナになって色々考える、そんな映画です。 アンナはブルジョアのお家の女の子、オレンジを食べるのも おててを使わずにナイフとフォークでね、としつけられている。 お母さんの実家は大きくて、おばさん?の結婚式パーティを お庭でできるくらい。 でも、スペイン人のお父さんのお姉さんが子供を連れてフランスに 逃げてきたあたりから、雲行きがおかしくなっていく。 両親揃ってチリに行き、帰ってきたときはヒッピー(懐かしい言葉) になり、共産主義にかぶれていた。 二人はブルジョアの生活を捨て、広い屋敷から狭いアパートに 引っ越す。(といっても、あんだけ人が集まれるのだから当時の 日本の住宅事情からみれば、十分広いような…) お家には得体のしれない髭の男の人や、不思議な恰好の女の人がいっぱい。 慕っていたお手伝いさんはアンチカストロってことで、暇を出され、 ギリシャ人の政治犯の奥さんらしき人がお手伝いさんに… 今まで、両親や祖父母から教わった事と全く違うことがまかり通る 家の中で、アンナのアイデンティティは崩壊寸前! 頭の中は、「なぜ?」「どうして?」の洪水。 でも、この両親極端なとこもあるけれど、とってもいい両親でもある。 何よりアンナと弟(可愛すぎ!)を愛していて、スキンシップも かかさない。それに、子どもにきちんと説明しようとする姿がいい。 ギリシャ人のお手伝いさんも、ベトナム人のお手伝いさんも慣れて みればいい人だった。お料理だって食べてみるとおいしかった。 頑固なんだけど、偏見のないアンナなのだ。 革命家のお兄さんたちや両親の中で、少しずつ変わっていくアンナ。 貧しい人に古い服をあげるおばあちゃん、いいことをしてるんだけど、 ちょっとなんだかなぁ… 学校で正しい答えを知っていながら言えなかったアンナ、でも、 次はみんなに逆らってでも正しいと思う意見を言う。 先生に怒られても言い返す。 そのことで落ち込むアンナへの両親の対応は素晴らしかった。 お母さんが慰めている間、お父さんと弟が料理を作って、みんなで いただく。アンナの成長を祝って… 成長するってそういうことなんだ、と優しく見せてくれます。 アジェンデ政権がクーデターで倒されたニュースを見るお父さんに そっと寄り添うアンナ。優しかった革命家?のお兄さんたちは どうなったのだろう… カソリックの学校に疑問を感じ、公立校への転校を決めるアンナ。 学校は祖父母の家や、お父さんのスペインの実家、アンナの前の お家のように、清潔で静かで、でもどこか冷ややかだった。 新しい学校は、いろんな子供たちがいて、騒々しくて、みんなが 集っていた頃のアンナのアパートを思い出す。 おずおずと、仲間に加わるアンナ。 頑張って! ※アジェンデ政権については、監督の実父であるコスタ・ガブラス 監督の『ミッシング』に詳しく描かれています。 この映画、娘から父への見事なアンサーソングともいえますね。

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