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パコと魔法の絵本 (2008)

監督
中島哲也
  • みたいムービー 1,084
  • みたログ 5,863

3.99 / 評価:2488件

お前が私を知ってるってだけで幸せぞよ..

  • shigeo さん
  • 2008年8月29日 20時46分
  • 閲覧数 2612
  • 役立ち度 416
    • 総合評価
    • ★★★★★

ぼくらの心は、楽しい出来事、辛い出来事、大切な人、いろんな人との思い出を積み重ねて生きてゆく。
でも、その少女は...明日になれば今日を全部忘れてしまう哀しい女の子。
「お前が私を知ってるってだけで腹が立つ。」
そう周りの人に毒づいていたクソジジイは、その少女との触れ合いで心が動かされてゆく。
その少女の心の中にいたいと願うクソジジイは、ガマ王子となった時にこう思ったはずだ。
「お前が私を知ってるってだけで幸せぞよ.....。」
そして、魔法はみんなの心に虹をかけてゆく....。

中島哲也監督のセンスの結晶の塊のような作品....というのが自分の今作への第一印象です。
そのセンスは、観る人をはっきり言って選びます。
このセンスを子供じみた、アラばかりの下らないものと感じた人は....今作とは縁がなかったということ...仕方のないことです。
でも、このセンスが心地よいと思った人は...たぶん、思い切りハマるのでは?
そう思います。
元々は舞台劇だったということなので、少しカメラが引いた位置の画面に何人もの登場人物が収まって、そこで各キャラが絡んでゆく様は多分に舞台劇の雰囲気を残していて、「映画なのに舞台芝居っぽい」と少し戸惑うかもしれません。
物語の大半が病院を舞台にしてるということでトーンが暗くなりそうなものですが、なんのなんの、眩しいくらいカラフルな色彩とポップな心を散りばめた部屋や建物、庭などの描き方は細部まで凝っていて正に絵本の中にいるような世界観です。
自分はなんだかディズニーランドを連想しました...そんなにも優しく描かれているファンタジーの世界なのですが、ここで描かれている登場人物たちはおよそファンタジーなどとは無縁の人たちばかりです。
やたら陽気に登場する医者(上川隆也)の観てるこちらが少し恥ずかしくなるノリも困りもんですが、その他の登場人物も心に傷を持った人間やダメ人間ばかり。
自殺癖のある元・有名子役(妻夫木聡)やオカマ(國村隼)やヤクザ(山内圭哉)、チョー怖い看護婦(土屋アンナ)、消防車に轢かれた消防士(劇団ひとり)。
阿部サダヲにいたっては、なんなんだか正体は最後までわかりません。
浩一(加瀬亮)もその妻の看護婦、雅美(小池栄子)もなんだかなぁって感じ。
そして....みんなの嫌われ者ジジイの大貫(役所広司)。
彼が今作の主人公の一人なんですが....物語の前半はホント嫌なヤツなんですよ...というか人間失格ですわ、こやつは。
そんな彼が、もう一人の主人公パコ(アヤカ・ウィルソン)という昨日を知らない少女と出会うことで変わってゆくことを主軸として物語は進みます。
その主たるエピソードでも感動ものなんですが、他の登場人物たちのサイドストーリーもホロッとくるものばかり。
物語の進む過程で、フザけたカラクリ、ハチャメチャさ、ワイワイした賑やかさ...それらはすんごく楽しくて....特に、阿部サダヲ、あんたオバカでサイコーだ!!(笑...これってすごい褒め言葉ですよ)
そんな楽しさと同時に、登場人物たちの心のトゲや痛み、挫折感、脆さをストレートに表現する演出はただもんじゃありません。
この豪華な出演陣の力演も見物です。
特に、アヤカ・ウィルソンのかわいさといったら....ぜひ俺の養子にしたい、いや、なってくれ!!(笑)
褒め過ぎ?だって、自分、この作品、大好きですもん!
題名やチラシ、ポスターの雰囲気などから今作は子供向けと考えられがちですが、大人でも....いや大人だからこそ、深く理解出来るものがあると思います。
登場人物の心の痛み、苦しみ、哀しみの深さは大人じゃないと理解は難しいでしょうし、具体的には、例えば阿部サダヲがパロッた吉田拓郎の『人間なんて』は子供は知らないでしょう(笑)...また、これは自分が999ファンだから妙に気になってたんですが....昔を回想するシーンの部屋でやけに目立つアニメ映画『さよなら銀河鉄道999』のポスターだって子供は知らないですよ(あれは何か意図があったのかな?)。
さて、最大の見せ場はクライマックスのお芝居。
これは一見の価値あり!
CGのキャラと登場人物が演じているキャラが頻繁に切り替わって繰り広げられる絵本の物語は超スペクタクル!!
実写とCGムービーの融合....まさに魔法です!!!
しかし、ガマ王子を演じていた大貫の体は病に冒されていて......。
でも、物語はそれだけでは終わりません。
エンド・クレジットで流れる木村カエラの素敵な主題歌『memories』を聴く時、あなたの心にはどんなmemoriesが刻まれていることでしょう...。

さあ、準備が出来たなら、この絵本のページをあなたも開きましょう。
絵本の魔法にかかって....笑って....泣いてください.....。
そして、自分の大切な人の心に自分がいることが、とても幸せだということに気付いてくださいね....。

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