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バンテージ・ポイント
2008年3月8日公開

バンテージ・ポイント

VANTAGE POINT

902008年3月8日公開

yan********

4.0

圧巻のカーチェイス、繰り返しの妙

スペインで開かれるテロ対策に関する首脳会談に出席する米国大統領が市長とともに演壇に立った時に狙撃され、演壇そのものも爆破されるという衝撃の展開。逃げ惑う人々、混乱する街並み。 普通はこの最初のシーンが全てのところ、この作品は違う人の視点で何度もそのシーンを繰り返していきます。最初はTVニュースの視点、これは視聴者に一番近い視点、そこから次々と人を変えていく度に今まで見えなかったものが見えてくる。どんどん真実に迫っていく物語。 人は目の前に映っているものの視点を自分のものと錯覚します。気持ちがその視点に向かいます。それが人を変え展開していくと、その度に感情移入する人を変えることになります。このあたりの感情の揺れ具合は恐らく人によって異なるところ。こういった部分で評価が分かれそうな作品でもあると思いました。 圧巻と思ったのは、市街でのカーチェイスのシーン。細かく撮って繋いで作っていくのだとは思いますが、あの狭い街並み、石畳の街並みを縫うように車を走らせていくシーンには目が離せなくなりました。バーンズの車体の色をブルーにしたのも正解だと思いました。あの街並みにはブルーがとても映え、周囲から浮かび上がるように車の動きが見えてきます。このスピード感はたまらないものがあります。 同じシーンを繰り返すという手法を入れる分、飽きがきてしまう懸念があります。それを分かった上で、映画としては短めの90分という尺の中に収めた判断。圧巻のカーチェイスの後、極めて短い時間で話をまとめあげている点など、エンタメ作品として、とにかく見せることに徹したとても上手い作りがされていると思いました。とても楽しませていただきました。

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