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隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS (2008)

監督
樋口真嗣
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2.90 / 評価:1,097件

解説

黒澤明監督の傑作『隠し砦の三悪人』を『日本沈没』などの樋口真嗣監督がリメイクした歴史娯楽大作。切羽詰まった状況下で、それぞれ身分の異なる若者たちが果敢に敵に挑む姿をスピード感あふれる映像でみせる。主演に嵐の松本潤、自国の運命を握る姫役に長澤まさみ、姫とともに行動する侍を阿部寛が演じている。窮地に陥りながらもあきらめずに前進する彼らの知恵とパワーに圧倒される。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

戦国時代、小国の山名は隣接する大国早川陥落を狙い、まずはもう一つの隣国である秋月に攻め入り成功を収める。その城内で山名の軍勢は秋月の軍資金である“黄金百貫”を見つけようと躍起になっていた。そんな折り、城で強制労働をさせられていた武蔵(松本潤)と新八(宮川大輔)は逃走し、偶然滝のほとりで黄金百貫を見つけるが……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2008「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」製作委員会
(C) 2008「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」製作委員会

「隠し砦の三悪人/THE LAST PRINCESS」“キャラ立ち”に全精力を傾けた今風のエンターテインメント

 オリジナル版を律儀になぞった森田芳光版「椿三十郎」に欠けていたもの、それはテンポだ。樋口真嗣版「隠し砦の三悪人」は、50年前に黒澤明が冒険娯楽活劇を刷新した精神を、まず同時代の生理に対応するスピーディーで快活な話法によって踏襲した。

 お国再興の軍資金となる黄金を隠し持ち、身分を隠した姫と侍が幾多の関門を突破していく骨子を変えず、軽やかに換骨奪胎された物語は、さながら空想時代劇アニメの実写版といった趣。原始人と見まがう松潤の姿や、もろダース・ベイダーな椎名桔平の扮装も違和感なく、長澤まさみの男装のツンデレ姫はいつになく輝いて見え、虚構の構築は見事に成立している。突破困難な枷の変更や決めゼリフ「裏切り御免」の使用法、山の民という下流社会の視点の導入や姫の恋&成長譚といった脚色も冴えている。何よりもこれは“キャラ立ち”に全精力を傾け、それぞれのぶつかり合いを楽しむ今風のエンターテインメントだ。エンディングに流れる布袋×KREVA×亀田のユニットによる弾けたサウンドもハマっている。

 世代感を活かしながらも人間描写に深みが足りなかった過去2作(「ローレライ」「日本沈没」)に比して、樋口は水を得た魚のよう。VFX出身の彼は、カタストロフを視覚的にデザインするプロではあっても、「死」を描く作家ではない。今回は内面や背景を描くのではなく、キャラを動かすことで自由闊達に2時間弱を泳ぎ切った。難を言えば、豪華なセットを組んで臨んだ砦におけるラスト30分はもどかしい。とはいえ、過酷な状況を用意して「生」を描くハラハラドキドキこそが、樋口映画の本質であることは十分に実証された。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2008年5月2日 更新

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