2008年2月9日公開

胡同(フートン)の理髪師

剃頭匠/THE OLD BARBER

1052008年2月9日公開
胡同(フートン)の理髪師
4.4

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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

93歳の理髪師チン爺さん(チン・クイ)は、北京の“胡同(フートン)”と呼ばれる伝統的な古い家屋で一人暮らしをしていた。彼の日課は朝6時に起床し、午前中に、昔なじみの顧客の家を訪問して散髪すること。午後は友人たちとマージャンを楽しみ、夜9時には就寝するという彼の長年の習慣も、得意客が次々と亡くなる中で少しずつ変化していく。

シネマトゥデイ(外部リンク)

作品レビュー(40件)

切ない26.7%かっこいい12.0%泣ける12.0%悲しい9.3%コミカル9.3%

  • dkf********

    5.0

    チン爺さんの気高い生き様に感服

    北京の老街、胡同に暮らす93歳の現役理髪師チン・クイ爺さんの日々の生活をドキュメンタリータッチでつづった傑作。大きなドラマもなく、本当に淡々としたささやかな日常を描いているだけの話なのだが、それだけだから良いのだ。 素人キャストであるこのチン爺さんの生き様は清貧そのもの。名もなく貧しく美しく。世の中の変化を受け入れはするが、決して流されない。確固たる自分の信念を持った「生き仙人」のようなこの老い方に対して、思わず画面に正座したくなる。 「人生はどう生きてどう死ぬかだけ」「有名人も金持ちも人生は一度きり」「逝く時もこざっぱりと」・・・チン爺さんの語る何気ない言葉のひとつひとつが金言であり、爺さんの考え方そのものが最高の処世訓だ。しっかりとした信念の元で豊富な人生経験を積んで齢を重ねると、こんな哲人のような人生の達観者にもなれるのだなあと心から感服してしまった。老うとはかくありたいものだ。 前作「紅い鞄」でトンデモ系の珍品を撮ったハスチョロー監督が、本作では全く別の監督かと思わせるほどの卓越した腕前を発揮していることにも驚いた。 こんなじんわりと心に沁みこんでくるような味わい深い作品が作れるのはアジアならでは。ハリウッドのガチャガチャした映画では絶対にこのテイストは出ない。 心に響く映画とは洒落た脚本も美しい映像も不要なのだということを気づかされ、胡同のノスタルジックな街並みとチン爺さんの気高い生き様に癒される至福の100分。本当に素晴らしい作品だ。

  • jou********

    5.0

    チンさん安らかに

    チンおじいさんの圧倒的な存在感。 ただそこに居るだけで、何も語らずとも訴えるものがあります。 チンさんのおだやかな佇まい。 規則正しい質素な生活。 含蓄のある言葉の数々。 それらが美しく、感動を狙っているわけではないのに自然と涙が出ました。 素晴らしい人に、国境はありません。 共産党時代、日本軍が来た頃、そのもっと前から生きてきたチンさん。 どの時代の話も、批判することなくたんたんと語られます。 時代に抗わず柔軟に、自分に出来ることを全うすることが、人の天命なのかもしれないと思いました。 人に歴史あり。チンさんの人生そのものが映画です。 そうそう、猫を荷台に乗せて自転車を運転する姿がなんとも可愛らしいです。 2014年、肺炎のため101歳で亡くなられたとのこと。 チンさんの人生に、敬意を込めて。 「長い間お疲れ様でした。」 ご冥福をお祈りいたします。

  • nab********

    4.0

    老いの境地

    自分はまだ20歳だけれども、年を重ねて友人の死を迎えるようになり、自分もまた床に就くと死のことを思うようになったとき、このチンさんのような達観を得られているのだろうかと考えてしまった。僕もああしてゆったりと時間を過ごせているのかな… 一つ気になったのはチン老人の息子が、わが事に手いっぱいで、チン老人に冷たさを持って接する人物として描かれていることだ。チンさんのように敬服すべき老いの境地を過ごす人で、息子・娘には心なく扱われるという人は現実にもいそうでリアルだった。こういう光景を前にして息子・娘を非難するのは本当にたやすいことだけれども、チンさんの息子の描写は自分の身を肩入れしてしまって必ずしもそう単純にはとらえられなかった。というのも僕はもういい年だけどもいまだに親孝行という親孝行をしたことがないどころか、親に強く不満を持っていていつも非難したい心地に駆られる。だから手前勝手と思いつつも、もしチンさんが親としても優れた人であったなら息子にはかくも冷たく当たられることもなかったんじゃないか、息子に冷たく当たられるのはチンさんにもそれ相応の一種因果があるんじゃないかと感じてしまった。現にひ孫が生まれたと聞いた時のチンさんは大して喜んでいるようでもなく、なんだかとても固く冷たい人感じた。一応お祝儀をだそうとしていたけれど…。ひ孫が生まれてこれなんだから息子は相当冷たくあしらってきたんじゃないかとか、映画なのに勝手にあれこれ思ってしまった。 監督あるいは脚本家はこうしたチンさんと息子のやりとりを「かくも尊いチンさんに冷たくあたる不義理な息子」として描写したのか、「かくも尊いチンさんだけど、息子のことに話が及ぶとやや弱るのだ」という形で描写したのか、どちらなんだろう。どちらでもないのかな。どちらであるかが今自分の親子関係を見つめるうえで大きな視座になるのでとても気になってしまう。 自分の理想を言えばやっぱりひ孫ができたらそうか、おめでとうと笑顔で言えるような老いの境地になりたいと思う。でも自分の親に感謝もできず自分の子供を立派に育てられるだろうかと考えるとそれはそえはやっぱり無理だろう。じゃあ親に感謝の心をもてばいいとも思うけれどそう簡単にはいかない。そうして考えていくとやっぱりチン老人は凄いなと思えてくる。映画を観てそういうことを考えた。

  • ysk********

    5.0

    ネタバレ内面からにじみ出る、しんしんとしみてくる

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • tsu********

    4.0

    凛として穏やかに生きる

    時代は変わっても、人のいき方は変わらない、その姿が美しい。 チン老人のたたずまいが自分の祖母とかさなり、思わず涙しました。 淡々としたなかに味がありました。 おすすめの星四つ。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
胡同(フートン)の理髪師

原題
剃頭匠/THE OLD BARBER

上映時間

製作国
中国

製作年度

公開日

ジャンル