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ランジェ公爵夫人 (2007)

NE TOUCHEZ PAS LA HACHE/LA DUCHESSA DI LANGEAIS/DON'T TOUCH THE AXE

監督
ジャック・リヴェット
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3.36 / 評価:25件

解説

ヌーべル・バーグの旗手ジャック・リヴェットが、文豪オノレ・ド・バルザックの原作を基に、本物の愛に目覚めた貴族女性の姿を悲しくも美しくとらえた文芸ドラマ。『恋ごころ』のジャンヌ・バリバールがランジェ公爵夫人にふんし、無骨な将軍をもてあそびながらも、気付くと運命の愛から後戻りできなくなってしまう女性を魅惑的に演じる。ジェラール・ドパルデューの息子であるギョーム・ドパルデュー演じる将軍との駆け引きは、フランス恋愛映画の醍醐味(だいごみ)たっぷりだ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

ナポレオン軍の英雄モンリヴォー将軍(ギョーム・ドパルデュー)は、スペインの修道院でずっと探し続けていた女性(ジャンヌ・バリバール)と再会する。その人は、5年前に将軍がパリの舞踏会で見初めたランジェ公爵夫人だった。夫人は将軍の愛を巧みに交わしていたが、本物の愛を知った公爵夫人を待っていたのは悲しい運命だった。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2006 Pierre Grise Productions - Arte France Cinema - Cinemaundic
(C) 2006 Pierre Grise Productions - Arte France Cinema - Cinemaundic

「ランジェ公爵夫人」身体だけで生きてきた男と頭のなかの世界で生きてきた女の愛

 お互いに相手を自分のものにしようと駆け引きを繰り広げるランジェ公爵夫人とモンリボー将軍。だが、ふたりは必ずしも同じ土俵に立っているわけではない。

 公爵夫人は、貴族の優位が失われていく時代に、既成の秩序にすがりついている。その既成の秩序とは、平たく言えば、貴族は頭で思考し、民衆は身体で行動するということであり、彼女は頭だけで生きている。一方、将軍は、ナポレオン敗退の後、アフリカの奥地を探検し、九死に一生を得て祖国に帰還した。つまり、彼はこれまで身体だけで生きてきた。

 公爵夫人にとって社交界とは、頭のなかの世界であり、彼女は知略で将軍を翻弄する。これに対して、隠れた権力を持つ将軍は、力で夫人を拉致する。そんなせめぎあいのなかで、公爵夫人は、愛するための身体を獲得し、将軍は、愛するための感情に目覚めていく。

 だからこそ、公爵夫人は、修道女にもなり得るし、将軍は、彼女の歌声に心をかき乱されもする。彼らの愛が成就されるのかどうかは、もはや問題ではない。この映画では、愛を知らなかった男女がそれを発見していく過程が、内面の変化や身体の動きを通して、実に鮮やかに描き出されている。(大場正明)

映画.com(外部リンク)

2008年3月27日 更新

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