あらすじ・解説
レバノンでのイスラエル支配の象徴ともいうべき基地ボーフォートに、22歳の若き指揮官リラズ(オシュリ・コーエン)が派遣される。爆弾除去の失敗や容赦ない敵の攻撃により次々に仲間を失うが、撤退が決定しているため反撃もできない。基地全体が重苦しい空気に包まれる中、撤退命令を待つ彼らに最後の任務が下される。
シネマトゥデイ(外部リンク)
作品レビュー(5件)
- oak********
4.0点
映画に限らず、ダンスや舞台芸術でもイスラエルの作品に高い評価が与えはじめられている。 本作の静かで、それでいて締め上げてくるような緊迫感。戦力では圧倒的優位にあるイスラエル側ですら、生身の兵士が感じる死に対する恐怖がひしひしと伝わってくる。 敵の姿は見えず、砲弾が着弾するシーンと「爆撃」「着弾」のアナウンスのみで戦争を表現する手法は、戦争状態である国家だからこそ描きえたリアリズム。
- oce********
3.0点
この映画を観る前にはある程度レバノンの中東事情を知っておかないと把握しにくい。 別に難解映画ではないのだが、政治情勢に絡んでのイスラエル支配からレバノンのボーフォート基地からの撤退を待つ兵士たち。 戦闘シーンもあるが反戦映画の色が濃い。 それと敵であるヒズボラはほとんど出てこないし、兵士が死ぬという描写もほとんどない。というか意図的に外している節がある。 やはりこれは反戦映画が正しい。
- tsu********
4.0点
エンターテイメントしては「ハートロッカー」の演出のほうが優れていると思うが、リアリティーはこちらの方があります。 敵も見えず、ひたすら攻撃に耐えて、一人一人仲間がなくなっていく状況に、前哨基地に閉じ込められた狭い空間がされに空気を重くする。 ひたすら耐えてがんばるイスラエル軍の兵士たちのドラマに仕立てたことで、イスラエル国内向けに映画が成立したという、読み筋もありかとも思った。 イスラエル軍の武力によるレバノン市民への弾圧を非難する内容だと、検閲でだめだしされたような気がする、ということ。 前線でがんばるイスラエルの兵隊さんに星よっつ。
- bun********
3.0点
レバノン戦争が始まってから18年後の2000年に、 世界からの抗議を受けて、イスラエル政府は、 レバノンから軍を撤退する決意をします。 レバノン南部にある景勝地ボーフォートに築かれた砦を守る イスラエル兵たちは、軍の上層部からの撤退命令が下るのを、 今や遅しと待ち構えているのですが、曖昧な指示しか届きません。 カメラは、2時間の上映時間中、砦の中でヒズボラからの爆撃攻撃に 応戦せず、ひたすら耐える兵士達の姿だけを寡黙に捉え続けます。 その間、何人もの兵士が傷つき死んでいきます。観客は、 兵士達と砦の中の重苦しい時間を共有する事になるのですが、 映像から緊張感が全く伝わってこないので、違った意味で、 何度も映画から逃げ出したくなりました。 2006年に、イスラエル軍がヒズボラの攻撃を受けてレバノンに 再侵攻しているように、現在でも火種は燻り続けています。 だから、主人公達の未来を知っている私達にとって、 彼らが感じていた戦争に対する虚しさが、 より一層鮮明に浮かび上がって来るのです。(55点)
- fff********
3.0点
イスラエル軍がレバノンの要塞から撤退するまでのお話。 道に爆弾が仕掛けられたり、迫撃砲が撃ち込まれたりと、戦争では当たり前なことも、兵士たちの精神状態を極限まで追い詰める。 また、何日間も何も起きないこともあり、退屈なときもある。 良くも悪くも要塞と言う戦場のそのままを描いています。 それにしても、何もないことが長い・・・。(笑) ひとつには若き指揮官の判断や苦悩も描かれていたようですが、よくわかりませんでした。 第2次世界大戦の映画ばかり見ていたので、最新の兵器や、コンクリートできれいに作られた塹壕なんかは新鮮でした。
スタッフ・キャスト
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受賞歴
ベルリン国際映画祭第57回