2008年3月8日公開

接吻

1082008年3月8日公開
接吻
3.9

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(180件)


  • d

    4.0

    小池栄子の独壇場

    接吻の意味はわからなくていい気がした。 むしろ、あれを理解してはダメなのではないか? 殺人犯の精神すら凌駕する、それを愛した者の行動や心理を我々が理解できないのは当たり前であり、理解できることの方が恐ろしいのかもしれない。 そして、その者を演じた小池栄子の滲み出る狂気は鳥肌ものである。 星4.0

  • kae********

    5.0

    小池さん好きな女優さんになりました

    小池さん、テレビドラマで拝見してから気になっていた女優さんでしたが、この作品を観てからはすっかりファンになってしまうほどの演技力や存在感でした 猟奇的な役演じたらもう敵なしって感じです 眼力がハンパないです かなり古いのかと思ったら2008年の映画なんですね トヨエツ、小池栄子、仲村トオルが出てるだけで観たいと思ったのだが、まさかこんな秀作だとはめっけもんでした トヨエツの台詞は少ないが、心情を表情や仕草などで表す演技力 小池栄子の、暗い陰気さや恐いくらい一途すぎる気持ちの表現力 ほんとに凄い作品です 監督、脚本、演技者全てにおいて満足です タイトルの『接吻』が最後の最後で、しかもトヨエツじゃなく仲村トオルにするものとは… そしてラストの、タイトルが赤字で出るのが一番印象的

  • ats********

    4.0

    ネタバレこの俳優人だからこそ成立った

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • WXYは知ってても、それだけじゃ

    3.0

    境界線

    従わせ都合よく使われる、仲間としては扱わない。従わないと悪し様に言われる。 そんな側にいる者が反旗を翻した、自分と同じ側の人間だと思ったので接近した。ただその情緒的な接近が逆に彼を違う側に引き戻した。 最後にその矛盾に気付く。 そんな変化を映す、冷静な凶悪犯も奇異。

  • maru

    5.0

    トヨエツ

    数年前に、新作で借りて一度観ただけですが、トヨエツの淡々とした演技が怖かった。 戸締まりには気を付けましたよ、しばらく。

  • mem********

    4.0

    役者の演技力が引き立つ映画

    ほとんどセリフのない豊川悦司の存在感も凄かったが、小池栄子の演技は素晴らしかった。

  • アニカ・ナットクラッカー

    4.0

    いびつな三角形の物語

    2006年の『接吻』は、無差別殺人犯(豊川悦司)に好意を抱いた平凡なOL(小池栄子)、そして国選弁護人(仲村トオル)の関係を描いた心理サスペンスだ。観終わって真っ先に頭に浮かんだのは「三角形」である。三角を構成する点の一つが殺人犯の坂口(豊川)、もう一点がOLの京子(小池)、そして最後の一点が本作を観た私だ。 京子は親族と疎遠にしており、坂口を知るまでは他人と関わりをほとんど持たない。勤め先では同僚から仕事を押し付けられて終電を逃す損な役回りである。どこか私と似たところがあるかも知れない。いや、こういう性格の人って結構いるよね(つまり京子を通して自分を肯定しているわけだ)と思いながら観ていた。この時点で京子と私の間は見えない線で繋がったわけである。 その京子は一家三人を殺害する事件を起こした坂口をニュースで知り、心の中にスイッチが入ってしまう。新聞や雑誌を買い込んで事件の記事をノートにスクラップし、ニュースで知った坂口の生い立ちを詳細に記入。坂口の性格をある程度把握する。しまいには裁判を傍聴し、弁護士の長谷川(仲村トオル)に差し入れを頼む。一方通行ではあるが、京子と坂口との間に線が繋がったのだ。 一方通行だった線が双方向となり、しまいには私と坂口の間にも非常に薄いものではあるが、一本の線が結ばれる(ような気がする)。もどかしい言い方だが、この過程がある種の爽快感を生んでくれる。そしてこのいびつな三角形は、観終わった後も私の中で形を変え続けるのだ。 もちろん私が殺人犯に共感するなどあり得ない。しかし犯罪者になる前の坂口と私は何かの共通点がないだろうか?坂口の別の面を知れば、三角形の私の坂口を結ぶ辺も短くなるかも知れない。こういう思考の迷宮にあえてはまってみるのも、映画を観る楽しさの一つだと思うのだ。 私と坂口の間に線を繋げるのに大きな役割を果たすのが、黙秘する彼と懸命にコミュニケーションを取ろうとする長谷川と、実直さを絵に描いたような坂口の兄(篠田三郎)である。他に目立つのが、長谷川から特ダネを得ようとする記者(菅原大吉)。彼の存在が、後半の京子の不気味な笑みに繋がるわけだ。登場人物は少ないが無駄のないキャラ配置である。 ファーストシーン。ジーンズの後ポケットに金槌を入れたトヨエツが、住宅街に向かって歩いていく。この後ろ姿で「こいつには一切の理屈が通じない」ことが分かる。通りすがりの主婦に「こんにちは」と挨拶するシーンも、かえって物事に躊躇しない強い犯意を伺わせる。最初に入ろうとした家は鍵がかかっていたのであっさりと諦め次の家に。犠牲者となった家族は、たまたま彼の動線上に家があったこと、施錠されていなかったこと、それだけが理由で人生を覆されてしまった。仮にこの家族が無事だったとしても、別の家が狙われたのだろう。 私たちが市民生活を送っていて、こういう凶悪犯罪に遭遇する可能性はほとんどない。坂口のような動機なき犯罪者はどんなに国が豊かになっても、犯罪率が減っても一定数生まれるものだ。現実の犯罪とは切り離してあくまでもフィクションとして、極力ヤジ馬的な目で映画を観ることにした。 しかし本作は犠牲者に思いをはせるシーンはほとんどなく(坂口の夢に犠牲者が現れるホラー的なシーンはある)、加害者と彼に共感する女性の視点で描かれている。そういう作り方の映画があってもいいと思うが、京子は事件の情報を集める過程で犠牲者一家の情報にも接したはずである。それについてどう感じたのか全く触れておらず違和感が残ったので、私的評価は満点ではなく★4つとなった。 前半と後半で、マスコミに囲まれたトヨエツと小池栄子が笑顔を浮かべるシーンがある。空気のような存在だった自分が世間から注目されてしてやったりという笑みなのか。私はこれを見て「狙ってやがる」と感じて無関心という名のドアがガチャリと閉じられてしまった。自分にはこういう天邪鬼みたいなところがある。 みずから捕まった坂口は取り調べの初期で犯行を認めたものの、その後は黙秘を貫き弁護人となった長谷川との面会でも口を閉ざしたまま。その彼が長谷川を通じて接触してきた京子に対して次第に心を開いていく。凶悪犯罪を憎みながらも、両者のコミュニケーションが成立していく過程に爽快感を覚える。特に長谷川から「不思議な女性が差し入れを申し出てきた」と聞かされて、わずかに表情が動くシーンが見逃せない。 クライマックスの展開についてはネタバレになるので詳しくは書けないが「やっぱりな」と思った。そもそも京子がこのような行動をとることが可能かという疑問があるが、坂口が自らの行為に向き合う兆しを見せた上で罪を清算するのは「あり」だと思う。ラストで長谷川が「自分があなたを弁護する!」と叫ぶが、彼が京子に惚れちゃったわけね。これもまた一つの愛の告白であろう。

  • 3.0

    ネタバレサイコ怖すぎる愛を知らない人間

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • shp********

    3.0

    怖い

    ............................................................................................................................................... 一家惨殺事件の犯人トヨエツが逮捕される。 仲村が国選弁護人となるが黙秘を続けて何一つ話さない。 そこにトヨエツ同様に社会からつまはじきにされて来た小池が同調する。 小池は仕事を辞め、拘置所近くに引っ越して来て、面会を重ねる。 トヨエツも小池には心を開き、ついに小池の要望で婚姻届を出す。 その影響なのかトヨエツは仲村に事件について語り始め、控訴を決意。 結婚で何かが変わったと世間は好意的に報道するが、小池は逆だった。 真相を語らないのが社会への復讐なのだとか言い始める。 やがて拘置所の許可が出て、同じ部屋で面会できる機会が設けられる。 小池はそこでトヨエツを刺殺、さらに仲村まで殺そうと暴れる。 事なきを得たが、仲村は実は小池に恋心を抱いていて、弁護を申し出る。 ............................................................................................................................................... 小池は結構演技が上手で、めっちゃ怖かったわ。 しかし拘置所内で刺殺ってのはありえんやろ、普通は。 仲村に渡したプレゼントの中にナイフが隠されてたんやが、 それを小池が仲村の鞄から取り出すのを見逃したのは意図的か? 終始マトモだった仲村がそうだったとしたら、いっそう怖いな。 3人殺した奴に恋(実際そんな純粋なものじゃないが)するのも怖いが、 そんなアブナイ女に恋する仲村もたいがいやわ。

  • sya********

    2.0

    ネタバレ残念・・・

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • tgr********

    4.0

    ネタバレ貴方は孤独と感じていますか?

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • roc********

    5.0

    「女優」小池栄子 神気迫る演技にびっくり

    待ちに待った映画の公開初日、終わった瞬間、しばらく席を立つことが出来なかった。 小池栄子さんは、いつからこんな凄い女優になっていたのであろうか?びっくりした。 「人のsexを笑うな」の井口監督の初監督作「犬猫(2004)」では、友情出演で単なるおまけでした。しかし、この作品の彼女は凄い、日頃ブラウン管に登場する彼女とは全く異なり、ものすごい演技、まさに「女優開眼?」でしょうか? この映画のプロデューサー:仙頭武則 & 監督:万田邦敏 & 脚本:万田珠実コンビに間違いはない、確実にいい映画であることは解かっていた。前々作「UNLOVED〔2002〕」は、究極の邦画だと今でも信じて疑わず、私の中の「my best邦画 NO.1」作品である。 そのコンビが今回「接吻」を作る。キャストも豪華(豊川悦司、小池栄子)、それに万田監督映画に欠かせない、仲村トオル。安心して観ることが出来、期待や予想以上の出来。問題作となるのは解かってはいたが、 しかし、「凄い!」の一言。誰があのラストを想像出来たでしょうか? あっぱれ!! 言うことなし! しかし、 ・豊川悦司さんは凄い、こんな役やらせたら天下一品。心を開かず、黙りきったままの彼。その彼が、一言言葉を発した途端、私 おもわず涙が出てしまいました。 ・仲村トオルさん、今回もいい役でした。この人ならではの淡々とした、なんともいえない強弱のないしゃべり、いい雰囲気が作れるんですよねこの人、今回の役ぴったり。 ・なんと言っても、小池栄子さん、ものすごい気迫?神気迫るものありました。あの「ニヤッ」とした時の“目、表情”、凄かったですね。豊川悦司さんのあの時の表情とまさに同じでした。 ここまで演技の出来る人とはまったく知りませんでした。多分この映画を観た方全員がそう思うでしょうしその上手さ、やー びっくりしたな。 この映画はマニアックな部類に入る映画です。しかし、小池栄子さんが出演することで大衆化され、いろいろな方々に広く評価されるのを嬉しく思います。多分、年末には多くの賞を取る事でしょう。 しかし、脚本の万田珠実さんってものすごいこと考える人だ、「unloved」の時も、私 そう思いました。この方、言いたいこと一環していますよね、凄い女性だ。 最後の「問題のシーン」の意味を、今、公式ホームページを読んで理解しました。そうか、そうだったのか・・・・・と。 ■お薦め度:★★★★★(所謂、邦画の醍醐味。私 こういうの大好きです)

  • spa********

    5.0

    ネタバレ不意打ちそして視線

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • やふたろう

    5.0

    小池さん、幸せな私生活が醸し出す名演

    小池栄子の非の打ち所のない演技に鳥肌が立った。グラビアアイドルの主演なんて、と見下すなかれ。私生活で幸せな結婚生活を送っている背景があるからこそ、余裕の演技が出来ているのか。豊川悦司は語るに及ばず、小池栄子のお蔭で仲村トオルまで際立ってしまう。今日現在、どうやら日本全国で1館だけのロードショーと言うことで評判が立たないのが誠に残念であるが、渋谷に駆けつけることの出来る映画ファンは是非、彼女の快演を味わっていただきたい。 ストーリーに関しては「素晴らしい映画が観たい」さんのレビューにある通り、私も2001年の大阪池田小児童殺傷事件を思い浮かべながら鑑賞をしていた。鑑賞後にパンフレットを立ち読みし、この作品が監督夫妻のオリジナル脚本であることを知ったのだが、衝撃のラストを観るまでは、宅間守死刑囚(執行済)をディテールに描いている半フィクション映画だと思っていた。奇しくも宅間守も本作・坂口も1963年生まれの設定。宅間守にも獄中結婚した事実がある。ただ、彼の場合はあくまでも「死刑反対論者」の支援によるプロパガンダ的な婚姻だったと云われており、本作に描かれる真実の愛はなかったのかも知れない。とても常識的には理解できない行動だが、獄中結婚した女性は宅間守の亡骸を丁寧に葬った、という逸話まで残している。どうして、そんなことが出来るか・・・本作『接吻』を観ればほんの刹那だが理解できたような気がするのだ。 被害者感情を考えれば、とても“良い作品だ”などと語る余地はない。殺人犯を美化するもので、特に大阪圏での公開は控えられるのではないだろうか。それを踏まえても★5.としたのは、一重に小池栄子名演に捧ぐもの。是非、次は全国公開向けの作品に主演で出て欲しい。 とかいいながら、彼女の巨乳に80%の視線を奪われていた40過ぎオヤジのはしたなさに自己嫌悪を抱かざるを得ない(-_-;)

  • sav********

    5.0

    ◆ ”正気”と”狂気”は、紙一重 ◆

    レビューでの評価も高く、 小池栄子さんの演技がイイよ、と 耳にして、これはいかないと、と 期待をして、行ってきました。 劇場内は、7割の入り。 上映終了後には、次回公演待ちの列が、 劇場内から、劇場外の地下鉄駅付近まで 連なっていました。あの人たち、全員入れたのかな? ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡 結果、期待は、大正解でした。 と、明るく書きましたが、 正直、作品世界は暗いです。 殺人事件、死刑囚との獄中結婚が 舞台設定の中心になっていますから。 ただ、どうでしょうか? 最近の無差別殺人事件と、 犯人の設定が、かなり似ていますので、 全員が、この作品を受け入れるのは 難しい気がしました。 犯人を肯定してはいませんが、 観ようによっては、同情を誘っている ストーリーとも取れますので、イラつく人も いるのではないか、と。 実際、私、癖として、 映画を観ているとき、 その世界に入るだけでなく、 出演者にも入り込んでしまうところがあるんですが、 今作に関しては、入れば入るほど、狂気の世界に足を 突っ込んでしまいそうで、ブレーキをかける自分がいました。 ・世間からの乖離(無視) ・生きている意味 ・犯罪者親族 遺族目線は、ほとんどありませんでした。 加害者の心情、が中心に展開されてました。 殺人犯、殺人犯と結婚するほど共感する女性、 そして、弁護士。この3者がベースになって 話は、進められていきます。 この3人の感情の変化が中心に。 だから、セリフは多く感じませんでした。 表情や、仕草で、それを表すシーンが多かったです。 ニヤリと笑う表情であったり、 手と手や、眼と眼を逢わせる仕草であったり。 内面は、激流。 外面は、清流。。。 終始、このリズムです。 ラスト、感情の露出が珍しくあるのですが、 なにか、それも内面の感情は、全部出し切っていない。 なにも、信じていない、そのように見えて仕方がありませんでした。 この作品のレビュー評価が高いのは、 ある程度、共感や理解できた人だけが、 ここに、考えながら感想を書いていて、 満足できない人は、もう振り返りたくもないから、 レビューを書く気にもなれない。だから高いのか、とも。 それほど、 毀誉褒貶の激しい、 触れ幅の大きい作品に思えました。 リラックスして、楽しむ作品では、ありません。 ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡 【 補記 】 ?まさか『スカイクロラ』と同じセリフが  出てくるとは、出てきた瞬間、驚きました。  男性から女性に言う設定も、同じだし。 ?ラスト終了後の  「あれ(ネタばれになるので詳細伏せます)」は  今作のすべてを象徴しているようで、よかったです。  けっこう、それにもやられました。 ?『眠れる森』テレビドラマです。  仲村トオルさんは、両方に出演されてます。  豊川さんが誕生日の歌を口ずさまれているシーンで、  そのドラマのワンシーンを思い出してしまいました。  同じ殺人者、狂気にも、色々種類があるんだなって。 ?『ラストコーション』との2本立てだったんです。  実はこの回の『接吻』エンドロール流れている最中に、  席を立ち帰ってしまうお客様、非常に多かったんです。    ムッとはしたのですが、冷静になって考えてみると、、  『接吻』→『ラストコーション』はOKでしょうが、  『ラストコーション』→『接吻』はNGかな、と。  音も、感情表現も、色の多さも、時代設定も、  前者のほうが、圧倒的にスケールも大きいですし、  不満度は、高くなってしまうかなぁ、と。  1日の上映回数が  『ラストコーション』のほうが、1回多いんです。  その辺りに、劇場側からの両作品に対する評価が  込められていたと思うんです。でも、お客様に、  「上映回数から、気づいて欲しい」と願うのは、  ちょっと、酷な気もするんですけどねぇ。 ?心に残ったセリフ  《なんのために生きているか。   考えないほど夢中になれるものがある幸せ》

  • ari********

    1.0

    臨床好きなアカデミズムに多い表現法

    吐き気がする、これは本作への感想。 物語は、じつは破綻してはいない。 映画にも倫理を求めてはいない。 役者も好演した。 物語だが、こういう人間もいるだろう。 こういう映画も商業されるだろう。 それは否定はしない。 本作をもとに過去起こった予想される事件。 これを撮ったからには作者には それ相応の社会的言質と責任が必要になる。 環境が人格を形成する。 これを物語の定型化という。 そこを破壊するところに映画の可能性があるのだ。 本作の結果は、悲惨な人間の暗澹な箇所を描いた。 ひとは後ろに刃を持っている。 日常に潜んだ狂気=非日常を描くのが 映画に求められることなのだと思った。 私感です。 ほかのレビューも頷かせられるところは多い。 しかし、というところで。 でわ。

  • sub********

    5.0

    そこらへんのホラー映画より何倍も怖いです

    映画の出来には非常に満足しましたが、映画化するのは少し早かったのでは、というのが素直な感想です。10年後20年後ならまだしも、今この映画を観る人の記憶には、おそらく過去の2つの事件の残像がまだはっきりと残っているはずだからです。つまり、この映画を観た人であれば、間違いなく宅間守の起こした付属池田小の惨劇、そして閑静な住宅街で起きた世田谷一家殺害事件(未解決)を想起するだろうと思います(ちなみに、オウム真理教事件を描いた映画に『A』という作品がありましたが、あれはドキュメンタリー映画であり、オウム事件ですら未だにドラマとしては描かれていません)。 そして、何よりもその意味において、それら2つの事件の直接の被害者やご家族、もしくはそれらの事件によって心的外傷(トラウマ)を抱えてしまったという人には、まず絶対に見せられない映画であることだけは確かだと思います。この映画への個々人の感想がどうであろうと、それだけは断言できますし、それほど上の2つの事件を思い起こさせるような内容に仕上がっています。 映画の主人公は、社会に溶け込めないまま生きてきた2人の男女です。男を豊川悦司、女を小池栄子が演じています。映画の冒頭、男はたいした理由もなく、ある家族を皆殺しにします。その後、男が逮捕される瞬間をテレビのニュースでたまたま見ていた女が、男の中にもう一人の自分を見て、二人はだんだんと近づいていくというのが基本的なストーリーの流れです。 なお、豊川悦司と小池栄子の2人の演技は、まさに怪演と呼ぶにふさわしいほどの不気味さでした。特に2人の「あの笑顔」はなかなか頭から離れないと思いますし、2つの誕生会のシーンなどは、まるでホラー映画を見ているかのような演出でした(じんわりと後からくる怖さですので、その点は心してご鑑賞ください)。 脚本は、監督らによる書き下ろしのようですが、殺人犯を演じる豊川悦司のモデルは、明らかに宅間守です。実際、宅間は逮捕後にアプローチしてきた女性(しかも何人もいたというから驚きます)と獄中結婚をしましたし、まるで社会から切り捨てられたかのような不幸な生い立ちも映画の中の主人公と同じでした。ここまでモデルを特定できる作品であるにもかかわらず、HPなどで監督や出演者がそのことに一切触れていないのが、逆に不気味ではありました(もちろん、映画化が早すぎることが意識の中にあって触れるに触れられないのでしょう)。 ところで、当然といえば当然かもしれませんが、宅間守やこの映画の主人公に限らず、不幸にも罪を犯してしまう人間には、不幸な生い立ちの人が少なくないといわれています。肉親から見捨てられ、社会からも見放された人間が犯罪に陥りやすいという状況は、決して好ましいとはいえませんが、おそらく事実としてはあるのでしょう。 実際、心理学的にも、親や社会から愛情を十分に受けずに育った子供というのは、相対的に情緒障害や攻撃傾向を持ちやすいといわれています。それが、外向的に社会へと向かうのか、あるいは内向的に自己へと向かうかの違いこそありますが、ベースにある愛情不足という原因は同じだそうです。もっと言うと、不幸にも親などから虐待を受けて育った子供というのは、いざ自分が親になった時に、同じく自分の子供を虐待してしまうケースが非常に多いこともわかっています。つまり、何もこの映画の主人公や宅間守に限らず、親や家族などから十分に愛されてこなかった人間というのは、人生のスタートラインからしてすでに損をしているといえるのかもわかりません。 ちなみに、長い間教員をしてきた私の家族の一人がよく言うセリフに、「金はなくても愛のある家庭で育った子供」のほうが、「金はあっても愛のない家庭で育った子供」よりも、ちゃんとした大人に育つ可能性が高いというのがあります。もちろん、例外はいくつもあるでしょうし、あくまでも相対的な割合にすぎないだろうと思いますが、私のような素人から見ても確かのそのとおりだろうとは思えます(三田佳子の次男などはおそらくその典型例でしょう)。 この映画を観ると、月並みな言い方ではありますが、人間の真っすぐな成長には、やはり「愛」という存在が必要不可欠だということがよくわかります。同じ社会に生きる人間として、そのような愛情を受けられない不幸な子供が少なくない現状は、やはり残念であるとしか言いようがありません。そして、これも月並みな言い方になってしまいますが、そのような不幸な子供が一人でも減ることを願ってやみません。 何人かのレビュアーの方も書かれていますが、私にとってもレビューを書くのが非常に難しい作品でした。

  • ヌー

    3.0

    最後のシーン・・・

    なんで「接吻」なんだろうと思って見ていたけど、最後のシーンで出てくるんですね。 接吻の意図に色々意見があるみたいだけど、僕的には小池栄子も死刑になるために、中村トオルの舌を噛み切りにいったんだと思いました。1人殺しただけじゃ死刑にならないんでしょって言ってたし。ゴリゴリゴリゴリといったような音も入ってた気がします。 この解釈ってどうなんでしょう?

  • tjc********

    5.0

    どうにかされたくなかっただけ。

    人の行動の何処から何処までが正常で、 どこからが異常とされるのか。 冒頭のシーン。音もなく淡々と映し出されるそこには、 一見ご近所さんに挨拶する普通の男。 『こんにちは』 これからしでかす大惨事なんて、なんてことはない。 男にとってはただの日常の些細な一ページに過ぎない、とでも言うように。 誰にでも、“のめり込む”経験はあるのだろう。 好きな人。好きな仕事。何気ないきっかけで始めた趣味。 それは宗教などと何の違いもなく、 打ち込み、そして知らず知らずにのめり込む一途さ。 社会の中で、自分の中のエネルギーを常に100パーセント表に出して 生きている人って、多分恐らく少ないんじゃないかと思う。 ハキハキと笑顔を振りまき、“皆がんばろー”とか言いながら、 どこかで、自分と他人との間に優劣をつけて過ごしているはず。 そうやって、本音と建前。正気と狂気を上手に使い分けながら、 私達は(少なくとも私は)、今もこうして社場にいる。 小池栄子演じる遠藤京子。 彼女はある日TV画面に映し出される冷酷な殺人犯、坂口を見つけた。 坂口の目に、笑みに、自分と同じ孤独を見つけ出す。 これまで、誰かに自分を解ってもらいたいだなんて、 決して思ったことはないと言う。 誰かが勝手に自分に同情し、勝手に上から見下ろす。 そんなことさえ構わない。 だけどあなたを見つけた。 “これからは、私たち二人で世間の奴らと戦いましょう。” 坂口の中の感情と自分を一体化し、 おとなしそうなOL風だった女は、徐々に本能をむき出しにしていく。 100%の正気を表に出した時の京子。 カメラを前にニヤリと笑うその姿に、何よりも私はゾゾゾ~と鳥肌が立つ。 京子の様な女に、自分が絶対にならないとは言い切れない。 いや、既に私の中にそういう部分があってもおかしくはない。 ただ、すべての周りの目も気にせずにそれを超えるような想い。 どうしようもない孤独を分かち合う事が出来るような、 全てを曝け出せるようなそんな出会いが、まだ無いだけ。 それだけの事なのかもしれないのだから。 ラストに至っては、途中で想像できた。 だけど実際にあの場面を目の当たりにした時の恐怖は、ただ事ではない。 坂口ですら正気に見えてくるほど、 これまでの人生で溜めこんでいた狂気をあわらにする京子。 男は彼女に出会った事で、正気に戻っていたのかもしれない。 だからこそ、京子に生きてほしいという希望を託し、彼女を受け入れる。 互いの唇を重ね合わせる接吻。 坂口が受けたのは、本心ゆえの尖った狂気の口づけ。 京子に惹きつけられながら、最後まで二人を“正しい目”で見守り続けた 長谷川が受けたそれとは、実は紙一重なのかもしれない。 この作品。 感想を一言で言い表すなら、“凄い”の一言に尽きる。 全身鳥肌が立ちっぱなしだった。 小池栄子のあの不敵な笑み。 流石女優志望。

  • pfp********

    5.0

    しびれた!

    フィルメックスで観ました。間違いなく今年の邦画のベスト10に入ってくる作品です。だと思います。であって欲しいです。中でも、特に小池栄子には女優賞を総なめにして欲しいと思うくらい素晴らしかったです。久々に女優でしびれました。設定自体には序盤は馴染むことができなかったのですが、監督の演出が素晴らしいためかアレヨアレヨと作品に惹きこまれ、劇中で変貌していく小池栄子が不気味でもあり、愛おしくもあるというなんとも言い難い流れで進んでいきます。そしてラストで衝撃的なエンディングを迎えるのですが、これがとにかくスゴイ!観終わってからもしばらくするとあの衝撃のラストシーンと台詞が頭の中を駆け巡ります。2~3日寝かせるとまた更に熟成されて感慨深いものがあります。とにかくこれはお勧めです。絶対に観て損をしない作品です。

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