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ダークナイト (2008)

THE DARK KNIGHT

監督
クリストファー・ノーラン
  • みたいムービー 1,429
  • みたログ 1.3万

4.39 / 評価:7,175件

最狂のジョーカー、最強のバットマン!

  • shigeo さん
  • 2008年8月5日 20時05分
  • 閲覧数 9608
  • 役立ち度 344
    • 総合評価
    • ★★★★★

ぶったまげた。
すごい作品だ。
冒頭からスロットル全開で、次々と続くアクション・シーンと何度も訪れるクライマックスで二転三転する物語は観る者を圧倒する。
キャストたちの演技はもちろん、演出・映像・音楽など、どれもレベルが高い。
自分にとっての『バットマン』とはティム・バートン版の劇場映画二作と、同じく劇場映画『バットマン ビギンズ』であって、特にティム・バートン版の一作目はプリンスの「バットダンス」と合いまった大ヒットを若い時分にリアルタイムで経験したこともあって思い入れが深い。
バットマンの敵役と言えば、ジョーカー....それが心に刷り込まれている。
そこで演じられたジャック・ニコルソンのジョーカーと今作のジョーカーを比べる気は毛頭ない。
バットマン・ファンのみならず、バットマンをよく知らない人でも、その一番の敵役はジョーカーだということはよく浸透している....その姿を観れば「あっ、ジョーカーだ」というような馴染みのある風貌を今作でもしているが、同時に今までには観たことのないジョーカーをヒース・レジャーという俳優は作り出している。
彼にしか表現し得ない狂気を、今作で昇華させている。
見事だ(例え、それが何らかの薬物の服用による産物だとしても)。
これまでのジョーカーもゴッサム・シティに住む人間を対象にした犯罪を行ったが、今作ではまさにシティ全体を巻き込み、そこに住む全ての人間を人質にとり、彼らの心に対して...いわば「善」の心に対して究極の選択を促すべく罠を幾重にも仕掛けてくる。
彼の目的は金や地位ではなく、あくまでも人間の「善」を叩き潰し、高潔な人間を堕落させ、世界が破滅してゆく様を見てゆくことなのだ。
それは、人間の心の奥底に潜んでいる誰しもが持つ影なのかもしれないが、そのことが一層残酷性を際立たせていて、リアルさが漂う。
そして、ジョーカーは大胆にそれを遂行し、ルールがないことこそが彼のルールなのである。
まさに、「最狂」の敵なのだ。
それに対抗すべく「善」の施行者たちはジョーカーと闘う。
バットマンの個人の力、ハービー・デント地方検事の法の力、ゴードン警部補の警察の力、それぞれの正義の力を駆使して闘うが、その展開は困難を極める。
その闘いの途上で、時として大切な人を失い、時として大切な人を守り抜いてゆく。
レイチェルを失った際、バットマンは、その心の真実を知ることはなかった。
知らない方がいい真実もあるのだ。
しかし、バットマンの良き理解者であったデントはレイチェルの死んだ真相を追い求める。
その段階で、彼は、かつては「光の騎士」と呼ばれ、法の番人として街の「光」のシンボルであった姿を失い、怪人トゥー・フェイスへと変貌してしまう。
その過程は、人間の心の儚さと脆さを感じると同時に切なさと哀れさを誘い、単純に人間が怪人へと堕ちてゆく姿を描いているわけではなく、リアルさが増している。
バットマンは市民にその真実を隠し、ゴードン市警本部長にデントはあくまでも「光の騎士」として死んだものとさせ、「光」のシンボルとして維持させる。
そのために、バットマンは自らを警官に追わせ、犬に追わせ、ヒーローとしての姿を壊す。
バットマンはジョーカーを殺さない。
もしかしたら、二人の闘いはこれからも続くのかもしれない。
しかし、自らバットマンは「闇」を背負い、「闇」の中でジョーカーと闘うのだ。
あくまでも、自分の正義のルールに従って。
その意志と決意を観て、自分は今作のバットマンを「最強」だと思うのだ。
堕ちた「光の騎士」、正義の「暗黒の騎士」。
先ほども触れたように、知らない方がいい真実もあるのだ。
しかし、全ての真実が闇に葬られるわけではない。
ラスト、警官に追われるバットマンを見てゴードンの幼き息子は呟く。
「...悪くないのに?...」。
この少年こそが、バットマンの正義の真実をゴッサム・シティの人々が知る日がくるという象徴だと思っている。
いつか、誰かがバットマンの正義の真実を知り、もしくは知ろうとするだろう。
その日まで、「暗黒の騎士=ダークナイト」は闇に身を潜め、ゴッサム・シティを守り続けるだろう.....。

...な~んて、すべて架空の世界のことを、真顔に考えてしまうのだから、映画の力というものはおもしろい。
考えてみれば、バットマンという存在は、いる必要がなければ、その方がいいんだよね。
だって、それは街が安全で平和である証なんだから....そうは簡単にいかないけどね。

最後になったが、ヒース・レジャーという素晴らしい才能を、どんな理由にせよ、こんなにも早く映画界が失ってしまったことは本当に残念だ。
図らずとも、この作品で燃焼しきってしまった演技者としての彼に尊敬を込めて、心から哀悼する.....そして、ありがとう。

詳細評価

物語
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