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トロッコ問題

  • とみいじょん さん
  • 4級
  • 2020年1月6日 20時42分
  • 閲覧数 1619
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

レジャー氏の怪演で有名な映画。でも、それだけじゃない。

誰を助けて、誰を犠牲にするのか。
 そして、その”誰”の中に、自分が、自分の大切な人がいたら…。
 何がトリガーなのか。
 すべてのカードが手元にあるわけではない。
 相手が持っているのは?
 まだ伏せられている山にあるのは?
 誰が信用できて、誰が罠を仕掛けてくるのか、誰が勝ちを急ぐのか…。
そんなゲームの中心にいるのは”ジョーカー”。

”正義” そんな言葉が上ずってくる。 状況によって変わる?変わらない?
 誰が決める?それが正義だと。
”悪”。”悪””悪”…。 それでさえ、状況によって変わる?変わらない?
”復讐”。 それは”善”なのか、”悪”なのか。 意外に身近な問題ー裁判員制度・賠償請求ー。
 「あの時、ああだったら。こうしていたら。こうしてくれていたら…」繰り返し頭から離れぬ思い。取り戻せぬものが、大切なものであるからこその思い…。

目まぐるしく変転する状況。息をもつかせぬ展開。
うっかりしていると、ジェットコースターから振り落とされ、置いて行かれそうだ。


ジョーカーの狂気。
 バットマンを脱価値したいんじゃない。
 バットマンすらおもちゃ。バットマンを使って、人々が右往左往する姿が面白い。追い詰められていく姿が面白い。
 誰かが苦しんでいる姿が面白い。そう追い込むことが面白い。
 終わらぬゲーム。
 反社会性パーソナリティ障害。程度の差こそあれ、パワハラ…身近にもいる輩。

そんなジョーカーの作り出した設定の中で右往左往する人々・もがき苦しむ人々。
 バットマン・ゴードン・デント然り。
 ゴッサムシティ住民。匿名・大衆の掲げる”正義”。

そんな中でも、渋めのおじさまーアルフレッドとルーシャスのスタンスは揺るがない。二人の信念は対極にあるのだが。
 目的のためなら手段を選ばぬアルフレッド。
 目的のためとはいえ、踏み越えたくない一線があるルーシャス。

登場人物の生きざま・矜持が見事にあぶりだされる。
 主要メンバーだけでなく、ゴッサムシティに住む人々・ジョーカーに与する人の、その人なりのドラマを夢想してしまう!
 (これだけの群像劇風になっているのに、物語が破城していない!)



そんな人間模様が、確かな演技力を持つ役者によって展開される。
 レジャー氏があれほどの怪演をしていなかったら…。ここまで、観客である私が映画の中に引きずり込まれ、人の心の奥にある狂気に揺さぶられることはなかったであろう。よくできたサスペンスとして記憶に残る映画が、レジャー氏の怪演よって心に刻み込まれた映画となった。
 そして、ベイル氏が、エッカート氏が、オールドマン氏が人間臭くなかったら、ジョーカーの異質さが際立たない。
 かつ、ケイン氏の、フリーマン氏の、飄々としながらも落ち着いた演技がなければ、騒がしいだけの映画になっていただろう。
 そして、名もなきゴッサム市民、ジョーカーの部下でさえの、普通の狂気が、町全体の混乱を際立たせる。
  おっと、こんなところにマーフィ氏が…。


だが、人間模様だけではない。
 思いっきりのいい、息の根が止まるような激しくも美しいアクション。爆発。
 車上に着地するときや頭から落下するときのバットマンの美しさ。


そんな緊迫した物語の舞台。高層ビルが林立する雲の上。高架下やレンガむき出しの建物の片隅等の地べた。それでいて、宝石箱をひっくり返したような煌びやかな夜景。


次から次に展開していって、あっという間と感じるか、盛りすぎで食傷気味となるかは、体調もしくは好み次第。


なんて映画だ。
川底から大粒の砂金を見つけるが如く。
だから、映画鑑賞がやめられない。

詳細評価

物語
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音楽

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