ここから本文です

アメリカを売った男 (2007)

BREACH

監督
ビリー・レイ
  • みたいムービー 307
  • みたログ 683

3.59 / 評価:171件

解説

20年以上もアメリカの国家機密をソ連のKGBに売り渡していた実在のFBI捜査官のスパイ事件を映画化したポリティカル・サスペンス。国も組織も巧妙に裏切り続けた犯人を逮捕するまでの2か月間を追う。『ボーン・アイデンティティ』などの名優、クリス・クーパーがわるがしこい捜査官を怪演。『クラッシュ』のライアン・フィリップとの演技合戦のほか、人間の深い心の闇に踏み込んで行く思いもよらないストーリー展開に興奮する。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

野心家の若きFBI訓練捜査官オニール(ライアン・フィリップ)は、ある日上司のバロウズ(ローラ・リニー)に呼び出される。彼はFBIのナンバーワン特別捜査官、ロバート・ハンセン(クリス・クーパー)とともに新設される“情報管理部”で仕事をするよう指令を受ける。だが、実際の彼の任務はハンセンの行動を逐一上司に報告することだった。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

「アメリカを売った男」リアルな心理描写に比重を置いた2人のスパイの騙し合い

 20年に渡ってロシアに情報を売り続けていたFBI幹部ロバート・ハンセンと、彼の尻尾を掴むために部下として送り込まれたエリック・オニール。2人のスパイの騙し合いの中で、本音と建て前がフラフラと迷いながら飛び交うのが面白い。

 実力は一番と自負しているのにトップへ出世できなかったハンセンは、謹厳実直を装いながら、捜査現場の体験がなかったのが敗因とデスクワークばかり押しつける人事をネチネチと怨む。対するオニールは、手柄を立てて捜査員に昇格したい野心と人を騙す後ろめたさの間で、良い子ぶって悩んでいる。

 スパイ物と言っても「007」みたいな派手なシーンは皆無。現実はこんなものなんだと、心理描写に比重をおいて地味な作りに徹した分、キャラクターたちの迷い続ける気持ちがリアルに描けた。ハンセン不在の数分の間にデータを盗んだりする、いわゆるスパイ戦らしきサスペンス・シーンも、地味な割に効果的でハラハラさせられる。

 初の主演に力んだのか、クリス・クーパーがやりすぎなのが惜しい。いかにも怪しい“鵺(ぬえ)”のような男になっていて、これでは最初から有罪なのが明白だ。原題は秘密などの漏洩を意味する「Breach」。「アメリカを売った男」という邦題は、最近一番の出来。(森山京子)

映画.com(外部リンク)

2008年2月28日 更新

本文はここま>
でです このページの先頭へ