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アイム・ノット・ゼア (2007)

I'M NOT THERE

監督
トッド・ヘインズ
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2.58 / 評価:359件

解説

『エデンより彼方に』などの鬼才トッド・ヘインズが、構想から7年をかけて挑んだボブ・ディランの伝記映画。6人の俳優がそれぞれ異なる6つのイメージのボブ・ディランを好演する。クリスチャン・ベイル、リチャード・ギア、ヒース・レジャーら新旧の人気俳優らの熱演も見事だが、紅一点のケイト・ブランシェットの成り切りぶりには目を見張る。まるでパズルのピースのように組み合わされた、アーティストたちの多種多様な顔は必見。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

アルチュール(ベン・ウィショー)は、プロテスト・ソングを書くのを辞めた理由を背広姿の男たちに詰問される。彼はアメリカを放浪しながらソングライティング技術を学んだウディ(マーカス・カール・フランクリン)や、社会派フォーク歌手のジャック(クリスチャン・ベイル)らについて語り始める。やがて彼らの物語は一つに結び付き……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2007 VIP Medienfonds 4 GmbH & Co.KG/All photos - Jonathan Wenk
(C)2007 VIP Medienfonds 4 GmbH & Co.KG/All photos - Jonathan Wenk

「アイム・ノット・ゼア」ボブ・ディランの“多人格”を6人のキャラが演じ分ける巧妙な作劇

 ひとりの人物を6人の俳優に演じ分けさせ、複数のキャラクターを構成させた手法が絶妙だ。時代ごとにさまざまな側面を見せた天才ボブ・ディランという人物はそもそも“多人格”であるからだ。

 ホーボー(貨物列車にタダ乗りする放浪者)のように放浪する幼少時代は「ウディ」という黒人少年(マーカス・カール・フランクリン)、天才詩人ランボーのような才能のきらめきを見せる青年時代は「アルチュール」(ベン・ウィショー)、プロテストソングを歌う伝道師的時代を「ジョン“牧師”」(クリスチャン・ベール)、ジョーン・バエズとおぼしき女を愛した男は「ロビー」(ヒース・レジャー)、マスコミの寵児になりながらもフォークを捨てた“裏切り者”は「ジュード」(ケイト・ブランシェット)、初老のディランは「ビリー」(リチャード・ギア)と、6つの多人格が重なり合う。

 ディランは西部劇「ビリー・ザ・キッド/21才の生涯」に主演していたりするので、それぞれの“偽名”にも意味があって興味深い。マーティン・スコセッシ監督のドキュメンタリー「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」でディランの実像をたどると、面白味は倍加するだろう。特に、観衆から「ユダ!」呼ばわりされる時代のブランシェットの演技は、6人の中でも群を抜いている。(佐藤睦雄)

映画.com(外部リンク)

2008年4月24日 更新

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