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孤独な嘘

孤独な嘘

SEPARATE LIES

85

kor********

3.0

ネタバレごめんなさい。私あなたより…

妻に駅まで高級車のレンジローバーで送り迎えをしてもらい、18時には座れる電車で家路に着く。古風な佇まい家(別荘でもある)を持ち、休日は仲間と共に伝統スポーツのクリケットを楽しむ。お小遣いもスズメの涙程度で、雨の日には妻に嫌々と車を出してもらう郊外のサラリーマンが多いここ日本では色々な面で理解しづらい世界がそこにはあり、イギリスというお子国側ならではの貴族社会も垣間見えます。なぜならそこは軽自動車ではなく「レンジローバーが近所に多すぎて見分けがつかないよ~」という異次元空間。 主人公はベテラン俳優トム・ウィルキンソン。『フル・モンティ』で観た保守的な男性像は今作でも同じで、ただ妻を想う気持ちと自分が築き上げたキャリアとの葛藤に、もう少し人間らしさが露呈しても良かったと思います。弱さとして所々で毒づいてはいるのですが、「もし自分が…」と妄想すると人間が出来過ぎて、感情移入どころかイライラしてしまう気持ちにもなってしまいます。「おやじ!目を覚ませよ。エミリー・ワトソンより秘書の人の方が絶対イイ人だよ」と何回心で叫んだことか(笑) 『孤独な嘘』とはあまりに抽象的過ぎてイメージが付きにくいな~と心配したのですが、観賞後にはシックリとくる邦題です。バレない嘘と、バレる嘘。正義の主張である警官を蚊帳の外に置き、個々の思惑が見え隠れするストーリーにしっかりと上質さは存在するのですが、如何せん私の立場も蚊帳の外。主人公のあなたより、警官に感情移入してしまう私を許してトム。

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