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西の魔女が死んだ (2008)

監督
長崎俊一
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3.97 / 評価:1067件

解説

梨木香歩のロングセラー小説を映画化した、祖母と孫のひと夏の暮らしを描いたファンタジー。西の魔女ことイギリス人のおばあちゃんを大女優シャーリー・マクレーンの娘のサチ・パーカーが演じ、ともに過ごす少女に新人の高橋真悠がふんし、豊かな自然の中で心温まる交流をはぐくんでいく。魔女になるための修行を通して語られる一つ一つの言葉がどれも魅力的で、魔法のようにすんなりと心の中に入り込んでくる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

中学生になったばかりのまい(高橋真悠)は登校拒否になり、大好きなおばあちゃん(サチ・パーカー)の住む田舎で過ごすことになる。日本に長年住むイギリス人のおばあちゃんは、西の魔女と呼ばれていた。まいはおばあちゃんから魔女の手ほどきを受け、何でも自分で決めるということを教わる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会
(C)2008「西の魔女が死んだ」製作委員会

「西の魔女が死んだ」ただ日常的な営みを積み重ねることで、生きる力は呼び戻される

 これは傷ついた少女の魂が、祖母とのふれあいを通してゆるやかに変容する物語だ。学校に疲れ切った女子中学生が、田舎で暮らす“西の魔女”と呼ばれる英国人祖母のもとで、一夏を過ごす。生きづらさを乗り越える不思議な能力が身につくかもしれないと、少女は半ば信じていたのだろう。しかし、祖母が魔女になるために課したのは、ただ日常的な営みを積み重ねること。それは、しおれた植物を甦らせるのは魔法や超能力ではなく、水分と陽光であることに似ている。早起き、料理、炊事、洗濯、庭仕事。まもなく生を終える女から、これから自分の世界を切り拓こうとする女へと伝えられる智恵。五感をフル稼働させてこそ、生きる力は呼び戻される。つまり魔女とは、人生の達人であり、賢者のことだった。

 抑制の効いたカメラアイは、少女と祖母の息遣いを息を潜めて写し取る。それは自主映画の傑作「闇打つ心臓」からリメイク版「8月のクリスマス」に至るまで一貫して、死を意識して生をまさぐり続けてきた長崎俊一作品としてもブレがない。硬派なタッチを貫くことで、過剰ともいえるメルヘンチックな映画美術=ファンタジーを批判的に対象化し、異化効果さえ生み出している。

 決して学校的な日常に憔悴した少年少女にだけ向けられたドラマではない。組織の論理に翻弄され、物事を自分で決めることを忘れた大人たちが、健やかな心と身体を取り戻すためにも、魔女の家には立ち寄ってみる価値がある。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2008年6月19日 更新

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