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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド (2007)

THERE WILL BE BLOOD

監督
ポール・トーマス・アンダーソン
  • みたいムービー 781
  • みたログ 2,178

3.81 / 評価:777件

どんな人間にも潜む暗闇。

  • *KURO* さん
  • 2008年5月5日 13時58分
  • 閲覧数 261
  • 役立ち度 68
    • 総合評価
    • ★★★★★

2時間40分という大作にも関わらず、
全く時間を感じさせない作品でした。
その理由の一つは作品の完成度の高さ。
この監督の作品は観たことないのですが、
何だかある意味ファンになってしまいました。

石油を発掘するところから始まり、
「Ladies and Gentrman」と言って、
言葉巧みに土地を買い占め、
そして富と名声を得ていく男、ダニエル。
全編を通してこの男の一生を描いているのですが…。
ダニエルという人間は自分の心に秘めた、
【野望】【欲望】に取り憑かれているんです。
そのためなら宗教に加わることも、
息子を使うことも、どんな事も惜しまない。

しかしこんな説明だけを聞けばダニエルが、
非人間的だと思う人もいるかもしれません。
だけど映画を観終わって気づくのは、
ダニエルが"特別ではない"という事でした。
(確かにあそこまでしてしまう人は普通ではないけれど・・)
だけど人間には野望とか欲望とかが、
必ず持っているわけであって、
それを満たすために何かに必死になっているんだと。


そういう意味で凄く怖い映画…であって、
"人間"の本質を表していたような気がしました。
この映画を観ればきっと、
「賞を受賞した傑作」だけではなくて、
"もし自分が野望に憑かれたらこうなってしまうのか・・・"
という恐怖を感じてしまうと思います。


そう考えると「ノーカントリー」といい、
この「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」といい、
今年の映画は「現実、本質」を真正面から描いた、
シビアな作品が多かったな…と思いました。



最後になりましたが、主演男優賞を受賞した、
ダニエル・デイ=ルイスが本当に素晴らしいです。
何かの雑誌で「彼の演技は神に値する」
のような事が書いてありましたが、
本当にその通り。
終盤の名言【I drink your milkshake】
のシーンはもう息を吸うことすら、
忘れてしまうくらいに怖いです!!!
何かに取り憑かれた役をやらせたら、
きっと彼の右に出るものはいないと思いました。

そして音楽も素晴らしいです。
ブラームスのヴァイオリン協奏曲という、
個性的なセレクトが最高に良いです!!



決して明るい気分になる映画ではないけれど、
観る価値は存分にあったと思います。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • パニック
  • 不気味
  • 恐怖
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