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夕映え少女
2008年1月26日公開

夕映え少女

1002008年1月26日公開

mai********

3.0

乙女心は、かくも複雑なり…

いつの時代も男は振り回されてばかり。 4つのショートショートに出てくる娘たちの繊細で複雑な乙女心を どれだけ読み取ることが出来るでしょうか… 『イタリアの歌』…★★★ 博士からのプロポーズをはぐらかしたばかりに起きてしまった爆発事故。 彼女はきっとそう思っていることでしょう。 自分は足だけを怪我。 でも博士は…かすかな記憶の中で炎に包まれていた… 廊下を通じて聞こえてくる呻き声…彼女は消え行く愛を悟った。 博士の亡骸を見つめて… 彼女は自分の幸せはこの人とともにあることだったと心で泣いた。 痛む足を引きずりながら、彼女は一人歩き始めた。 あなたの思い出とともに私は生きてゆきますと… 『むすめごころ』…★★★★ 身近にいる親友の恋心を彼女はわかっていた。 だからこそ、二人の幸せを願おうと手を尽くした。 だが…自身の中に秘めた想い… 青年の想いも、私と同じなんて… でもダメ。 親友は一人で生きてゆくには、心が繊細すぎる… きっとどこかで道に迷ってしまう。 私が想うアノ人となら、親友も幸せでいられるはず。 貴方の気持ちはわかっています。私だって… でも、そんな貴方だからこそ、彼女を託したいの。 そして私は別の道を探します。貴方たちの幸せを切に願いながら… 『浅草の姉妹』…★★★ どんなに離れていても、絆はなくならない。 女3人の姉妹だからこそ、互いに支えあい生きてきた。 だからこそ、姉の危機は見過ごせない。 力を合わせて… そして、姉は見送ることが出来た。心配してくれる人の旅立ちを。 あんな奴らと一緒の姿なんか見せられない。あの人が心配してしまうから… どんなに身をやつしてたって、心だけは純なまま。 それが、あの人に見せる私の姿。 きっと次に逢ったときには… 『夕映え少女』…★★★ 美しい少女の絵。 魅せられた男が訪れた村。そこで出会った少女の姿。 可憐であり、無垢であるその姿に絵画以上に魅せられる。 だが、少女はその瞳に映す人がいた。 その少年は病を抱えていた。 少年との未来を…考える事が出来ないと悟った少女は… 永遠を求めて二人で旅に出る。 きっと海の底には永遠の世界があるよね… 純文学を映像で読む。 そんな感じでしょうかね。 今の社会にある小説のように、あるいは映画のように、 ハッキリとした起承転結があるわけではないですが、 その分だけ、観るコチラ側にイロイロな事を想像させる 考えさせる作品になっているのではないでしょうか? 先日、大林宣彦監督が 『昔の映画は観終わった後にイロイロと考え語り合えたものだ』 と仰っていました。 つまりはこの作品もそういう作品なのではないでしょうか。

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