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砂の影
2008年2月2日公開

砂の影

762008年2月2日公開

dav********

4.0

ネタバレ1000%純愛映画

★★★☆です。いろいろと考えてしまうとなかなか難解な作品。 会社でも一見地味な印象のOLの異常とも言える性愛を描いた8mm映画。8mmで撮られた作品ですがそうした意味が確実にそこにはありました。砂嵐にも似た粗い画の効果は絶大でした。 実はある程度スジを知ってから観てしまいました。ネタバレして観ても問題はありませんが、知っていてみるのと知らずに観るのでは印象は大きく変わりそうです。 <ネタバレ> ユキエ(江口のり子)の恋人である玉川(米村亮太朗)は既に死んでいます。一応劇中でそれを示すものが映りますが、一瞬しか出てきません。なので、もっとネクロフィリアのようなおぞましいものを想像していましたが、意外にもあっさりと描いていた印象です。 「ある朝スウプは」の宣伝文句は『100%純愛映画』でしたが、この映画はさしずめ『1000%純愛映画』ではないでしょうか? これまで脱ぐか変人かのどちらかの役が多かった江口のり子さん。確かに今回も変人なわけですが、異常と素直には思えませんでした。江口さんがとてもキレイなのです。玉川といるときだけは生き生きしています。終盤を除けば決してイッちゃっていません。能面のように無表情な顔と部屋に戻ってからの彼に見せる顔。その使い分けがきっちりしているのは彼女の真骨頂でしょう。 この2人の間に土足で上がり込むユキエの同僚、真島役のARATAさん。出演作を観るのはこれが初めてですが、見事な好演でした。ユキエを救い出せたかもしれない真島の心情をきちんと表現しています。 管理人役の光石研さんも◎。おだやかな管理人もそうですが、ラストの腰が抜けたシーン。オミゴト。 あのとききっと真島はユキエの身に起こったことに気づいたのでしょう。この後の彼がどうなったのか気になります。そういう余韻を味わう余白だらけならぬ「砂嵐だらけ」の作品です。とてもじゃないけど万人向けではありませんが一見の価値はあります。

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