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非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎
2008年3月29日公開

非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

IN THE REALMS OF THE UNREAL/IN THE REALMS OF THE UNREAL: THE MYSTERY OF HENRY DARGER

822008年3月29日公開

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4.0

彼の世界に触れること、それは不可能なのだ

1973年、私が生まれたその年に、この世を去った人、 ヘンリー・ダーガー。 この人物の絵に偶然であい、引き込まれたことがある。 ある雑誌でたった一枚の絵をみて、なんとも不思議なインパクトを受けた。 可愛らしい少女達が、美しく暖かい色彩のもと、なんともいえないやわらかいタッチで描かれている。 しかし、その可愛らしい少女になぜか男性器がついているのだ。 私は少女だと思ったその姿はいったい・・・・? 挿絵の片隅に確か 「孤独なアーティストであり、作品は彼の死後、注目を浴びた。あまりの孤独に、女性を知らない」 というような事が書いてあったと思う。 すでに20年も前の出来事である。 そこに、この映画が飛び込んできた。 その非現実の王国の謎が分かるのだと期待して、映画館へ。 なんとも贅沢なこと、鑑賞者は私一人。 貸切の映画館で贅沢にもこの作品を観れるのだ。 15000ページの小説と、数百点にも及ぶ挿絵。 呼び名の「ダーガー」でさえ定かではなく、「ダージャ」ではないかとさえ言われている。 それほど外部と接触の無い男。 ヴィヴィアン・ガールズが動いた! あの絵が動いた! 感動した! ただ可愛らしく美しい絵ではない。 時にそのやわらかい色彩の中に、恐ろしくグロテスクな少女の表現がある。 素人なのか、天才なのか、それとも死後に発見された作品ゆえに評価されたのか・・・。 芸術とはなんとも不思議なものだと感じる。 しかし、その感動は上映30分で満喫することになる。 その後は延々と続くスライドショー。 劇場で転寝してしまったのはいつ以来だろう。 レビュを書くのも悩むほどの「癒し」だった。 繰り返し使われるたった三枚の彼の写真。 生い立ちに触れる場所の写真。 それを語る隣人達。 謎が深まるどころか、彼が一体何者なのかすら分からなくなるような組み立て。 そこにきて、ダコタ・ファニングの優しく、かわいい声。 完全にラリホーを唱えられた状態に・・・・・。 根性で目を開くが、また同じ画面。 その繰り返し。後半30分、睡魔との闘い。 ああ、ヘンリー・ダーガーさんごめんなさい。 あなたのその孤独とその素晴らしい才能、 みて楽しむだけにしておけということか。 あなたの世界に深入りしようとした事がきっといけないことなのだろう。 映画としてはあまりにも残念な構成でした。 彼の絵が好きな方は十分楽しめます。と言う事で星4つ。 動くその絵を見るだけで価値はある。 眠れない日にいいかも・・・・・・・。

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