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非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎
2008年3月29日公開

非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎

IN THE REALMS OF THE UNREAL/IN THE REALMS OF THE UNREAL: THE MYSTERY OF HENRY DARGER

822008年3月29日公開

sag********

4.0

人は想像の中で生きていけるのか?

雑誌の記事でダーガーの作品をみてとても惹かれたのですが彼の人生その物にも圧倒されました。 母を亡くした後貧しいながらも優しい父親を暮らしていた幸せな人生は8歳の時の父親の入院で終わり孤児院での厳しい暮らしに始まる苦難と孤独の人生が始まります。 作品のストーリーや大家のご主人には心を許していたという話、親しい友人が亡くなった時の深い嘆きからも彼が好んで孤独でいたのではないという事がよくわかります。 多感な時期に誰にも愛されず厳しい生活を送るしかなかった彼の経験が自分を守るために心を閉ざすという方法を身につけたのかもしれません。 映画の中で彼を援助した隣人の一人が言った「才能に恵まれた若者が誰にも見出されなかった不運」と言う言葉が忘れられません。 貧しさと孤独という現実の中で自分の世界を自分だけのために創りあげていったダーガー。 厳しい人生にあっても自分の世界を持ち人生を生き抜いた彼には尊敬の念を抱きます。 晩年の彼に心ある数人の人が援助の手をさしのべていたという事実になぐさめられました 。子供の心を生涯もちづつけた彼の不思議な魅力あふれる作品にも多数ふれられてもう一度ゆっくり見てみたいと思わせる作品でした。

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