2008年2月2日公開

ALLDAYS 二丁目の朝日

812008年2月2日公開
ALLDAYS 二丁目の朝日
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作品情報上映スケジュールレビュー

あらすじ・解説

遊郭が並び個性的な人々が暮らす、赤線地帯・新宿2丁目。公娼制度廃止運動が盛んになりはじめ、遊女の街からゲイやおかまの街へと移り変わろうという時代。この街の劇場に立つ舞台役者の真雄(三浦涼介)は、戦時中に出会ったアイパッチの男が忘れられずにいた。しかし、同性愛者は変態だと冷たい目で見られ、何かと嫌悪と攻撃の的にされ……。

シネマトゥデイ(外部リンク)

本編配信

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作品レビュー(21件)

切ない19.7%コミカル13.1%悲しい11.5%笑える11.5%ロマンチック11.5%

  • hai********

    4.0

    新宿の朝日

     石原さんに粛清されて、ずいぶん新宿も大人しい街になった。 三丁目にあった思い出の店のママ。彼女が店をたたむとき、そう思った。  私が大学へ通ったころは80年。新宿はまさにディープで危険な街だった。 高校を出てから徒手空拳のまま家を飛び出た私は、学費を稼くのに精一杯で、ろくにキャンパスに通えなかったが、新宿の安アパートを借り、なんとか毎日を生きていた。    一枚のモノクロ写真を思い出す。 少年だった私に、それを母が見せた。 三、四歳くらいの少女の写真。かわいい水玉のドレスを着ていた。      本作が描くのは昭和三十年初頭の新宿二丁目。赤線地帯。 二丁目を囲っていたそのレッドラインが消されたのは昭和三十三年と思うが、それは私の生まれた前年だ。赤線廃止以降、娼婦たちはアンダーグラウンドの世界に潜り込み、浄化された世界の勝者のように、東京タワーが建った。  そんな時代の新宿二丁目へ、生涯忘れえぬ男を捜してやってきた主人公の青年。ゲイたちの物語が本作「二丁目の朝日」  昭和三十三年。私の母も、田舎を追い出され、新宿の安アパートにいた。男と駆け落ちをしたからだ。甘い生活は初めの数ヶ月だけだったようだ。男はすぐに酒に溺れ、家に帰らなくなった。翌年、私を産んだが、日々の生活は母子を追いかけてきた。彼女は乳飲み子だった私を、アパートで知り合った友人たちに預け、3年間キャパレーで働いた。  少年だった日の私に彼女は言った。 「そのアパートにオカマがいてさ」  そのオカマは、母の部屋に来ては、小さな私をひとしきりかまって帰っていったようだ。母は孤独だったのだろう。暮らすに無意味な飲んだくれの男との生活。 「この子と一緒に田舎へ帰りなよ」 オカマはこう言って、母を慰めてくれたりもしたのだろうか。  オカマはある日、子供用にしつらえたドレスを持ってきたのだった。 「着せて見せてくれ」とオカマは言った。私はニコニコしながらそのドレスを着せてもらい、アパートの仲間が写真を撮った。 「その翌日から、オカマは音信不通さ」母はそう言って笑った。  酒びたりの男と母の生活は、それからも延々と続き、私は高校を卒業すると家を捨て東京を目指した。帰巣本能なのかどうかは知らないが、新宿で暮らすとなぜか心が落ち着いた。  駆け落ちしてきた男と女に、ディープで危険な街「新宿」は、私という命を授けたということだろう。その命は、特段この世に役立つこともせず、とうとう五十年を生きながらえたが、どうしたことか今夜、当時の新宿を舞台にしたオカマの映画を観たのだった。 不夜城たる新宿で暮らすと良くわかる。あの街は夕日より朝日が似合う街だ。      母に優しくしてくれたオカマさん。貴女は今も元気ですか。私にドレスをありがとう。 おかげさまで私の母は、まだ達者に暮らしています。  

  • taj********

    3.0

    題名はパクリでも、ビター度はオリジナル。

     どっかに似た題名の映画があった気がしますが(笑)、こちらは二丁目―世界有数のゲイタウン、新宿二丁目―誕生前夜を描いた作品。シネマート新宿の火曜日は「日本初!おネエデー割引」と銘打って、おネエ申告した人を1000円にしてくれるそうで、たしかに男二人連れが何組かいたような。強いて観る価値があるとは思えませんが、“裏・時代の雰囲気”的なものをフムフム覗ける作品です。  昨年の夏、「サロン~彼女の生き方、ゲイの生き方」という劇を観ました。劇団を主宰する関根信一さんはゲイを公表し、それに拘った芝居を創る人物。家出して東京に出てきた少女が、在京の兄を訪れたらゲイになっていたという物語なのですが、外から見た(多分に偏見を含んだ)ゲイ像ではなく、内側から彼(彼女?)たちは何を考えているのか。関根氏らは「閉塞感の中に生きる少女が、閉塞感の中でも自由奔放に生きるゲイたちと繰りひろげるドラマを描きだしたい」と述べています。同性愛者が完全な市民権を得るのは不可能と思われるけど、そのなかでいかに楽しむか―「二丁目の朝日」時代以来変わらない、彼らのテーマのようです。  それでいて、本作の舞台・昭和33年は、閉塞感がもっと複雑に広がる時代でした。まず、男同士の恋愛という概念がなく、強烈な社会的抑圧を受けています。ゲイが周囲の目に耐えきれずダイナマイト心中する場面(おそらく花園神社)がありました。飛び散った遺骸を前に嘲笑する一般市民の姿、男女の自由恋愛すら認めがたい時代なのですから、あながちフィクションといえないのかもしれません。  そして、公娼廃止運動が盛り上がったのもこの時期です。二丁目は東京随一の赤線地帯で、主人公・目黒真雄(三浦涼介さん)も特殊飲食店(売春宿)に寝泊まりします。そこにやってくる、廃止運動の女性たち。あらゆる壁に罵詈雑言を貼りつけ、売春業の女を私刑し、民主主義とか男女平等を叫びます。33年の売春防止法施行により、攻防あらゆる女性は二丁目を去りました。  真雄も、彼がずっと探していた前田太郎(竹下宏太郎さん)も、満州から一人で新宿の焼け野原に引き揚げてきた人物。それに似て、女が去った「焼け野原」へ再び放り出された真雄たちの苦労は計り知れなかったでしょう。これを描いていたらエンタメにならんとみたのか、彼らの苦労は作中あまり強調されませんでした。  そのぶん「閉塞のなかでいかに楽しむか」の部分に、物語は力を注いでいた印象です。とくに、さと子(谷桃子さん)の役割が大きかったと思います。前半は彼女を通じて何を伝えたいのかさっぱりわからなかったけど、彼女が運動家となって真雄に再会する中盤以降、ゲイカップルが決して叶えられない夢―妊娠を軸に、ささやかな希望と愛に満ちた物語が広がっていました。本作の見どころは後半30分でしょう(前半は…ちょっとキツい)。  タイトルにも書きましたが、ビターな雰囲気が全編ただよう映画でした。昭和30年代の極彩色とこげ茶色の組みあわせのせいか、はたまた二丁目の夜に散った“男たちの数億の夢のあと”(と女たちは叫び、使用済みコンドームを運動家に投げつける!)のせいなのか。もしかしたら、赤線廃止やその後の長いゲイ受難時代を知っている21世紀の僕らが、彼らの輝く姿に、えもいわれぬ閉塞感を見るからかもしれません。本家「三丁目の夕日」が経済成長の高揚感につつまれていたのと、くっきり対照的です。すいません、深夜に書くとどうも理屈が屁理屈になる(笑)。  演技は及第点でしょう。主演の三浦涼介さん、ヒロイン谷桃子さんともに映画経験が少ないので心配したけれど、杞憂でした。ナヨナヨした挙動に愛しさとせつなさと心強さ(笑)を込めているのがわかりましたし、谷さんは後半で盛り返しています。竹下宏太郎さんの女装も上品に演出できていますし、低予算作のわりには不快な演技がまずありませんでした。公式サイト以下どこにも脇役の俳優紹介がないので、レビュー執筆は大変ですが…。  ところで、冒頭でご紹介した男性二人組の会話盗み聞きです。 男1「“二丁目”だから2月2日公開なのかー」 男2「どうせなら4月4日までやってくれんかねー」  公開日にそんな理由があったんかい!  ただ、4月4日(オカマの日)までロングランとはいえない出来です。タイトル買いを含め、思いたったら早めのシネマート新宿(二丁目もよりの映画館)行きがよろしいかと。まずは、ボッタクリ級・ダイナマイト型パンフレットに驚くところからじゃ(笑)。

  • mii********

    3.0

    素敵な、おかま、二丁目のまさおちゃん

    新宿・・・・・18年ものあいだ働いた街。 新宿・・・・・昔も今も猫の目のように変化する街。 新宿という街は広いんだよなぁ、明と暗が、はっきりくっきりと分かれているんだ。 閑静な住宅地も新宿であれば、粋の神楽坂や、不夜城と称される歌舞伎町、そしてこの作品の舞台である新宿二丁目も、新宿の中の新宿である。 しかし、この喧騒なる街で働いた者としては、「決して働く街じゃないな、遊びに来る街だよな」とよく仲間と話したものでした。 暴力的で怖かった歌舞伎町に対して、二丁目は色メガネで見てしまう異様な街だったことも思い出します。でも、でも、人当たりは優しい街だったなぁ~。 僕らが生まれる前に赤線と呼ばれ暗躍した新宿二丁目が、今日のゲイの街に移行する姿を当時の難しい背景をはぶき、面白可笑しく、そして優しく解かり易く紹介してくれた作品が本作です。 時代の流れとともに押寄せる公娼廃止運動、売春防止法施行の影にうごめいた人間像と人間愛がとても良心的に描かれていて鑑賞者も嫌な気分にはならないでしょう。 なかでも主人公の、まさおちゃんを演じた三浦涼介くんが素晴らしい。 女の子に言い寄られても、その気になれない自分がいる。やがて男の方が気になり、途方にくれるまさお。「男が男を好きになって何が悪いの!」ついにはのカミングアウト。 それには、幼き頃の出来事が引き金になっていたんだ。その大事な思い出を追う姿のストーリー性も上手な構成のもと繰り広げられていましたね。 アングラな内容でありながらも、ラストの彼(彼女?)の二丁目からの朝日を見る笑顔に安心し素直に惹きこまれる作品でした。 ・・・・・ついでの話し・・・・・ 私がDVDを手にしたレンタル店で、「ん?」と思ういたずらを見た。 『ALWAYS続・三丁目の夕日』が居並ぶ棚の中央に二度見してしまう間違いさがし! 誰だよ~『ALLDAYS二丁目の朝日』を忍ばせたのは~ こともあろうに、DVDパッケージデザインの酷似した『二丁目』が、綺麗に並んだ『続・三丁目』の真ん中に鎮座しているではありませんか。(全然違和感なし) よく見ると、背中合わせの棚には『ALLDAYS二丁目の朝日』のコーナーが、うぷぷっ、ひとつ『ALWAYS続・三丁目の夕日』が混じっていた。 誰もがやりたくなるいたずら♪お店の人も気づかないのかなぁ~、いつもらな入替えてあげるところだが、こんな酷似したパッケージにした関係者に敬意を示して、そのままで帰りましたよ。

  • mar********

    2.0

    題材はいい

    赤線時代の新宿二丁目を、当時まだ市民権がなかった同性愛者の視点から描くというアイデアはよかった。 同性愛を変に面白おかしく大げさに表現していないのも、リアルでよかった。でも、ダメ。全然。映画としてダメ。 ご都合主義で展開もいきなりすぎ。演出に奥行きもない。 俳優陣も、どっから引っ張って来たのかという素人っぷり。 八百屋の兄さんと、主演の俳優は、そこまで悪くはなかったが。 特に主演の若手は、一生懸命な感じと、独特の雰囲気が印象に残ったので、この映画が彼の黒歴史に今後ならないことを願う。

  • sub********

    4.0

    『オカマとボクと、時々、二丁目』

    皆が正装している場所に間違えて私服で来てしまったとする。人によっては、やるせなさや居心地の悪さを感じるかもしれない。しかし、人によっては、むしろ開き直ってその状況を楽しめてしまうかもしれない。 この映画はそれとよく似ている。つまり、その人が持っている物差しで評価が大きく異なる可能性がある。そして、この映画を上の例にあてはめると、僕は間違いなく後者だ。 僕にはゲイの友人がいる。しかもそれほど多いとはいえない本当の友人の中に、2人もいる。 2人とは、学生時代にそれぞれ別の場所で知り合った。似たような人間がひしめきあっているキャンパスの中で、そういうちょっぴり変わった人間を見つけ出せる自分の嗅覚を我ながらすごいと思う。この歳になってようやくわかったが、結局、社会に出てからも頻繁に会う友人というのは、どういうわけかそういう変わった友達のほうが多かったりするものだ。 そんなこんなで、僕は新宿二丁目には何度も行っているし、何度行っても名前を覚えられない行きつけの店もある。二丁目に行くようになって気付いたことはいくつかあるが、僕は女の子にモテる以上に、どうもゲイにモテるらしい。自分で言うのもいやらしい気もするが(ただ、思っていて言わないほうがもっといやらしいと思うのであえて言うが)、インテリ風の優男というのは、ゲイの世界でも少なからず人気がある。 実際、僕は米国のクラブでお尻を触られたことがあるし、日本の高級ホテルでルームサービスのバイトをしていた時には、外人のゲイから一緒に飲もうと誘われたことが二度もあった。もっとも、英語をしゃべる日本人が珍しかっただけかもしれないし、平均よりは高い身長もひょっとすると理由だったのかもしれないが、おそらく僕はゲイにモテるのだと思う。普段は辛口の妻も、「女にモテるのは理解できないが、ゲイにモテるのは何となくわかる」そうだ。 そういうわけだから、二丁目でゲイの友人のそのまた友人などに会うと、結構しつこいくらいに誘われることがある。そんな時は決まって「一度ボーダーを超えてみなさいよ。世界が変わるわよー」などと言われるのだが、今の僕にはまだ世界観を変える必要性は認められないと毎回のように答えている。 時には彼らから恋愛相談を受けることもある。ゲイが恋愛相談を同じゲイ仲間にするのは、女が彼氏の恋愛相談を別の男にするのと同じくらい危ういらしく、僕みたいなノンケの男は相談相手として意外と好まれる。 僕から言わせれば、彼ら男同士の恋愛は、非常にわかりやすいようでいて、実は非常にわかりにくい。よく考えてみれば単純な理由だが、彼らの心が乙女そのものだからだ。 その上、面倒なことがあまり好きではない僕は、結構適当に彼らの相談を聞き、しかもとても解決策とは呼べないようないい加減な回答をしていることが多いのだけれども、逆にそのいい加減さが心地よいなどと言われてしまうのだから、持つべきはゲイの友人だと思う。おそらく彼らは小さい頃から矛盾を抱えて生きてきたので、話に多少の矛盾があっても気にしないでいてくれる。 ところで、自分の名誉を守るためと、自分の偽善とを明らかにするために言わせてもらうと、僕が適当に答えるのにはちゃんとした理由がある。他人の人生にそこまで責任を持つ自信がないのと、頭の中で考えた自分の言葉の意味が相手にしっかり伝わっているとはとても思えないからだ。これは、女性からの相談であっても基本的には変わらない僕のポリシーだ。 前置きが長くなったが、ようするに、僕はゲイの世界を多少は知っているつもりだし、とりあえず踏み込もうとは思わないものの、彼らの世界をかなり好意的に見ている。そして、そんな僕から見たこの映画は、かなり贔屓目であることは間違いないが、結構面白い。もちろん、歴史的な傑作であり僕の大好きな『ブロークバックマウンテン』や『さらば、わが愛 覇王別姫』であるとか、歴史的傑作ではないけれども僕の好きな『メゾンドヒミコ』などと比べられるレベルではないのだけれど、少なくともゲイムービーとしては頑張ったほうではないかと思う。 ゲイの世界は、いつも明るいようでいて、実はいつもちょっぴり切ない。おそらくその事実は、ゲイを扱ったどの映画の中でも基本的には変わらない。この映画で描かれていたのは、多分希望だったように僕は思うが、おそらくゲイの人たちにとっての希望とは、偏見のない社会なのだろうと思う。 この映画を観た人ならおわかりのとおり、ゲイの世界にも愛がある。そして、その愛は、時としてマンネリに陥りやすい男女の愛よりも、きっと情熱的で崇高だ。僕はゲイではないので偉そうなことはいえないけれど、これだけは真実だといつも思っている。 最後にお役立ち情報をひとつ書こう。かんじゅーすさんのレビューがすごく参考になります。

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
ALLDAYS 二丁目の朝日

上映時間

製作国
日本

製作年度

公開日

ジャンル