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百万円と苦虫女 (2008)

監督
タナダユキ
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3.91 / 評価:1,548件

解説

蒼井優が『ニライカナイからの手紙』以来、3年ぶりに主演を務めた、ほろ苦い青春ロードムービー。ひょんなことから各地を転々とすることになるヒロインの出会いと別れ、そして不器用な恋を丹念に映し出す。監督は『赤い文化住宅の初子』のタナダユキ。共演者も『スマイル 聖夜の奇跡』の森山未來をはじめ、『ワルボロ』のピエール瀧や『転々』の笹野高史ら個性派が脇を固める。転居を繰り返しながら、少しずつ成長して行く主人公の姿に共感する。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

就職浪人中の鈴子(蒼井優)は、アルバイトをしながら実家で暮らしていた。彼女は仲間とルームシェアを始めるが、それが思いも寄らぬ事件に発展し、警察の世話になる。中学受験を控えた弟(齋藤隆成)にも責められ家に居づらくなった彼女は家を出て、1か所で100万円貯まったら次の場所に引っ越すという根無し草のような生活を始める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C) 2008「百万円と苦虫女」製作委員会
(C) 2008「百万円と苦虫女」製作委員会

「百万円と苦虫女」肩の力を抜いたゆるさ加減が妙に心地いい

 いま監督たちの評価が高い旬の女優・蒼井優が主演する、コミュニケーションの難しさをテーマにしたほろ苦いロードムービーだ。蒼井が演じるヒロインの鈴子は事件に巻き込まれて前科がつき、家にいづらくなって転々とする。不器用で他人とも自分自身ともうまく距離をとれない彼女は、「自分探しなんて、むしろしたくない」と言うが、実は、自分と向き合うしかないとわかっている。預金が100万円になったら次の場所に引っ越すというユニークなルールも、友人や知り合いのいない土地で自分と向き合い、納得できるペースで自己再生しようとしているから。

 監督・脚本は「タカダワタル的」や「赤い文化住宅の初子」などで注目される女性監督のタナダユキ。アパートの窓辺に植木鉢を並べてネギやトウガラシを育てたり、鈴子が手作りのカーテンを持って旅をするといった、女性監督ならではの生活に根ざした視点がいい。ヒロインだけでなく、鈴子が恋をするホームセンターで働く中島(森山未來が好演)、いじめにあっている鈴子の弟など、男性キャラクターもよくできている。細かいディテールにリアリティがあるから、女の子版寅さんのような鈴子の生活も地に足がついたものに見えてくるのだ。とりあえず自分の足で歩いてみようという鈴子の精神と、全編にただよう肩の力を抜いたゆるさ加減が妙に心地よく、共感度の高い作品になっている。(おかむら良)

映画.com(外部リンク)

2008年7月10日 更新

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