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燃えよ!ピンポン
2008年3月22日公開

燃えよ!ピンポン

BALLS OF FURY

902008年3月22日公開

むるそー

4.0

思わぬ拾い物

前からタイトルだけは聞いたことがあって、少しだけ気になっていた映画。 BSテレ東でやっていて録画したままになっていたのを、今頃やっと見てみたら、これが意外とイケるではないか…おバカ映画だけど(笑)。 見たのは日本語吹き替え版だったけど、中々セリフがこなれていてGOOD。 機会があれば英語版も見てみたい。 DVDの発売元は、今話題沸騰(?…笑)の東○新社のようだ。 邦題や原題からも分かる通り、カンフー映画のパロディで、カンフーが卓球に置き換えられている。 やはり、中国=カンフー&卓球というイメージは世界共通か(笑)。 1988年、ソウルオリンピック。 全米の期待を一身に背負った天才卓球少年・ランディ・デイトナが出場する。 しかし、東ドイツ代表選手(見た目も態度も卓球選手というよりガラの悪いアームレスラーみたいな野郎だ)に無様な敗北を喫し、剰え、負けたにもかかわらず、勝利者インタビューで語る予定だったコメントを場違いに発してしまったものだから、全米の笑いものに…。 悲劇はこれだけでは終わらない。 この試合を賭博の対象としていたチャイニーズ・マフィアのボス・フェンの怒りを買い、父親が殺害されてしまったのだ! やがて19年の歳月が過ぎ、ランディはメタボボディの芸人として、カジノの食堂で、誰も見てくれない卓球曲芸を披露する日々を送っていた。 一流アスリートがメタボ芸人に身を窶すというのは、何だか「レイジング・ブル」でロバート・デ・ニーロが演じたジェイク・ラモッタみたいだ。(おバカ映画と名作映画を一緒くたにするな!…とお叱りの声が聞こえてきそうだ…笑) ところが、そんな彼にFBIから潜入捜査の協力依頼が。 父の仇・フェンが、世界から一流選手を集めた武術大会ならぬ卓球大会を極秘裏に開催するらしく、その闇大会にランディを選手として潜入させようというのだ。 ランディの腕はすっかり錆付いていたものの、FBI捜査官・ロドリゲスは、フェンの元師匠でもある、どう見てもカンフーマスターの盲目(!)の卓球コーチ・ワン師匠に入門させ、特訓の甲斐あって、中華街にその名を轟かす歴戦の強豪「ドラゴン」を「大人げなく」(!…笑)撃破するまでに至る。 尤も、強くなってもメタボボディはそのままで、タイトルからイメージされるブルース・リーではなくサモ・ハン・キンポーみたいだ。 流石に、おバカ映画というニワトリに「デ・ニーロ・アプローチ」という牛刀は不要ということか(笑)。 そして、名声(?)がフェンの元に届いたか、晴れて(?)闇大会に招待される。 ランディとロドリゲス、ワン師匠はフェンの元へ潜入を果たしたものの、その大会は敗北した選手は死ぬ(ア、アホな…)という恐るべきもので、文字通りのデスマッチだったのだ! ランディらの運命や如何に…?! 本作品は、先述のようにカンフー映画のパロディであるのだが、フェンやワン師匠ら中国系という設定の登場人物は清朝風(!)の衣装で、ステレオタイプ化した変梃な東洋人が登場する昔の映画自体のパロディでもあるようだ。(尤も、アメリカ人の中にはパロディではなくリアルと受け取る者もいるのかもしれないが) ちょうど、ピアーズ・ハガード監督の「天才悪魔フー・マンチュー」に通じるものがあると思う。 「天才悪魔フー・マンチュー」が面白いと思った人は、結構ハマる映画じゃないかな。 まあ、人の死をギャグにしている部分もあって、万人向けの映画でないことは確かなんだけど。 因みに、闇卓球大会には「日本代表選手」も登場するのだが、○○○一丁という国辱モノのスタイルだ(爆)。 敵役・フェンを演じるのは、かの「ディア・ハンター」でアカデミー助演男優賞に輝いたクリストファー・ウォーケン。 コテコテの中国服に身を固めての「怪演」ぶりがハンパない。 そして、クライマックスシーンで主人公と繰り広げる勝手なルールの卓球電流デスマッチは、「007 ゴールドフィンガー」のジェームズ・ボンドVSオッドジョブ、「スター・ウォーズ/ジェダイの復讐」のルーク・スカイウォーカーVSダース・ベイダーも斯くや(?…またお叱りの声が)の死闘ぶりで、流石はアカデミー俳優?? マギーQ(おみ足も麗しく!)、マシ・オカ(出番は少しだけど)らも彩を添える。 因みに、おバカ映画でありながら、制作費は日本円換算で25億円の由。 よーするに、「ボクラ少国民」世代の佐藤純彌監督が「世界よ、これがヤマトダマシイだ!」とばかりの悲壮感で作り上げた「男たちの大和/YAMATO」と同額なのだ。(大部分のアメリカ人からすれば、ヤられることが分かったうえで出撃する戦艦のお話もおバカ映画だろうけど) 太平洋戦争の緒戦において大勝利を収めながら、物量が続かず惨敗した大日本帝国同様、21世紀の戦後日本も所詮は「持たざる国」ってことで、未だ日米間の物量差は斯くも凄まじいものなのか?(笑)

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