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ICHI (2008)

監督
曽利文彦
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3.84 / 評価:1,467件

解説

日本を代表する時代劇のダークヒーロー座頭市を、目の不自由な芸者“離れ瞽女”のヒロインとして設定した意欲作。近寄る者を斬り捨てながら生きてきた孤高の女性、市の過酷な運命が展開する。監督は『ピンポン』の曽利文彦。ヒロインの市を『僕の彼女はサイボーグ』の綾瀬はるか、彼女と惹(ひ)かれあう侍・十馬を『築地魚河岸三代目』の大沢たかおが演じる。綾瀬はるかのアクション・ヒロインぶりと、映像クリエイターとして名高い曽利監督のビジュアル世界が見どころだ。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

三味線を背負い、人とかかわることを避けながら、一人で旅を続ける目の不自由な“離れ瞽女”の市(綾瀬はるか)。とある宿場町に流れ着いた彼女は、一風変わった浪人・藤平十馬(大沢たかお)と出会う。やがて二人は、若き2代目・虎次(窪塚洋介)率いる白河組と、万鬼(中村獅童)を首領とする万鬼党の争いに巻き込まれ……。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2008映画「ICHI」製作委員会
(C)2008映画「ICHI」製作委員会

「ICHI」たどたどしさが逆にスーパーヒーローではない生身を感じさせる

 「なに斬るかわかんないよ、見えないんだからさ」

 オープニングそうそう女座頭市を演じる綾瀬はるかのこのセリフにシビレたが、後で考えると、ちょっととたどたどしいアクションのエクスキューズにも思えてきた。市はやくざの子分や町を食い物にする盗賊まがいの男たちを、逆手居合斬りでバタバタ倒していくのだが、そのたどたどしさが逆にスーパーヒーローではない生身を感じさせる。木刀では市より強いのに、刀を抜くことが出来ない侍・藤平十馬を設定することで、ふれる者は斬るという市のキャラクターがより鮮明になった。そのいっぽう綾瀬を起用したことで、座頭市シリーズ26作品に主演し代表作に育てあげた勝新太郎がウリにした、力強く切れのいい立ち回りの魅力が半減した。「ピンポン」で曽利文彦監督が多用したスローモーションは、今回、ひたすら市をカッコよく見せるために使われている。

 そんな市が旅の男に瞽女(ごぜ・盲目の女旅芸人)屋敷に預けられて育ち、雪のなかを仲間の肩に手を置いて歩き、男に犯されて離れ瞽女になる展開と映像は、篠田正浩監督の「はなれ瞽女おりん」そっくりだった。さらに田舎町のやくざが使い手を用心棒にするあたりは黒澤明監督の「用心棒」を連想させ、盗賊たちが町を襲うのは「七人の侍」を思い出す。曽利監督が見てきた時代劇の名作に対するオマージュなのだろうか。ローマ字の「ICHI」というタイトルが示すように、これまでの座頭市シリーズとは異なり番外編という感じ。この作品はアメリカのメジャー、ワーナー・ブラザース映画が製作しているが、海外でどう受け取られるのか興味をそそられる。(おかむら良)

映画.com(外部リンク)

2008年10月23日 更新

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