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伊藤の話
2008年4月12日公開

伊藤の話

742008年4月12日公開

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3.0

骨抜きにされない幽霊映画なんて

2008年。秋原正俊監督。ラフカディオ・ハーン原作のミステリアスな物語の映画化。大学で教えることになった男(温水洋一)が、美人の助手(田丸麻紀)となかよくなる一方、過去の亡霊のお姫様(加藤夏希)にほれられてしまう、という話。名だたる名作と同列にレンタル店に並んでいる公開された映画なのだから、監督も知らないけど、なにかひっかかるものがあるかもしれない、という根拠のない期待は見事に裏切られてしまいました。そんな「出会い」はなかなかないのだと再確認。だから名作へとつい手が伸びる。 役者のレベルは問わないとしても、心の中とか説明とかを安易なオフの声にしてしまうことや、時間短縮以外に効果が見出せない対話場面のカットの極端な少なさなど、映画的にどうなのだと頭の中は疑問符だらけ。デジタルな画像処理がまったく美しくない。一番よくないのは、主演の温水さんが二人の美女に骨抜きにされているように見えないことです。幽霊のほうはほとんど顔が見えないからまだしも、田丸さんの方はロボットのように人工的で自然さのかけらもないから、温水さんといえども惚れるわけないんだけども。。。全編通して意図的に雨が降っていますが、それさえ、怪談=水の連想を詰め込んだだけのように見えてしまいます。 運悪くこの映画を見てしまった人は「雨月物語」を見て、幻想の美人と狂気、現実の妻の末路、美しい水の撮り方に感動しましょう。カメラは動くのです!

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