マイ・ライフ、マイ・ファミリー
3.3

/ 77

9%
32%
43%
12%
4%
作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(34件)


  • oir********

    2.0

    ヒロインの自己中さと父親に関する不自然さ

    が気になってしまった。本質的部分ではないけれどもね。 事務仕事中に自分の別の仕事をしたり、会社備品をごっそり泥棒。 不倫はまぁいいとしても、呆けた父親を見栄えのいい施設に入れたがったり、財団の戯曲オーディションに合格したと嘘をつき、それを咎められると逆切れ。 同情してくれた看護師に突発的にキスをしたり、とにかく浮ついた浅はかさばかりが悪目立ちするヒロイン。 それでも最後の老犬に関するエピソードは少しはポジ要素にはなった。とはいえ総体的な彼女に対する嫌悪感は、感動ストーリを押し付けてくるディスクパッケージ―文面を打ち消す効果が大きかったと個人的には感じた。 父親も呆けの他は致命的な疾患とかはないと受け止めていたのにあの流れは実に不自然。ご都合主義としか感じられない。 要は切実なリアリティは欠けていた印象。 肝心のテーマ「痴呆老親の問題に直面した子供たちの対処」は自身にとっても身近過ぎる事柄。その点では様々な考えと思いが廻ったのは確か。 フーッ・・・・好き嫌いの感情は抜きにしても、ため息の一つも出てくる映画ではあったかな。 2.2の二つ星

  • 裏目死魅呪呼

    1.0

    兄妹愛

    フィリップさん素晴らしい役者さん。素敵でした。

  • kih********

    5.0

    重いテーマだから、重苦しくなって当然。

     いろんなレビューを拝読しました。そして、この映画制作の意図がそのままに当たったのであろうと思いました。というのは、  「重い」「暗い」、「もやもやする」「感動に欠ける」という声が多く聞こえます。溜め息が出ます。映画はそういうことを意図したのでしょう。  敢えて感動を持たせないように描いたのではないでしょうか。ここでの問題 ―― 介護、家族、結婚、個人、養育、性、―― のどれひとつをとっても、感動的に「分かった」という説得力のある回答?はどこにもないのでは……? だから、もやもやしたままに終わらせたのではないでしょうか。    自問自答させられます。自分はこれまで、これで良かったのか、これから、このように出来るだろうかと不安になります。(良心的な人ほど?)自分を責めることになりかねません。言い訳をして開き直ることも可能です。でも、立場が代わって自分の順番になると、結局、自責の念に……、ということではないでしょうか。  介護にしても、家族間の関わりしても、おそらく正解は見つからない、それを、わずか2時間弱の映画一本に、感動的な答えを期待するのは虫が良過ぎるのかな、と思います。  では自分が介護をお願いするようになった時には?って、はい、どうしていいのか分からず、もやもやしています。まんまとこの映画にはめられています。

  • fg9********

    4.0

    ……の面目躍如たる爽やかな佳作

     …あらすじは、解説の次のとおり。  『認知症になってしまった疎遠の父親の面倒を見る羽目になった兄妹が、それまでの親子関係を浮き彫りにしながら葛藤していく姿をリアリスティックに描いたファミリー・ドラマ。』  これだけでは簡単すぎてなんだか解からないので、もう少し書いてみよう。  その兄妹のジョンとウェンディをフィリップ・シーモア・ホフマンとローラ・リニーが演じていて、ジョンは大学教授で、ウェンディはバイトをしながら劇作家を目指しているのだった。  幼少の頃、二人ともに父親から酷い仕打ちを受けていたので、今や他人同然だった。  でも、二人の他に父親の身内がいなかったので、已む無く彼らは引き受けざるを得なくなるのだったが、お互いにそれぞれの仕事・生活があり、結局は介護施設へ入れることになるのだった。  安易に施設へと入れる道を選択した兄をウェンディはなじるのだったが、然らずんばどなんしろと言うんかい?と兄妹が諍いを起こしたり……でも、たった二人っきりの血の繋がった仲の良い兄妹に戻ったり……認知症・介護等の問題以外にも兄妹の在り方も気負わず丁寧に描かれていて好感が持てた。  タクシーの中で兄妹が激しい言い争いをするのだが、同乗していた認知症の父親が補聴器のボリュームを下げるところは可笑しかったな。  認知症を患っていても、子供たちの諍いだけは聴きたくなかったのだろう……。  で、エンドロール直前、ローラ・リニーが晴れやかにジョギングするシーンがあり、彼女の後を追うようにして、確か安楽死したと思っていた大型犬が、後ろ足が不自由のために車輪を付けて軽快に走っている姿には、胸を打たれた……。  テーマこそ重いが、芸達者なフィリップ・シーモア・ホフマンとローラ・リニーの面目躍如たる爽やかな佳作だった。  それにしても、返す返すも惜しい逸材を失くしたものだ。  ご冥福をお祈りします。

  • i_k********

    4.0

    全ては観る側の頭のなかで広げる作品

    ストーリーもさして調べずに、タイトルに惹かれ「涙活」でもるかとレンタル 観進めるにつれ、確執のある父親の介護問題か。こりゃ重くなるのか?しかも幼少期の虐待とくれば間違いなく。 なんて、思いながら90分を過ぎた辺りから「これはどうオチをつけるのか?」なんて思っていたら、あれよあれよのうちに淡々とフィナーレを迎えた。 様々な伏線を思い起こしながら、足りない部分を脳内補完しながらストーリーをたどっていく。。 「ここはこうなればなぁ」「ここはなんでこうしないの?」なんて思ったりしたものの、それはあくまで個人的願望であって、これはこれで、この監督独特の料理の仕方なのだろうなと思えば何故か納得出来たりもして。 そう、これはこれで悪くない。 何故かモヤモヤすることも無く、さらにホッコリとした不思議な気持ちになれた。 介護、虐待、こーゆー議題は重くなりがちなのに、物語の中心となる兄妹に愛を感じ、幸せをもらったような気分にさせてもらった。 おそらく評価をされにくい作品であろうことは確かだが、好きな人は好きだろう。

  • the********

    1.0

    ローラ・リニーはやっぱブロンドでないと!

    ローラ・リニーは大好きなんだけど、今回は彼女の髪が気になって仕方ありません。 妙にテカテカしたブルネットで、ヅラ感満載。 正直、内容どころじゃありませんでした。 その内容というのも、介護の話かと思いきや、妹や兄の話がごちゃごちゃ混ざって、 途中からどうでもよくなりました。 介護なら介護の話に絞ってほしかった。 ちょっとがっかりの出来。 ただ、映像だけはしゃれた感じでした。

  • tam********

    4.0

    小さな哀しみ、小さな希望、小さな喜び

    原題の「サヴェージ家」だと無味乾燥だとは思うが、 反対に、邦題からだと底知れない明るさが感じられるものだ。 実にこの小品は無味乾燥と恐ろしいまでもの明るさ、 二つの矛盾に満ちていた。 ストーリーは死期近い父親の介護に巻き込まれる兄妹の物語。 身近な家族の介護や死を意識しない立場の観客にとってはまさに無味乾燥だ。 ひとはいつか死んでいく。 その事実を理解した先にほんのり見えてくる「明るさ」は、 これまた、ひとの特権かもしれない。 諦めではなく悟りでもない、 生きていくための、ちょっと先に見える明るさ。 フィリップ・シーモアもローラ・リニーもこんな何気ない普通人の葛藤を見せてくれる。 いや、彼らだからこその演技だった。 あまりいい父親ではなかったが、死を前にした父親の境遇に悩む兄妹。 老人ホームをホテルと勘違いする呆けた父親。 兄妹にもそれぞれの人生があり、悩みを抱える。 世界共通、人類誕生以来ず~と持ち続けた永遠のテーマである。 先立つ家族にどう尊敬の気持ちを表せばいいのか? 自分たちだって幸せになる資格はあるはずだ? 深刻なシネマであることには違いないが、 それでも生きていくには前に向かうほかない。 小さな哀しみ、小さな希望、小さな喜びで、ひとは生きていく。

  • afe********

    4.0

    父の認知症が歪んだ過去を取り去る

    親元を飛び立った子供はいつか故郷へと帰ってくる。育ててくれた両親に今度は自分たちが面倒を見てやるためだ。ここ日本では、国土が狭いためそれほど両親に会えない期間は長くならないだろう。しかし、東西に主要都市を抱えるアメリカでは、気軽なドライブで故郷を訪ねるわけにはいかない。ジョンの専門分野である社会不安は、そんなアメリカに溢れる疎遠家庭のことを言っているのかもしれない。 サヴェージ一家の疎遠ぶりはかなり深刻なもので、その原因は過去の歪んだ家庭環境にある。父親の奇行を聞き、厄介事のように済ませようとするが、暴力を振るう昔の父親の影はそこになく、認知症で弱々しくなってしまった年寄りの姿だけが目に映る。この映画は、疎遠家庭にいずれは訪れる、親ともう一度向き合う機会、に親子の再生を描いているのではない。認知症で過去を失った父親の姿を見て、自分自身の人生と向き合う主人公の焦燥と新たなる旅立ちが、残酷な現実からも目をそらすことなく真摯に描かれている。 タマラ・ジェンキンス監督の切り取る風景にはユーモアとリアリティが感じられ、その脚本にも徹底したリアリティが追及されている。監督は身近な人間に認知症の方を持っているのだろうか。認知症の祖母を持つわたしからしても、本作には痛く共感できる部分がいくつもある。わたしの祖母は、もう私の名前を呼んでくれなくなってしまった。会いに行けば笑って出迎えてはくれるが、少しの間二階に行くと、一階からは「上には誰がいるん?」という祖母の声が聞こえる。本作のラリー・サヴェージも、ジョンとウェンディの名を口にすることはない。他人ではないことだけは理解している、そういった感じだ。この微妙な役どころをピーター・フリードマンは見事に表現していると思う。車内でジョンとウェンディが口論する場面でも、ラリーは理由のない嫌悪感を表情に浮かべる。わたしの祖母も同じだった。 重たいテーマを扱った胸にずっしりくる内容にもかかわらず、あるいはそのおかげで、明るい未来と希望に満ちたエンディングが心をあったかくしてくれるのだと思う。

  • kan********

    4.0

    ネタバレ虐待されてたまでは伝わらなかったよ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • smo********

    2.0

    感動要素がもう少しほしかった

    フィリップ・シーモア・ホフマン、ローラ・リニーが主役の映画であれば観なければならない。この二人は本当に渋い演技をする正統派俳優で私も大好きである。また邦題「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」もいかにもドラマ性の高い内容が想像できる。実(際原題より邦題のほうがよりぴったりくるような。) 内容は非常にセンシィティブでかつ社会に向けたメッセージ色の濃いものであった。それがゆえに全体に単調な流れが続き、もう少し編集で短い時間にするほうがメリハリがあって良いと感じた。 主役二人もこの題材では演技がいかしきれておらず、インパクのあるいつもの二人を見ることができない。親の死、家族の不幸、不倫、恋人、未婚、すべてのテーマが重たい。最終的に親の死を迎えるが、ここでも単調すぎる流れになっており、もう少し感動的な要素があってもよかった。エンディングは不倫相手の犬を安楽死させない方向に持っていくのだが、いささか無理矢理感が見え、またここでもそれほど感動があるわけでもない。 もう少し涙ありのドラマ性をもたせたほうがよいと感じた作品であった。

  • tsu********

    4.0

    スマートでセンスがいいヒトが作ってる感

    ありの、こういう作品は拾っていきたいね。 ハリウッドの商業ベースには乗らないけど、こういうスマートな佳作も結構作られるアメリカの映画の製作現場の想像力の厚みを感じます。 常にアンテナの感度を上げて映画を見ていきたいと思いました。 インテリ女性監督がインテリ中年女性の悲哀を描けば、それはリアリティー出るわなの、星4っつ。

  • ain********

    3.0

    ネタバレ切実な中に感じる物がある

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • nom********

    4.0

    重い話の入門編

    ブレヒト云々はよく分りませんが、 この作品は「感動」ではなく「議論」なのでしょう。 ラストに一応のオチがありますが、 とりあえずと言った感じです。 「介護」「結婚」「望むべき仕事」 恐らく中年になればなるほど、 重大になってくる問題なのでしょう。 どれもあっさりと描かれていましたが、 それはそれでいいんじゃないかと思います。 キャリアウーマンのアラフォー入門書 といった印象を受けました。 あの父親のどこか遠くを見るような視線。 亡くなった祖父を思い出しました。 何を思っていたのだろう? 聞くことはできませんでしたが…。 役者陣の演技は素晴らしかったです、 ホント見せてくれます◎

  • fnk********

    2.0

    どうでしょう?

    正直なところ心に響くものはありませんでした。 養育環境に問題のある中年の兄妹と老いた父親の話しというのは分かりますが…。40歳間近い家庭のある、介護の現場で働いている自分ですが、響くものはなかった。評価の高い映画なんですよね。うーん、もやもやする。

  • yos********

    3.0

    多くの人が経験するであろう老人問題

    特に介護については、これまでも 映画やテレビでも多く目にすることがある 親との向き合いかた、家族との調和、金銭問題 それぞれに抱える問題は違うけれど その多少に差はなく、結局のところ どうすべきであるか、どうしたいのかは 自分たちで見つけていくしかない。 本作の兄妹も、互いに未婚であるとはいえ それぞれの生活があり、思いがあり、葛藤がある。 幼いころに父親に虐待を受け育った兄妹には 疎遠になった父親の認知症を受け入れることも 介護をしていくことを受け入れることもできない。 老人ホームへ入れることへの罪の意識 親の面倒を自らが見るべきなのか それが続くことへの不安 そんなところもわからなくもない。 ただし、本作は幼いころにどれほどの虐待を受けたのか 母親がどんな母親だったのかということを 掘り下げて描いていないため 彼らに共感するには、その部分の想像の度合いによって 人それぞれ感じ方が変わるかもしれない。 そこが物足りないところであるようで そこが押しつけがましくないようで そこが自分に置き換えるところがあるようで 介護問題とは、決して目を背けることのできない 根の深い問題であることのように感じた。

  • tom********

    4.0

    リアルだなって思いました。

    とりわけ大きな出来事が起こるわけではないのに、時間を気にせず 最後まで見ることができました。 父親に暴力を振るわれて育った兄妹ですが、子どもの時の回想は一回も 出てきません。母親にも出ていかれてしまったけれど、その兄妹が戯曲を描くという ことでつながっている。それがひとつの絆でもあるんだなって思いました。 父親の認知症を通して、ふたりがほんのちょびっとずつ父親を許していく過程や、 どんな父親であったとしても最期を迎えるまではよりよくしてあげたい、という 思いが伝わってきました。 いい介護施設とは何だろう? 妹はきれいで明るく、サービス満点な施設にお父さんを入れてあげたい。 それに対して、お兄ちゃんは「美しい緑や庭園、サービスは本人のための ものじゃなく、施設に入れてしまったという家族の罪悪感を消すためのものだ。 死とは糞尿と死臭にまみれてるものなんだ!」と現実から目を背けないように 妹に言います。なんか、そこのセリフで目が覚めるんですよね。 何が正解、というわけではないけれど、狭くて薄暗い施設でも、家族に寄り添ってくれる 介護士さんがいる方が、いいことなのかなあ、とも思います。 ナイジェリア出身の介護士さんと妹のやり取りがとてもいいと思いました。 ほんと、あるひとつの家庭の出来事を撮ったような、そんなリアルな描写に ちょっと笑えたり、ジーンとしたり。かといって重くない、素敵な映画だと思いました。 お兄ちゃんがムチウチになるとこ、ちょっと笑えました。 中年になっても、兄妹っていいもんですね。

  • oak********

    5.0

    繊細なアメリカ人

     アメリカ人は極めて多様であり、本作の主人公達のように文学系の立派な教育を受けたにも拘らず、思うような人生を送れていない繊細なアメリカ人も少なくない。家族や老人問題をデリケートに描いた秀作で、主役の三人の演技が素晴らしい。父親の死を切っ掛けに、無理やりそこそこのハッピー・エンディングにしたことが、全体をやや安っぽくしてしまったように思われるのが残念である。このような佳作が日本では上映されなかったことは、日本の映画産業と観客が粗雑になったことの象徴ではないだろうか。

  • jul********

    5.0

    しょっぱい家族

    思いがけずおもしろかったです。 何一つ 夢幻的なエピソードはなく セコい現実のオンパレードな映画 ・・・だったのが ちょっと親近感持てました。 実の血縁とはしょっぱいものです。 血縁あるからと どしどし踏み込んできたり こっちからも行ったり (私の個人的実感) 原題は「野蛮人」かな? 自虐的に子が自分を名付けてみた感じ 子が親の面倒をみるのは当然と 昭和の時代には介護に無関心だったお上も 介護保険など導入してみたりの日本の昨今 (それでもまだまだ老後は個人的に自己責任に負うところが大きいですが) フィリップ・シーモア・ホフマンとローラリニーの兄妹が現実感ある存在でした。 良い兄妹関係だと思う。小さい時は父とうまくいかなかったらしいけど ふたりともりっぱに大きくなりました。 個人的には問題はいろいろ抱えているけども。 老父が病に入ってからは 大人として親に接せられてるから りっぱに大人になったと思える。 老父の同居相手は母ではなく・・・非婚の約束した内縁妻でした(びっくり) 結婚制度に守られてる平安を捨てたんだから仕方ないけど 老後はつらいね 若い時は愛だの恋だの 未来あり夢ありでいいけども。 恋の魔法が解けた時の保険のための制度? 老後のための制度でもあるのかもしれない・・・結婚。 妹の人生負けっぷりもなかなかに塩味でした。 これも ちょっと親近感です(いやな性格ですね 私) アメリカも日本も同じなんだね~と感じた作品でした。

  • tat********

    4.0

    糞まみれの死

    原題は「The Savages」。映画に登場するサベジ家の人々と“野蛮な人たち”という意味をかけているのだろうか。認知症にかかった父親をめぐる兄妹の葛藤を描いた本作は、内容が結構リアルかつシニカルなため、日本では未公開に終わってしまったようだ。最近シネカノンが民事再生法適用を申請し、ミニシネマ系配給会社はどこも悪戦苦闘のご様子。外見は地味でも中味のつまった本作のような未公開作品が今後ますます増えていくことになるだろう。一映画ファンとしては大変残念な思いがする。 ローラ・リニーとフィリップ・シーモア・ホフマン扮するサベジ兄妹の元に、子供と離れてガールフレンドと暮らしていた父親の様子がおかしいとの連絡が入る。相談の結果、満足に歩くこともできない父親レニーを兄ジョン(ホフマン)の自宅近くにあるリハビリ・センターに入所させることに。リハビリ・センターといっても、父親の部屋は病室にちょっと毛がはえた程度の相部屋で、従業員もほとんどがアフリカ系。「私たちはお父さんに冷たすぎる」と妹のウェンディ(ローラ)は兄に泣きつくのだが・・・。 大学准教授と派遣社員というこの兄妹はアメリカの典型的な中流階級、父親を不憫に思いながら、悲しいかな(スピルバーグ作品によく出てくるような)立派な老人ホームに入れてあげるお金などあるはずもなく、同居して自力介護しようとする度量もない。「(親父の)おれたちに対する仕打ちに比べればまだマシな方さ」「死はもっと小便臭くで糞まみれなものだ」とか、父親の面倒をみないことへの自分に対する言い訳のように聞こえるが、現実的に考えれば至極公平な対応をしているようにも思えるのだ。 42歳の兄ジョンがいまだに結婚に踏み切れないでいたり、妹のローラが(ファザコン気味で)近所にすむ50過ぎのハゲ親父と不倫したりしているので、映画の中であまり詳しくは触れられていないものの、この兄妹にとって必ずしも良き両親ではなかったことがそれとなくうかがいしれる。俳優として脂がのり切っている2人の演技を見ているだけでも楽しいのだが、演劇一家という設定が劇中劇的な雰囲気を醸し出していて、ブレヒトの戯曲を想起させるなかなか奥深い脚本も魅力となっている。 ラストシーンを見て「なんつう薄情なガキどもだ、助ける相手が違うだろ」と違和感を覚える方がいるかもしれないが、あながちそうとも言いきれない。要するに、我が子の人生を犠牲にしてまで、親が自らの恵まれた死をのぞむべきかどうかが問われているのだ。お金持ちならいざしらず、額に汗しなければ三食もままならない普通の人々が、(今まで好き勝手やってきて)認知症におかされた親をどう受け入れるべきなのか。本作はほんの一例を示したにすぎないが、身内の老化にことさら大騒ぎする現代の風潮も、単に介護ビジネス業界に踊らされているにすぎないのではないか、とふと考えるのである。

  • ma0********

    3.0

    誰もが経験するテーマ

    LA批評家協会賞を受賞した本作。 批評家が好きそうな ヒューマンドラマです。 僕もこういったテイストの映画は嫌いじゃないです。 この映画 とくに設定に共感できます。 自分も妹と2人兄弟で あと10年ちょっとしたら もしかしたらこういったケースになるかもしれないです。 そう思うと 妙にリアルに感じました。 親の介護っていつかくるものだけど あまり考えたくないことです。 もちろん長男なんで 面倒はみるつもりですが 実際その時になると この映画のフィリップみたいに 人任せ(老人ホーム)になってしまうかもしれません。 誰もが経験するだろうテーマを 淡々と脚色することなく伝えるこの作品に 多少の物足りなさは感じますが、 誰もが共感する作品ではあると思います。 最後に ローラリニー嬢。 「イカとクジラ」でも光っていた こういったヒューマンドラマでの中年インテリ的女性の 演技は メリルと双璧ですね。

1 ページ/2 ページ中