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3時10分、決断のとき (2007)

3:10 TO YUMA

監督
ジェームズ・マンゴールド
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4.10 / 評価:704件

解説

刑務所に連行される強盗団のボスと彼を護送する牧場主との男同士のきずなを描く西部劇。1957年公開の異色西部劇『決断の3時10分』のリメイクで、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』のジェームズ・マンゴールド監督がメガホンを取る。主演は『グラディエーター』のラッセル・クロウと『ダークナイト』のクリスチャン・ベイル。さらに、ピーター・フォンダやベン・フォスターら癖のある俳優が脇を固める。早撃ちなどのアクションはもちろん、男のプライドのぶつかり合いに胸が熱くなる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

地主からの嫌がらせで、馬小屋に火を放たれたダン・エヴァンス(クリスチャン・ベイル)一家。営んでいる牧場の生活は苦しくなる一方で、ダンと家族の溝は深まっていた。そんな折、卑劣な悪事を繰り返すベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)が逮捕され、3日後の3時10分発の汽車でユマの刑務所へ連行されることに。危険な道をたどるウェイドの護送を、ダンは男の誇りに懸けて引き受ける。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2007 Yuma, Inc. All Rights Reserved.
(C)2007 Yuma, Inc. All Rights Reserved.

「3時10分、決断のとき」サイコ対サイコの構図から、さらに意外な着地点へ

 リメイクの鍵はキャスティングにある。オリジナルと比べてどうひねるか。あるいは、どの部分を平行移動させるか。

 この力学は「3時10分、決断のとき」でも働いている。いや、リメイクのみならず、オリジナル(「決断の3時10分」)でもキャスティングには工夫が凝らされていた。なにしろ、悪役にグレン・フォードが起用されているのだ。役どころを考えると、線の細い印象は否みがたい。もちろん、理由はある。

 新作の悪役ベンに扮するのはラッセル・クロウだ。ベンは腕が立って頭が切れる。人好きのするクールなサイコといいかえてもよい。日ごろ善玉役を演じることの多いクロウに、この役はこなせるのだろうか。

 一方、ベンを護送する貧しい牧場主ダンを演じるのは「ダークナイト」や「アメリカン・サイコ」のクリスチャン・ベールだ。こちらは逆に「家庭人」のイメージが似合わない。さあ、監督のジェームズ・マンゴールドはどんな采配を振るって話を転がすのか。

 が、この前提に仕掛けがある。善玉が悪玉を護送する話と考えれば首もひねりたくなろうが、サイコとサイコのもつれ合いと考えれば、構図は意外と呑み込みやすい。しかもマンゴールドは、ふたりのサイコの周辺に、もっとわかりやすいサイコの群れを配置する。ベンに恋い焦がれる配下の殺し屋にせよ、ベンの首を狙う賞金稼ぎにせよ、その言動は異様と呼ぶほかない。なるほど、そうか。私は映画の途中でうなずいた。そもそものはじまりは、毒蛇と毒蛇のもつれ合いだったのだ。それをエスカレートさせて、さらに意想外な着地点を探す。マンゴールドも、ずいぶん手の込んだ構図を考えついたものではないか。(芝山幹郎)

映画.com(外部リンク)

2009年7月30日 更新

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