O SANGUE/THE BLOOD

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)


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    4.0

    父の喪失とさまよう兄弟

    ポルトガルのペドロ・コスタ監督。いきなり冒頭でひきつけられます。父と長男のいさかい、雷音、リバースショット、そしてビンタ!なにかがおこる不吉な予感。しかし、その後の展開は省略が多すぎて、ストレートには追いかけられません。例えば、DVDの説明によれば、病気の父は息子に薬殺されたことになっていますが、その場面は省略。父の遺言に続いて夜中の薬屋に押し入る息子が手を怪我した後、映画に写るのは恋人と父の遺体を処理する場面です。父のための薬を奪おうとして間に合わなかった、とも見えてしまいます。殺害の苦悩や良心の呵責が描かれない。反心理的映画なのです。 どっちでもいいんでしょう。「父が死んだ」ことが大切で、その後長男の恋と10歳の次男のさまよいが描きたいのでしょう。なにか秘密を抱えていたらしい父の喪失と、それゆえに秘密の存在自体がわからなくなる兄弟。兄弟の絆の深まりが、弟の服を着る兄、で描かれるのも素敵です。全体にくらーい感じなのに、働いているシーンだけ妙に明るい音楽だったり。 不気味な木々の森(「気狂いピエロ」で踊りだす森のシーンのよう)、夜明けの川、逃げる次男など、カメラの動きが気持ちいい。明暗のコントラストも最高です。

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