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クライマーズ・ハイ (2008)

監督
原田眞人
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3.63 / 評価:2,045件

解説

1985年、群馬県御巣鷹山で起きた日航機墜落事故をめぐって翻弄(ほんろう)される地元の新聞記者たちの姿を描く社会派ドラマ。実際に記者として日航機墜落の取材をした作家・横山秀夫が自らの体験を反映した同名小説を、映画『金融腐蝕列島 [呪縛]』の原田眞人監督が映像化した。地元新聞社の熱血漢デスクを『ALWAYS 三丁目の夕日』の堤真一が演じたほか、『殯(もがり)の森』の尾野真千子ら実力派が集結。感情が激しく交わる濃密な1週間の人間ドラマに圧倒される。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1985年8月12日、乗員乗客524名を乗せた日航機123便が、群馬と長野の県境に墜落、その一報が北関東新聞社に入る。編集部で全権デスクに任命された悠木和雅(堤真一)は記者として扱う一大ニュースに対する興奮を禁じえないが、中央紙とのスクープ合戦や組織や家族との衝突を経て、命の重さに対しわき上がる使命感を覚える。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ
(C)「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ

「クライマーズ・ハイ」未曾有の悲劇を深追いせず、映画的醍醐味が味わえる佳作に

 あの夏の惨劇――直後に動き出す地元新聞記者たちの闘い。編集局内の確執や販売局との対立といった事態に直面し、ブンヤ魂が熱くほとばしる。カオスの中、脇役たちが活写され、局内の管理職・蛍雪次朗、遠藤憲一、でんでんら個性派キャラは、ここぞとばかり全開だ。

 単なる事件記者ものではない。あれから23年経った現在から、極限状態の中を無我夢中で生きた全権デスク・堤真一が、トラウマともなった過去を思い起こし、今また新たな「山」に登り直すという構成を採っている。つまり、1985年の墜落事故は彼の心象風景でもあるのだ。

 カット数の多さを豪語する原田眞人演出は、サスペンスフルではあっても、相変わらず内面の掘り下げにもどかしさを感じさせ、時折インサートされる現代のパートは、過去とうまく反照し合わない。立て籠もった若者たちの描写を一切捨象した権力礼賛映画「突入せよ!『あさま山荘』事件」の原田は、何を血迷ったのか、今度はもっと遺族側を描こうと画策したようだ。だが、原作者・横山秀夫から受けた「君は『クライマーズ・ハイ』がやりたいのか? 日航機墜落事故がやりたいのか?」という示唆が効いたようで、未曾有の悲劇そのものを描くだけの映画では終わらず、あの事故を通過した主人公の、組織という父性からの自立、息子との関係を修復し自身が父性を確立するというテーマは貫かれた。極度の興奮によって感覚が麻痺した状態を脱し、挫折を乗り越えて成長するという物語の核心はかろうじて担保され、映画的醍醐味が味わえる佳作に仕上がっている。(清水節)

映画.com(外部リンク)

2008年7月3日 更新

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