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山桜
2008年5月31日公開

山桜

992008年5月31日公開

beautiful_japan_

5.0

ネタバレ田中麗奈が目で好演

藤沢周平の同名短編小説が原作。主演は田中麗奈。思いを遂げられない男女の話と、藩の不正をただそうとする正義が絡み合う。 海坂(うなさか)藩(架空の藩)では、重臣の諏訪平右衛門(村井国夫)が農民たちから苛酷に年貢を取り立てる一方、大百姓からは賄賂を受け取るなどの不正を行っていた。諏訪の不正を止められる者がいないどころか、諏訪に取り入って甘い汁を吸おうとする者が多い始末。野江(田中麗奈)の舅の磯村左次衛門(高橋長英)も諏訪に取り入ってカネ儲けを企んでいた。 不作と病気に苦しむ農民の窮状を見た手塚弥一郎(東山紀之)は、城内で諏訪を襲い斬り殺す。磯村家から離縁された野江は、山桜の枝を持って手塚の家に行き、母の志津と親しくなる。 田中麗奈が、目で感情を上手に表現している。最低人間の夫を睨みつけ、嬉しいときには穏やかな目つきになり、手塚の母の前では気持ちが抑えきれず涙目になる。カツラ姿は似合っているとは言えないが、芯の強い武家の嫁を好演している。 野江の母・瑞江を演じる檀ふみと、手塚志津役の富司純子がベテランの味を出す。野江の妹・勢津役の南沢奈央(本作公開当時18才)は初々しい。 ラストに流れる一青窈のテーマ曲「栞」はロマンチックで、野江と弥一郎の未来に希望を抱かせる。

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