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特命係長 只野仁 最後の劇場版 (2008)

監督
植田尚
  • みたいムービー 94
  • みたログ 430

3.20 / 評価:176件

【只野ワールド】を知らずに観たら大変だ。

  • zin***** さん
  • 2008年12月5日 22時26分
  • 閲覧数 368
  • 役立ち度 104
    • 総合評価
    • ★★★★★

『映画だから、少しは格調高くしたかな?』
まかり間違っても、そんなカン違いをしてはイケナイ。
作品がダンディズム漂わすが如く、
制作陣も実に男らしく、変らぬ【只野ワールド】を、
スクリーンにブチまけた。
つまり、誇らしげなおバカ映画である。

所々、品のあるヒューマンドラマになりそうな流れを、
ものの見事にウッフン♡モードで下劣に蹴散らし、
お寒いギャグと、訳の判らん一部(大部分)の役者(?)の演技で、
B級映画に叩き落とす。

例えば、
今回のゲスト・赤井英和演ずる山西と只野の会話は、
中々に重く、味がある。
サラリーマンがヘラヘコ笑って、
バカな得意先にへつらい、耐えられるのは何故か?
只野は裏の顔が防波堤になっている。
が、普通のサラリーマンは?

山西は、それは“プライド”だと云う。
“プライド”は、家族を守る為にあると。
猫背で串カツ食う只野が、そんな山西を優しく見守る。
…世のお父さんにはタマラン場面だ。
お高いと思っていたシルビアとのマジな本音も、
『ア、 コレは良いかも』と、座席に座り直させる。

が!とたん映画は容赦もなく、ウッフン♡、お下劣、
ヘタレギャグをカマし、そんな淡い後味をブチ壊すのだ。
だが、あえて言う。 コレでいい。

普通のサラリーマンドラマ風アクション・サスペンス(何だそりゃ?)なら、
掃いて捨てる程ある。
そう云うドラマは、最初の5分で最後の5分が判る。
それどころか、すぐ次の展開すら読める。 だから観なくなる。
だが【只野】は、そんな当たり前に流れがちな話を、
アホな“外し技”で揺すりに揺すってくる。
A級→B級(もしくはC級)映画を行ったり来たりする。
ある意味、気を抜けない。
これが【只野】なのだ。

この一風変った“特徴”が、安定した視聴率を取れる魅力となったのだろう。
主役の魅力だけでは、こうは長続きしまい。
偶然の産物か、狙ったものか?
とにかく制作陣は、映画であろうと、その創り方を変えなかった。
『支持された【只野】はコレだ。 サァどうですか!』ってなもんだ。

驚くべき不器用さと、信念と、男のダンディズム(破滅への美学とも言う)の結晶だ。
これが映画として、ロードショーするに相応しいか、なんて考えてない。
【只野】は、良い映画を創ろうとしちゃイカン。
ひたすらB級を目指す志…そこに勢いが生まれる。
おかげで私も、何度隣の席の様子を窺った事か。
気まずいウッフン♡・ギャグに。

制作陣は今作を、
社会派サスペンス・ヒューマン・セクシー・アクション・ラブ・エンターティメント・
コメディと称しているが、本当にそれらが全部入っているから物凄い。
これらが渾然一体、違和感ないかと言うと、全くそーでない所がまた凄い。
全てのエッセンスがいびつに存在している。
…って言うか、他のエッセンスの邪魔さえしている。

例えば、チェ・ホンマンとの格闘シーン。
大体、40才過ぎて体創って(それも凄く)、
本気で大プロと格闘シーンを撮る主役も、正気じゃない。
が、その興奮冷めやらぬ直後、西川史子、いや、
加藤マネージャーとの、ウッフン♡が始まるのが世離れしている。
直前まで必死に築き上げた雰囲気は何なんだ?
“あの格闘シーンは、夢か幻か”ってなもんだ。

これを“失敗”ではなく、“ちゃんと”やってる所が【只野】。
コレに付いてこれるかどうか、コレが今作のキーだ。
面白さが、ほぼ我々側の受けとり方の問題だというのも凄い。

メイド喫茶も、サウナ嬢も、ホモ社員も、変態デビット伊東も、
チェ・ホンマンの《ジャッパーン!(観れば判る)》も、長谷川初範のヤル気ない芝居も、
他の映画のうっす~いパロディも、
【只野ワールド】の味として、付いていける人は大丈夫!
ちなみに私は、4~5度完全にひいたが。

下手に映画畑の人で創らず、テレビスタッフのまま事にあたったのが、
この見事な“完全再生テレビ映画”となった。
【只野】は映画でも変らなかった。
私は、こう云う手段を選ばず、何とか独自色を出そうとする魂を、
捨て置けない甘さがある。 甘いなぁ。

【相棒】の映画化の話には、『あ、な~る程』と納得したが、
【只野】には、『大丈夫?』と感じたのは、私だけではあるまい。
つまり、映画ノリし易く、映画ファンを取り込める作品と、そうでない作品だ。

制作側の『新しいファンを開拓できるかどうかが、興行の鍵』、との声も聞いたが、
カン違してはいけない。
“テレビを観て、面白いと感じた方(のみ)が面白い映画である”。
今作を楽しめた方は、TVも楽しめる…ただそれだけだ。
そんな作品で、ここから目覚しい程のファン層が広がるのだろうか?
…余計なお世話か。 【只野】が【只野】であった事を、単純に良しとするべきかも知れない。

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