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まぼろしの邪馬台国 (2008)

監督
堤幸彦
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  • みたログ 503

3.06 / 評価:221件

そうだったのか、邪馬台国

  • 川崎オスカー さん
  • 2008年12月6日 21時55分
  • 閲覧数 545
  • 役立ち度 85
    • 総合評価
    • ★★★★★

安売りチケット問題が巷を賑わせているが、そちらについては後段にて論評したい。

まずは映画の感想です。大甘かも知れませんが☆5つ、あえて満点をつけさせていただきました。大袈裟な演技が嫌われてレビューの点数を落としているように感じる宮崎康平役の竹中直人さん。大袈裟だったからこそ、卑弥呼伝説の旅において妻・和子に感謝する姿に感動を呼ぶのです。宮崎康平の生涯を知れば知るほど、竹中さんの演技が決して大袈裟なものではないことに気がつかされました。

“邪馬台国”には全く興味など無いけど、宮崎夫妻の半生について映像を通して知ることは決して無駄ではなかった。超多作監督で、時には現場にもこないで携帯電話で指示を与えるという堤監督の姿勢は評価できないが、『明日の記憶』に見られるような優しさ溢れるカメラワークに脱帽した。大石静脚本というのも、この作品の質を高めている一因。勿論、吉永小百合さんの存在感たるや、大和撫子たる粛然な妻を演じさせたら右に出るものは居まい。

柳原可奈子さんもスクリーンデビュー。窪塚洋介くんとの口づけにはビックリしたが、役者としても合格ですね。蛇足ながら、もう一つ。方や、きみまろの出演はこの映画に全く必要なかった。これだけが本当に残念。DVD化する時は、彼のシーンをカットしていただくことをお薦めする。カットしても何ら影響の無い、無駄な演出。主題歌はさだまさしが作り、歌うべき題材。些かもったいない。

さて、満点の要因がもう一つ。先週の週刊新潮でも記事となっていたが金券ショップでの安売りで遂に1枚100円(!)までのディスカウント。100円で映画が観れて、この出来なら満点ですよ。

セコいお話ですが、安売りチケットの活用法。例えば『まぼろしの邪馬台国』を上映している映画館がポイントサービス(例えば6本観たら1本サービス)を実施していたら(但し、前売券でもポイント付与が前提)100円チケットを6枚仕入れます。映画自体は1回だけみて、あとはの5回は入館して即、退館。これで、ポイント6ゲット。600円で『まぼろしの邪馬台国』と『WALL-E』(じゃなくても良いですが)が観られます(^<^)

なぜ、このような鑑賞券が出回るのか。この作品でいえば“キノシタグループ=木下工務店”がスポンサーであることがその要因。過去、木下工務店が経営不振に陥った時に救いの手を差し伸べたのがベンチャー企業/MCコーポレーション。ここのCEO(木下姓であるが、旧木下工務店とは無縁)が大の映画好きで、キノシタグループに「キノシタマネジメント」という映画製作・配給事業会社を置いています。こちらがスポンサーとなり、チケットを大量購入。前売特別鑑賞券に【○+木】と入っているのがそのチケットで、顧客頒布品や懸賞品としてグループ内で利用されています。勿論、興行成績を上げるために社員たちにも「ノルマ」があるようで、裁ききれない連中などが50枚で1~2万円程度の売値で金券ショップに持ち込まれます。今回の場合は前売1枚1千円ですから、50枚で2~3千円は社員の自腹。まるで、学生の演劇集団のようですね。金券ショップは当初800円ぐらいで売り出していましたが、余りに大量に持ち込まれるために価格が暴落。遂に100円での販売です。これだけで「100円で売られる失敗作」「安かろう、悪かろう」というレッテルが貼られて、映画そのものの価値が薄れしまい観客の動意が失われる現象に陥っています。

今までにキノシタグループがスポンサーとなった作品は『I am 日本人』『未来予想図』『築地魚河岸三代目』『パンダフルライフ』『櫻の園』。近日公開で『ぼくのおばあちゃん』。既公開分は1本も観ていないので評論する立場にありませんが、その興行成績たるや、言を待たないでしょう。今後も“木下工務店がスポンサーに付く”というだけで、正規料金で観に行く層が少なくなっていく懸念もあります。“公開後、少し待てば安く観ることが出来る”~私自身はそう判断します。映画ファンにとって価格破壊は歓迎するべき事態ですが、映画興行という面において今回の現象は必ずしもプラスとは云えません。週刊新潮の記事ではここまで踏み込んではいませんでしたので、あえて一石。殿、ご乱心。

『まぼろしの邪馬台国』決して100円で売られるような安っぽい作品ではありません。

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