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ばけもの模様 (2007)

監督
石井裕也
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  • みたログ 32

2.77 / 評価:13件

ばけものここさ

  • kor******** さん
  • 2013年6月11日 4時46分
  • 閲覧数 1054
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

冒頭「あんたがたどこさ」を間違えながら可愛く歌う少年はれっきとした幽霊=ばけものであるはずが、生きているはずの人間達の方が訳の分からぬ不思議な生き物で、人間ほど訳の分からぬものはいない。だから、訳が分からぬから人間こそ恐ろしく、人間は人間から観れば化け物そのものである。井原西鶴の「西鶴諸国ばなし」の序文に記された「人は化け物、世にないものはなし」から石井裕也監督はこうインスピレーションを受けたのだろうと勝手に思う。

シュールなロングコントにも捉えられるテイストは三木聡作品にも似ているが、いわゆる“痛い大人”の“痛い部分”を滑稽だが、どこか恥ずかしめを受ける感覚でカメラは捉えていく。息子の死で頭がおかしくなった主人公と推測できるが、息子の死はきっかけに過ぎない。現に主人公は息子が死ぬ前から鬼のお面をつけていたらしいし、自称埼玉生まれのカルメンと昔から思っていたのであろう。スクリーンを見つめることにより現実世界から目を背くことによう、人間は己の中に潜むばけものからも目を背けているだけなのかもしれない。

細かい仕草や、突飛な行動を魅せてくれた役者陣の中でも石井作品常連である桂都んぼの演技が一番見応えがあった。コミカルなようでシニカルなようで、他人に対して真面目に接している優しい人柄と、それによって発散の行き場を失うストレスの矛盾さなど今作のテーマにハマる部分を一人で演じきれている気が私にはした。(現在は桂米紫に襲名)

好きな人を待ち、コトコト煮込みを作り、味付けは涙でさ。といった台詞も良ければ、孤独なギター音楽も作品と非常にマッチしている。便は産むこと、すなわち生き続けることを意味しているものかもしれない…と邦画界に風穴をあけるようなクライマックスを見て「ふむふむ」と勝手に頷いた私はれっきとしたばけものの一員である。



余談

・バーナーは買ったの?拾ったの?
・ばけものでもさすがにDVD特典の短編には目を背けた(笑)

詳細評価

物語
配役
演出
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音楽

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