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水の娘 (1924)

LA FILLE DE L'EAU/WHIRLPOOL OF FATE

監督
ジャン・ルノワール
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5.00 / 評価:1件

妻を作品の主演にするのは遺伝かな?

  • bakeneko さん
  • 2020年9月23日 12時14分
  • 閲覧数 58
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ジャン・ルノワールのデビュー作で、妻のカトリーヌ・エスランをヒロインにして、運命に翻弄される若い娘の流転を、フランスの片田舎の豊かな自然描写の中に活写してゆきます。

ピエール=オーギュスト・ルノワール晩年のモデル(愛称:デデ)にして、ピエールの息子で映画監督ジャン・ルノワールの最初の妻であるカトリーヌ・エスランは、映画女優指向が強く、ジャン・ルノワールは資金と脚本を提供して「カトリーヌ」(1924年)でデビューさせました。更に愛妻の映画主演の夢を続けるべくルノワール自らが監督したのが本作であります(“妻を喜ばせたい!”という思いが世界的巨匠を生み出したんだから、女性の力って強いなあ~)。
19世紀のフランスの田園地帯。運河の船に住む娘:カトリーヌ(カトリーヌ・エスラン)は運河に浮かぶ船で父親:グードルと叔父:ピエール、愛犬と暮らしていたが、父親が事故で水死してしまう。遺産を相続した横暴な叔父は財産を食いつぶしカトリーヌにも暴力を振おうとする。難を逃れたカトリーヌは、悪童の“イタチ”とその母親の“コウモリ”に拾われるが、農家とのトラブルから母子は逃亡し、また独りぼっちになってしまう。放浪していた彼女は今度は豊かなレナール家の息子:ジョルジュに助けられるが叔父が彼女の居所を嗅ぎ付けて…というヒロイン受難譚で、カトリーヌ・エスランの美貌を堪能できる作品ですが、同時に後のルノワールのモチーフである―
フランスの田園地帯の自然描写
ボヘミアンな流浪生活への憧れ
鋭い人間観察
を観ることが出来ます。
一方で、この時期の芸術&映画界を席巻したシュールレアリズムやアバンギャルド様式も映画に採り込んでいて、マン・レイの写真そっくりの構図なども見つけることが出来ますし、フラッシュバック、クローズアップ、スローモーション、逆回転、多重露光を駆使した映像表現の実験も劇中で行われています。

ヒロインの受難の行方に一喜一憂させる巨匠のデビュー作で、ルノワールの後の作品で度々活写されることになる“ワンちゃん”も元気に出てきますよ!

ねたばれ?
カトリーヌ・エスラン(デデ)とルノワール父子の関係は「ルノワール 陽だまりの裸婦」(2012年)で詳しく描かれています(カトリーヌ・エスランを演じているのはクリスタ・テレ)

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