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誰も守ってくれない (2008)

Nobody to watch over me

監督
君塚良一
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3.53 / 評価:914件

解説

殺人犯の妹になった少女と、彼女を保護する刑事の逃避行を通じて日本社会の理不尽さを問う社会派ドラマ。『踊る大捜査線』シリーズの脚本を手掛けた君塚良一が脚本と監督を兼ね、過熱するマスコミ報道と容疑者家族の保護をテーマにした問題作を撮り上げた。兄の逮捕で世間から糾弾される少女に志田未来、彼女を守る刑事に佐藤浩市。手持ちカメラの擬似ドキュメンタリー手法が非情な社会感情を浮き彫りにし、観る者の心に迫る。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

平凡な4人家族の船村家で、ある日、一家の未成年の長男が小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。東豊島署の刑事・勝浦(佐藤浩市)は容疑者家族の保護を命じられ、保護マニュアルに従って15歳の沙織(志田未来)をマスコミの目、そして世間の目から守るため、ホテル、アパート、マンションと逃避行を始める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2009 フジテレビジョン 日本映画衛星放送 東宝
(C)2009 フジテレビジョン 日本映画衛星放送 東宝

「誰も守ってくれない」ズシリと重くて見応えがある、中年刑事と少女の逃避行

 ほとんどの刑事ものは被害者を描いているが、この作品は加害者家族の保護という視点が斬新で、最初から引き込まれた。君塚良一監督はエンタテインメント系の人だと思っていたので、いい意味で裏切られた。誰にとっても生きることは容易でなく、登場人物はそれぞれ深刻な悩みを抱えている。刑事の勝浦(佐藤浩市)は、犯人の妹で15歳の少女・沙織(志田未来)を保護する任務につく。かつて幼児を殺害されたことがトラウマになっている中年刑事と、殺人犯の妹になってとまどう少女のぎこちない逃避行がスリリングに展開していく。沙織の両親が警察の指導で離婚し名字を変えるエピソードなど、そこまでしなければいけないのかと驚いた。

 手持ちカメラを多用したドキュメンタリータッチの演出が、リアルな臨場感を生み出している。2人を追いつめるのはマスコミの過剰なバッシングと、匿名を武器に誹謗中傷するネット社会の悪意。人間は戦う相手の実体がよく見えないときに恐怖を感じるが、ここには誰がいつ勝浦や沙織になるかもしれないという恐ろしさがある。報道や表現の自由とプライバシー保護の問題は、どちらにも言い分があるので境界線を引きにくい。この映画も結論を出していないが、他者の痛みを少しでも理解しようと努力することで、かすかな希望を抱かせてくれるところがいい。考えさせられることが多く、ズシリと重くて見応えがある。(垣井道弘)

映画.com(外部リンク)

2009年1月15日 更新

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