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マーゴット・ウェディング (2007)

MARGOT AT THE WEDDING

監督
ノア・バームバック
  • みたいムービー 38
  • みたログ 452

3.68 / 評価:174件

「あれが旦那?!いっ、妹よ、何を言う!」

  • すみちん さん
  • 2009年4月13日 23時42分
  • 閲覧数 483
  • 役立ち度 37
    • 総合評価
    • ★★★★★

いや~、「観た」というより「覗き」ました!
登場人物がみんな情緒不安定。
ベタな展開も、華やかさも皆無ですが、
なぜかずーっと観ちゃうんですよ…

次は、どんなとんでもないこと言い出すのか、
やらかすのか、ジーッと覗き見気分です。

ニコール・キッドマン、ジャック・ブラック、
ジェニファー・ジェイソン・リー、
ジョン・タートゥーロあたりが出てるのに劇場未公開。

パッケージもおしゃれな感じですし、
作品分類も「コメディ」。
いろいろなサイトで見ても、「コメディ」と記載。

この話を「コメディ」と位置付けた人って
ある意味、相当な人生経験者ではなかろうか?!
これを「笑える」って結構、すごいことですよ。

もしくは、「全く観てない」で、適当に分類したか…。

ただ、海外では「インテリ層の内面が赤裸々に
表現されているところが皮肉で笑える」…と評価も
されているようなので、いわゆる「シュール」な位置づけ?!



要は、作家でインテリの姉が、バツイチの妹が結婚するというので、
絶遠状態だったのに会いに行って、一悶着起こすお話。

なにしろ、妹の婚約者マルコム(ジャック・ブラック)は、無職で、
新聞投稿が趣味ですから…。あ、抽象画なんかも描いてます…。
本人曰く「努力することはあきらめた」と。

この辺は、私も妹のいる姉として「絶対、こんなのと妹を結婚させる
訳にはいかない!!」と思いました。
やっぱり女の勘ってありますからね。
いや、勘を働かせる以前に、どうみてもマルコムはダメ男。
ましてや、妹がのめり込みタイプだと分かっていれば、尚の事、反対!


でも、これだけの話だったら、「ダメンズウーマンになりかけている
妹を救いたい姉」で終るんですが、それはほんの序章で、
実は、一筋縄でいかないのが、この作品の凄さ。

人間の精神的に弱い部分、表向きに描いてはタブーな部分を
これでもか!と言わんばかりに投げつけてくるんですよ。

だから、途中でこの作品自体、イヤになる人もいるだろうし、
反対に「このダメさ加減はどこまで行くのだろう?」と興味が湧く人も
いると思うんですね。でも、最後まで観ても、残るのはモヤモヤ。
そして、淡々と流れるエンドロール。


「覗き」って、「全部覗けないスリル」があると思うんですが
やっぱりこの作品、それに似ている気がします。

映画で言う「観た」を感じない。
「とんでもないもの覗いちゃったよー。でも、その後のことは知らない。
だって、覗き穴も塞がっちゃったし…」
という感じ。


「家族」がテーマではありますが、家族だからこそのチグハグな会話が
随所に出てきます。

家族だからこそ言えること、してもいいこと。
でも、反対に家族だからこそ言ってはいけないこと、してはいけないこと。

登場人物たちは、「家族」を通して苦い経験をします。
また、その苦い経験の矛先が「自分の子供」に向けられた時、
子供は子供で傷ついたり、子供なりに親をかばおうとしたり…
結局は親の方が、子離れできなかったり。

子供の方が大人に見えたり、大人の方が子供に見えたり。
皮肉ではありますが、これも、この作品の魅力なのではないかと思います。


血の繋がりって不思議なもので、「こんなこと言っても、家族なら
許してくれるだろう」というような甘えって時にありますよね。
でも、血が繋がっているからこそ、繊細に対応しなければいけないことも
あるな~…と、この作品を見つめながら、改めて思いました。


罵倒しあってるけど、この姉妹は、きっと互いのことが好き。
そして、心配。また、相手の生き方がちょっぴりうらやましい。
だから、互いの言ってることがうるさい。
うるささも心地いい程度だったら愛しい。
でも、程度をすぎると「愛しい」のバランスが難しいものですね。
それは、姉妹に限らず、人を愛おしむ際、誰もがぶつかる壁かもしれません。


でも、癖のある人物たち、特にマーゴットは私は嫌いではありません。
「姉」として姿、あれもアリかな、と思います。
「姉だから、こうやってしまった」みたいな気持ちも、姉の私には
分かりました。この妹は、本気で心配ですよ~(汗

でも、妹の人は、「こんな姉ちゃん、いらんわ!」と思うかも(^^;
また、「親」としてはちょっと…な部分はありました。


さて、あなたはこの作品の「痛みや愛おしさ」を受け止められるか?!
私は、全部は無理だったけれど、監督なりの人間賛歌を感じました!

「万人受け」する作品ではないので、その点だけご注意を。
まぁ、「誰かを覗き見」。これも映画の楽しみですけどねっ。

詳細評価

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