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ハンサム★スーツ (2008)

監督
英勉
  • みたいムービー 520
  • みたログ 3,611

3.61 / 評価:1383件

確かにTV感覚かも知れない…が、面白い!

  • zin***** さん
  • 2008年11月8日 18時55分
  • 閲覧数 137
  • 役立ち度 58
    • 総合評価
    • ★★★★★

勢いのあるTV作家・映像監督らしいノリとアイデア、
恐れ知らずとも言える感性で、
堂々と面白く創っちゃった作品。

全編に、どっかTVテイストがあり、
およそ映画らしい風格・臨場感に欠けながらも、
ここまで無防備に面白く観せたのは、もはや快感だ。
ずっとニコニコ笑って観られ、見せ場・泣かせ場で、
じっくり画面に見入れさせる、それ以上何を求めよう?

TV画の如く、ロングをほとんど入れない画創りは、
拡がりと位置関係に欠け、どっかイライラするものだが
…正直、今作も多少イライラする。(笑)
でも考えてみりゃ、この話、臨場感ナドどーでも良い。
そんな事でつまんなくなる映画じゃない。

TVと映画、表現方法にかなりの違いはあれど、
所詮、キャラのドラマが話を引っぱる。

今作でひたすら、ひたすら面白く観せるのは、
琢郎が杏仁に成り代わった面白さ。
端正さと“旬”を合わせ持った風貌は、
街行く女性が振り向き、トップモデルを近づける。
だがそんなお約束より、面白いのは“谷原章介”だ。
杏仁だ。 あれ?琢郎か。 まぁとにかく、谷原章介が良い。

TVイメージの先入観か、
塚地武雅=谷原と言われても、ヤハリどっか別人として観る。
それで良い。 そんな事ァ、製作陣はきっと百も承知。
だから勝負は、谷原の“琢郎演技”の面白さ。
これに“照れ”などありょもんなら、今作は無残だった筈。
谷原の壊れ方次第の作品だったが…いやぁ、壊れた。見事に。

評価すべきは、塚地のコピーのまんまでなく、
“谷原の容姿で笑える琢郎”を演った事。
平たく言うと、かなりオーバーな琢郎である。
谷原の容姿にはその位が丁度ハマった。
《あの谷原が!》これが狙いだろうし、TVの先入観を逆手に取った。
特殊メイクもしかり。 《あの谷原が!》
こう云う面白さを築いた。

谷原の“間”も凄い。
役所広司や山崎努、それに連なる程の絶妙の“間”。
鋭い役者勘とも言える。
塚地のそれが、お笑いで培ったノーマルなものだとしたら、
谷原の“間”は、《何やっちゃってるんだ》ってな感じの、
役者勘が爆発するアブノーマルな笑いだ。
似合わないからこそ、不意打ちで笑っちゃう、この素晴しさ。

笑える秘訣は、セリフにもある。
谷原がボケたり、ツッ込んだりする前のセリフは、シャープに自然に決める。
ダラダラしたセリフでは、ツッ込み場所と気付かれる。
気取られないうちにボケやツッ込みが来る。 だからこそ思わず笑える。
“水噴き”を観よ!
3回も笑えるか?普通? もはや名人芸に近い。
この秀逸な作家感性、ヤハリ見逃せない。
勿論、塚地武雅の人懐っこい笑いもイイ。
塚地+予測不可能な谷原笑いの、波状攻撃の贅沢さ。

加えて、ドギツイ様でどこかパステルな明るい色調画面は、
笑いの舞台にマッチし、ニクイ雰囲気。

やがて見せ始める今作のテーマ。
“人は見た目か、見た目じゃないトコか?”
キレイ事も語られる。 キレイ事じゃない事も起きる。
変化球のない、潔い程の王道テーマ。
対して、話は意外とアチコチ行く。
パーフェクト・スーツ、何故か本江と判り合えないもの、
そして、“見た目”は何かを捨てるか?…ナド。
話はこれらを畳みかけ、目を離させなくさせる。

それを彩るチクンと来るテイスト。
杏仁が來香や人の心を動かせたのは、それが琢郎だったから、と。
それは、“ガールズコレクション”での、ヘッポコ走りで爆発する。
『みんな、スンマヘ~ン』
抱きしめたい位な、不器用でまっさらな男、琢郎。
それを演じ切る、見事な谷原章介。

いやぁ、伊武雅刀も久々にハマった。
この人はやはり、型から入った方が“変さ”に厚みがでる。 全く変な役者。
大島美幸、ブラザートム。
ハジけたキャラ達の中で(まぁこの2人も、ある意味ハジけてるが)、
シマリのある“暖かさ”を与え、質を上げる。

オチは、私が“読めた”位のモノ。
ついでに、オチ後のフラッシュバックも、
大した事ないオチの傷口を、かえって拡げる様でクドい。
確かに、映画を創り慣れない脚本家・監督の仕事が見える。
が、そんな事気にしている場合かと言うと、気にならない程面白い!…から困る。
面白いのは、そんな事じゃないからさ。

TVありきの作品かも知れない。
映画と言うよりは、TV作家達が創った映画、と注釈した方が良いかも知れない。
だが、それを大いなる武器にした。
TVのイメージを持った役者達を、
時にまんま使い、時に意外な面を観せて描いた(温水洋一も凄いゾ)。
タレント、役者を知り抜いてないと、これは出来まい。
これはプロの仕事だ。 TVの国からも、面白さはチャンとやってくる。

追伸。 “青山”の使い方。
ありゃもう、特別協賛なんかじゃない。
あれ程テレない使い方をすると、変って気持イイ。

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