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劇場版 空の境界/第四章 伽藍の洞

asu********

1.0

ネタバレどこか強引なアニメ映画のような。

式が瀕死の重症を負い、もう一人の自分と別れを告げる のですが、その辺りが漠然としていて不満です。 なぜ、もう一人の人格が消滅してしまったのか。それこそ、 この物語の重要な部分のはずですが、そこが全く不明 です。あれだけ鮮明に現れていた人格ですから、瀕死の 重症が原因で消滅した、とは考えにくい気がします。 第二章では、式の破壊願望がもう一人の人格だ、という ような事が、セリフの中で言われていましたが、式は、 第四章でも相も変わらず自分を肯定できずにいます。別 人格の織が消える理由がありません。 物語の終盤、式は、自ら戦う事を決意し、敵を倒します が、その後、橙子の仕事を手伝う事を希望します。その 時のセリフが、「人を殺せるのなら」です。 この辺りが、『空の境界』が殺人ゲームの領域から外に 踏み出せない欠点を暴露しているように思えます。 がらんどうの心を抱えた式が、漸く『強く生きる意志』を 持つのに、他の人間の命を軽々しく否定するセリフを口に するでしょうか? そもそも、式は連続殺人事件の犯人 ではない(多分)のだし、殺人を生きがいにして今まで 生きてきたわけでもありません。これは、どうにも物語が ちぐはぐで、式がそんなに強い殺人衝動を持つ理由が、 全く不明です。 殺人ゲームのヒロインとして設定されているから、という 理由では、あまりに荒唐無稽です。 式が強い殺人衝動を持つ理由。その重要な部分を丁寧に 描かなければ、『戦闘ゲームだから安易に人が死んでいく し、プレイヤーは、そんな事を気にしない』という『最低 レベル』の殺人ゲーム映画になりかねません。 戦闘シーンですが、敵が弱すぎるため、迫力に欠けます。 橙子の魔法(?)による攻撃など、面白い部分もあります が、第一章や第三章に比べると、「何だかなあ」と溜息が 出そうです。 式の心理の移り変わりや不思議な魔眼に興味のある人は、 勿論、観るでしょうが、そうでなければ、あまりお勧めは できません。

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