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ヒーロー・オブ・カンフー 猛龍唐人拳 (1977)

唐人街功夫小子/CHINATOWN KID

監督
チャン・チェ
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3.00 / 評価:1件

あどけない傅聲が魅力!?

  • lamlam_pachanga さん
  • 2013年3月20日 16時05分
  • 閲覧数 418
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

本作は77年製作のショウ・ブラザース映画で、悲運の武打星として記憶される傅聲(アレクサンダー・フーシェン)の代表作とも呼べる功夫映画です。

傅聲は、日本ではほぼ無名の武打星です。その大きな理由は、(当時)日本には輸入されないショウ・ブラザース専属の俳優であったためですが、香港では、70年代後半に最も輝いた武打星のひとりとして知られます。その整った顔立ちから女性中心に人気を博し、しかもハワイ育ちのためか、ほかの武打星にない現代的な魅力を持った人でした。しかし、人気絶頂期に撮影中の事故で両脚を負傷し、その後、交通事故で若くして夭折(享年29歳)。但し、年齢の割に主演作は多く、『嵐を呼ぶドラゴン』、『裸足の洪家拳』などを遺しています。

この傅聲を武打星として育て上げたのが、本作の監督である張徹(チャン・チェ)。この人も日本ではほとんど知られてませんが(理由は傅聲と同じ)、最近では(タランティーノの『キル・ビル』の影響もあって)カルト的な人気を得ているようです。一方、香港や台湾では巨匠として知られ、しかも、劉家良(ラウ・カーリョン)、呉宇森(ジョン・ウー)、午馬(ウー・マ)など、多くの後進を育てたことで高く評価されています。

その張徹の演出スタイルは「陽剛」。これは、「漢たちの悲劇的末路」を「血みどろの闘い」の中に描き切るもので、呉宇森が今日に受け継ぐ命題です。張徹の映画に時代劇が多いのは「陽剛」を描くのに都合が良いからだと思いますが、この映画は現代劇。しかも、舞台は米国サンフランシスコです。

兵役を終えた楊堅文(孫建)は夢である米国留学を叶えるため、日夜、台北の街でアルバイトに励む。一方、祖父を頼って大陸から香港へ密入国した譚東(傅聲)だが、その純粋な性格が災いし、地元の黒社会幹部の徐豪(王龍威)とのトラブルから米国へ密航せざるを得なくなる。それぞれにサンフランシスコへ渡ったふたりはチャイナタウンのレストランに仕事を求めるのだが...。

まあ、ストーリー的には他愛もない映画です(笑)

この後、楊堅文と譚東が意気投合するも、チャイナタウンを仕切るふたつの組織(青虎と白龍)の争いに巻き込まれ...と言う展開は、最早お決まりと言えるものでしょう。張徹も決してドラマ描写が上手な人じゃないので、序盤の主人公ふたり(楊堅文と譚東)の対比も大して利いてないし、それ以前に米国に来てからはほとんど譚東のひとり舞台。悪役にしても、香港で登場する徐豪や、サンフランシスコで最初に出てくる黄虎棣(羅莽)の登場がインパクトでかい割に、突然出てくる郭追(フィリップ・コク)の方が本筋上は重要だったり、何か中途半端。

しかし、功夫映画と言うのは演武が素晴らしければ、それだけで満足出来ちゃう卑怯なジャンルでもあります(笑)

武術指導の李家鼎(リー・カーディン)が手掛ける振付はスピード感があって非常に素晴らしい。元々、傅聲にしろ、孫建にしろ、王龍威にしろ、羅莽にしろ、郭追にしろ、皆、確かな武術や体技を持つ人たちばかりなので、その振付をしっかり消化している。傅聲には手技、テコンドー修得者の孫建に脚技と、それぞれに違いを持たせた演出もスッキリしています。

この映画、単純明快なストーリーなのにイマイチまとまりを欠く脚本と演出は難ありですが、終わってみればかなり満足の行く仕上がり。それと言うのも功夫がきちんと描かれているからですが、これにプラスして、主演のふたりがそれぞれに「スター性(傅聲)」と「超地味(孫建)」と言う持ち味を十分に発揮していることが大きいように思えます。

『ヒーロー・オブ・カンフー 猛龍唐人拳』は、傅聲や孫建の頑張りのおかげで、その結末まで面白く観られる一作。妙にあどけない傅聲のキャラクターにはジャッキー・チェンの元祖と言った部分も感じられるので、日本人には親しみやすいと思います。

最後に、この映画は後年『五毒拳』でブレイクする「五毒スター」が全員揃った映画でもあります。前述の孫建(スン・ジェン)、羅莽(ロー・マン)、郭追(フィリップ・コク)はすぐに分かるでしょうけど、あとのふたり...江生(ジャン・シャン)と鹿峰(ルー・フェン)がどこに出てるかは、頑張って探して下さい(笑)

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